東京都 埼玉県 千葉県 神奈川県 群馬県 栃木県 茨城県 長野県 静岡県 三重県 山梨県 京都府 和歌山県 福岡県 北海道 神社 寺 七福神巡り 城 古墳 古い町並み ハイキング・登山 川・湖・滝 島 鍾乳洞 ジオパーク 花 紅葉 ダム 博物館 美術館 動物園 遊園地 世界遺産 夜景 サイクリング 食 春 夏 秋 冬 特集記事 ピックアップ 旅のキーワード

東京都千代田区にある「日枝神社」はかつて江戸城城内にあった神社で、現在も皇居を守る皇城鎮護の神とされます。
いかにも都心の神社らしい佇まいで、巨大なコンクリートの鳥居とエスカレーターにまずはビックリ!
地元では山王さんの呼び名で親しまれる日枝神社ですが、当社の神使いはちょっと意外な動物だったりもするんですよ。
『皇城の鎮 日枝神社を参拝』
「山王鳥居」 国会議事堂も近い

東京千代田区にある「日枝神社(ひえじんじゃ)」。
明治時代からは日枝神社の称号を用いていますが、古くから日吉山王社、日吉山王大権現社など、広く「山王社」と呼ばれていました。
地元では「山王さん」の名で親しまれます。
現在の政治の中心地・永田町が鎮座地ということで、政界の崇敬者も多いことでしょう。
なにせ場所は首相官邸のすぐそばで、国会議事堂も500mと離れていない距離ですから。
皇居も近い。

そんな日枝神社へは、地下鉄・溜池山王駅から歩いて向かいました。
外堀通りの向かいに山王鳥居が見えてきますが、鳥居と参道を見たら軽くぶっ飛びましたね!
ビル街を背景にコンクリート然とした巨大な山王鳥居がそびえ立ち、参道の両脇を長いエスカレーターが固めている。
今まで参拝した都内の神社の中でも、都会派の印象ナンバーワンの神社です。
鳥居の形は山型を強調した、独特の形状になっています。

エスカレーターは上りと下りで、左右に分かれていました。

神社施設は昭和に再建されたものです。
鳥居を朱塗りにしてないこともあり、見事に街並みに馴染んでいると思います。
いかにも表玄関のたたずまいですが、実はこちらは裏参道だったりします。
「男坂・女坂」 広重も描いた景勝地

東側が表参道になります。
こちらは、またしっとりとした雰囲気で良いな。

入口正面の急坂は「山王男坂」と呼ばれ、石段の数が53段あります。
結構急ですよ。
江戸時代には歌川広重によって浮世絵にも描かれています。
また、「溜池山王」の地下鉄の駅名が残るように、この地には人口の溜池がありました。
これは、和歌山藩主・浅野幸長が川の流れを虎ノ門附近で堰き止めて池にして、上水や江戸城下町の外堀として活用してたものだそうです。

男坂の脇には、傾斜の緩い女坂と呼ばれる坂もあります。
男坂に自信の無い輩はこちらへどーぞ。
こちらは車道にもなっていて、山の上まで車で登れますよ。
「神門」 徳川将軍家の産土神

こちらの「神門」が正面入口。
ここで歴史ある日枝神社の概略を紹介。
- 日枝神社の概略年表
- 鎌倉時代初期:秩父重継がその居館に奉祀した山王宮に始まる。
- 文明年間(1469~1486年):太田道灌公が江戸城築城にあたり川越山王社を勧請。
- 天正18年(1590年):徳川家康公が江戸城を居城とし、城内紅葉山の地に新社殿を造営。
- 徳川2代将軍・秀忠の時代:江戸城大改造の際に、半蔵門外に遷座。
- 明暦3年(1657年):大火により社殿炎上。溜池を望む景勝の地・星ヶ岡に遷座し現在地に至る。
- 明治時代:明治維新の東京奠都(てんと)により江戸城は皇居となり、日枝神社は皇城鎮護の神となる。
- 昭和20年(1945年):空襲により国宝の社殿をはじめことごとく焼失。
- 昭和33年(1958年):本殿以下の現在の建物が完成。
かつて江戸城城内にあったこともあり、産土神(うぶすながみ)として崇敬を受けるなど徳川将軍家とのゆかりが深かった。
明治時代の元准勅祭神社(じゅんちょくさいしゃ)として、東京十社に数えられます。
そして、現在も皇居を守護する神とされています。

