埼玉県嵐山町には、かつて鎌倉幕府の有力御家人だった武将、畠山重忠公の館がありました。
「鬼鎮神社」は、その重忠公館の鬼門除けとして創建されたといわれる神社です。
そしてこの神社は、鬼を大事にするという珍しい神社なんですよ!
境内の至るところで、鬼に関連する珍しい奉納品にも出会えます。
そんな鬼鎮神社の見どころやご利益を紹介します。
目次
「鬼鎮神社」 畠山重忠館の守護神社
鬼鎮神社と鎌倉御家人・畠山重忠
鬼鎮神社は、東武線・武蔵嵐山駅から1.5kmほど離れています。
幹線道路から市街地に入り、その外れの閑静な場所が鎮座地でした。
鬼鎮神社の建立は古く、平安時代末期の寿永元年(1182年)といわれます。
当時の当地には、武将・畠山重忠(はたけやま しげただ)が居館していました。
鬼鎮神社は、畠山重忠館の鬼門の守り神として建立されたといわれます。
古代中国では、北東方向に鬼が出てくる鬼門がある、といわれるんですね。
災害・疫病などの元凶として、古くから恐れられてきました。
ここで畠山重忠について。
畠山重忠は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武将。
鎌倉幕府における、有力御家人の一人でした。
剛勇かつ優しい人柄といわれ、”坂東武士の鑑”と名高い人物でした。
重忠は幕府内の政治争いにより、元久2年(1205年)の抗争で滅ぼされます。
その最期の戦いの際も、この地の居館「菅谷館(すがややかた)」から鎌倉に発った、という記録が残っています。
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参道には青銅製の狛犬
鳥居をくぐると一直線に伸びた参道があり、厳かな気持ちで社殿へ向かいます。
青銅製の狛犬が、拝殿手前を固めてました。
昭和に造られたものでした。
参道脇には手水舎。
祭神は邪気から守る”道の神”
鬼鎮神社の御祭神は、衝立船戸神(つきたつふなとのかみ)・八衢比古命(やちまたひこのかみ)・八衢比売命(やちまたひめのかみ)の三神です。
衝立船戸神の名にある船戸は、港を意味するそう。
人の出入りが頻繁な場所への、邪悪なものの侵入を防ぐ「道の神」だそうです。
八衢比古命・八衢比売神も、邪神・悪霊の侵入を防ぐ神とされます。
社殿の柱と一体化してたため、一旦スルーしてしまいましたが。。。、
でっかい金棒が柱に吊り下げられていましたよ!
境内には鬼の金棒が点在!?
鬼鎮神社はその社名の通り、鬼が神様の使いとして大事にされている神社なんですね。
珍しいですよね。
そして拝殿の正面にも。。。
扁額に、赤鬼と青鬼の2つの鬼が描かれています!
なんだか、親しみが湧く雰囲気の鬼ですなあ。
氏子からの奉納品とのことです。
さらに上に視線を移すと、ツノが飛び出た勇ましい鬼瓦が!
こちらはなかなか精悍で迫力があります。
かつては坂東武者と呼ばれる、関東の武士からの崇敬が篤かった鬼鎮神社。
明治以降になると、出征兵士からの崇敬を受けたそうです。
そして拝殿脇には、様々なサイズの金棒が置かれてた。怖っ!
奉納品ですが、どこで売っているんでしょうか?特注品なんでしょうか?
戦後になってからは受験必勝の神様として、多くの参拝者が訪れているそうです。
やはり鬼に金棒、ってことなんでしょうね!
参拝後に金棒のお守りや、祈願成就の赤鬼青鬼の絵馬を授与されてゆくそうです。
節分祭は最大のお祭り、鬼は内!?
鬼鎮神社の一番大きなお祭りは「節分祭」。
その日は多くの参拝者で賑わうそうです。
で、やはりその際気になるのは、豆まきの際の掛け声。
一般的に豆まきのかけ声は、「福は内、鬼は内」ですよね。
ですがこちらでは、赤鬼・青鬼・年男が「福は内、鬼は内、悪魔外」といいながら、福豆・みかん・団子などを投げるそうです。
日本でここだけの鬼の祭、ともいわれているらしいですよ。
ふむふむ、悪い奴は鬼じゃなくて悪魔なのか。なるほどなあ。
鬼鎮神社の御朱印
赤鬼・青鬼のイラストが入った、書置きの御朱印を頂きました。
本日は社務所で御朱印を頒布頂きましたが、社務所での対応は土日のみらしい。
対応されていない場合は、東武線「武蔵嵐山駅」西口の「嵐山町ステーションプラザ嵐なび」でも購入ができますよ。
神社に参拝に行くと、神々についてや神社施設の呼び名・役割について知りたいけど、聞ける相手もいない!
ってことありません?そんな時、網羅範囲が広い本書は結構頼もしいですよ!
鬼鎮神社の詳細情報・アクセス
鬼鎮神社
住所:埼玉県比企郡嵐山町大字川島1898(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・東武東上線「武蔵嵐山駅」東口より徒歩約15分
車)
・関越自動車道「嵐山小川IC」より約5km(約10分)、「東松山IC」より約6km(約12分
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鬼鎮神社に参拝にゆきませんか?
一風変わった鬼鎮神社を紹介しましたが、いかがでしたか?
大きな神社ではないのですが、地元の方々に親しまれている感が伝わってきましたよ。
嵐山町には、菅谷館跡や杉山城などの中世城郭跡があり、歴史好きにはオススメの地。
また、埼玉を代表する景勝地・嵐山渓谷がありますので、出かけてみては?
鬼鎮神社に参拝に出かけてみませんか?
記事の訪問日:2021/12/12
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