
歴史スポットが多い埼玉県嵐山町に、「鬼鎮(きぢん)神社」という鬼を大事にしている大変珍しい神社があります。
境内には奉納された本格的な鬼グッズも置かれているんですよ!
この異色の神社の見どころや歴史について紹介します。
『鬼鎮神社 参拝』鬼たちと出会う
由緒、鬼鎮神社と武将・畠山重忠公

鬼鎮神社は、東武東上線「武蔵嵐山駅」から1.5kmほど離れた所にあります。
道でいうと県道69号(深谷嵐山線)からちょっと外れた、市街地の外れにあたる閑静な場所に鎮座しています。

鬼鎮神社の建立は、今から800年前の平安時代末期・寿永元年(1182年)と伝わります。
当地に居館していた武将・畠山重忠(はたけやましげただ)公の館における、鬼門の守り神として建立されたのが起源とされます。
鬼門というのは古代中国を起源とする考え方で、”北東方向に存在して、鬼が出てくる門”とされます。ちょっと不思議な考え方ですね~。災害疫病などの元凶として恐れられている方角のことです。

畠山重忠は平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した武将で、鎌倉幕府の有力御家人の一人。 剛勇かつ優しい人柄で、”坂東武士の鑑”といわれた人物です。
元久2年(1205年)の重忠公最期の時も、この地の居館である「菅谷館(すがやかん)」から鎌倉に向けた途中で討ち死にしています。
菅谷館跡はここから南西4km程離れた場所にあり、後の戦国時代に改築されて使われた城郭跡として一般公開されています。
参道を進む


鳥居をくぐり、短いですが一直線に伸びた参道を歩くと厳かな気持ちになりますね。

参道途中の手水舎。


昭和に造られた青銅製の立派な狛犬が、拝殿手前を固めています。
社殿、祭神は三神

鬼鎮神社の御祭神は、衝立船戸神(つきたつふなとのかみ)・八衢比古命(やちまたひこのかみ)・八衢比売命(やちまたひめのかみ)の三神です。
主神の衝立船戸神は、古事記の中で伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉の国を訪れた後、禊祓い(みそぎはらい)をした杖を投げ出した時に杖より生まれた神様です。(神話の中の、神様の生まれ方って不思議ですよね。。。)
船戸というのは港を意味して、人の出入りが頻繁な場所で邪悪なものが入らないように防ぐ”道の神”といわれています。
八衢比古命・八衢比売神も邪神・悪霊の侵入を防ぐ神とされます。

社殿の柱と一体化してスルーしそうになったが、バカでかい金棒が吊り下げられていますよ!
そう、この神社では神様のお使いとして鬼が非常に大事にされている存在で、こちらは鬼のトレードマークである金棒になります!
鬼に金棒な奉納品が!

で、鬼はどこにいるかというと。。。社殿の上の方に気配が。

扁額に赤鬼と青鬼の2つの鬼が描かれています!氏子から奉納された物のようですね。
怖いというより、ちょっと愛らしい感じの鬼ですな(苦笑)。

その上には複雑な形に作り込まれた鬼瓦が二つ見えます。こちらはなかなか精悍な感じで迫力がありますね!
鬼鎮神社への信仰は、昔は坂東武者と呼ばれる関東の武士からの崇敬が篤かったそうです。その後、明治以降に出征兵士からの崇敬が篤くなったとのことです。

拝殿脇には様々なサイズの金棒が置かれています!
奉納品の様ですが、既製品はなさそうなのでカスタムメイド品なんでしょうな~。
想像ですが。。。、地元では言う事を聞かない子供向けに、「悪い子だと鬼が金棒をもってお仕置に来るわよ!」という怖~い一言があるのかも?

戦後になってからは受験必勝の神様として、多くの参拝者が訪れているそうです。
その際、金棒のお守りや、祈願成就の赤鬼青鬼の絵馬を授与されてゆくそうですよ!
”節分祭”は最大のお祭り、鬼は内!

鬼鎮神社の一番大きなお祭りは「節分祭」で、その日は多くの参拝者で賑わうそうです。
で、気になる節分での掛け声。
一般的には「福は内、鬼は内」ですが、こちらでは赤鬼・青鬼・年男が「福は内、鬼は内、悪魔外」といいながら、福豆・みかん・団子などを投げるそうです。変わってますね~。
日本でここだけの鬼の祭ともいわれています。
御朱印

赤鬼・青鬼のイラストが入った御朱印を頂きました。
御朱印は社務所で書置きのものを頒布頂きましたが、社務所での御朱印の対応は土日のみという情報も有る様です。
対応されていない場合は、東武東上線「武蔵嵐山駅」西口にある「嵐山町ステーションプラザ嵐なび」でも購入できますよ。
アクセス
住所:埼玉県比企郡嵐山町大字川島1898(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・東武東上線「武蔵嵐山駅」東口より徒歩約15分
車)
・関越自動車道「嵐山小川IC」より約5km(約10分)、「東松山IC」より約6km(約12分)
![]() | 価格:1,430円 |

![]() | 42 日本全国ねこの御朱印&お守りめぐり 週末開運にゃんさんぽ (地球の歩き方 御朱印シリーズ) [ 地球の歩き方編集室 ] 価格:1,760円 |

出かけてみませんか?

一風変わった鬼鎮神社、いかがでしたか?
大きな神社ではないのですが、地元の方々に愛されている神社という感が伝わってきました。
嵐山町には、畠山重忠公の館があった地の城郭跡・菅谷館跡や、埼玉を代表する景勝地・嵐山渓谷など見どころも多いので、他とセットでの訪問がオススメ。
鬼に会いに出かけてみませんか?

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