例年6月に開催される日枝神社の「山王祭」は、日本三大祭の一つに数えられます。
かつては御神輿の行列が江戸城内に入り、徳川3代将軍・家光公以来、歴代の将軍が上覧拝礼したため「天下祭」とも称されています。
山王祭は江戸三大まつりの一つにも数えられます。
*日本三大祭:京都の祇園祭(八坂神社)・大阪の天神祭(大阪天満宮)・山王祭
*江戸三大祭:神田祭(神田神社)・深川祭(富岡八幡宮)・山王祭


神門は随身門(ずいじんもん)になっており、門の左右に守護神である随身像が納められています。

門をくぐって境内側に回ると、「皇城鎮護」の扁額。

そして、境内側にも随身像が納められてますが。。。、おっと、こちらは猿ですね!

実は日枝神社では猿が御祭神の使いとされ、猿は「神猿(まさる)」と呼ばれて敬われているそうだ。
その読みから、「勝る(まさる)」「魔が去る(まがさる)」御利益があるとされ、勝運や魔除けの神として置かれているそうです。
また、音読みの「えん」から、猿が「縁(えん)」を運ぶとされ、商売繁盛や縁結びの祈願をする方も多いそうですよ!
改めて見ると、猿は何かと語呂の良い動物だったんですなあ。
「社殿」 比叡山の神

社殿の屋根の色は、わずかに緑が入った鮮やかな青色。
とても綺麗で明るい印象です。
大山咋神(おおやまくいのかみ)を主祭神とし、相殿神に国常立神(くにのとこたちのかみ)・伊弉冉神(いざなみのかみ)、足仲彦尊(たらしなかつひこのみこと)が祀られています。

日枝神社は、滋賀県大津市の比叡山麓にある日吉大社が総本山。
大山咋神は比叡山に座する山の神とされます。
その神徳は広大な範囲に及ぶといわれ、山王権現とも呼ばれます。
比叡山の名も、元々は日枝(ひえ)の山の名からきているっぽいです。

社殿の両脇を固める神使も、やはり狛犬ではなくて猿像が安置されてましたわ。
向って右手は父親の猿で、商売繁昌・社運隆昌・厄難消除などの御利益が頂けるそう。

左手は母親の猿で、家内安全・子授け・安産などの御利益が頂けるといわれます。

本殿の前にある貫録を感じる銅製燈籠は、江戸時代初期の万治2年(1659年)の奉納品。
焼失せず残っている江戸時代の奉納物は希少!
徳川将軍家によって奉納された可能性が高いとされます。

境内には藤棚があり、ノダフジという種類の藤が植えられているそう。
春に開花して最初の花が全て散った後、時期をずらして初夏にもう一度花を咲かせることがあるそうだ。
珍しいですね。これも山王さんの御利益か!?

境内が小高い場所にあるので、特に高いビルだけが見える都会的な景観です。
でも通りからは離れているので、緑と静けさを感じられる落ち着いた境内なんですよ。
「山王稲荷神社・八坂神社・猿田彦神社」

末社である山王稲荷神社・八坂神社・猿田彦神社を参拝。

八坂神社・猿田彦神社は相殿となっています。

左が山王稲荷神社で、右の祠は八坂神社・猿田彦神社。
本社復興期間には、日枝神社の仮本殿として用いられたそうです。

そんな山王稲荷神からは、除難や長寿の御利益を頂けそうですね!
西側には日枝神社とは別口の、山王稲荷神社用の参道があります。
小さな鳥居が続いている人気の参道なので、行かれたら是非歩いてみて下さい。
「宝物殿」 太田道灌像が出迎え

宝物殿には貴重な資料が展示されているので、参拝時は是非立ち寄りたい。
入館すると「始まりはわしじゃ!」とばかりに、太田道灌像がお出迎え。
徳川初代将軍・家康公、2代将軍・秀忠公、3代将軍・家光公の朱印状などがあり必見!
入場無料なんですよ~。
「御朱印」 皇城之鎮

皇城之鎮が入った御朱印を頂きました。

ちなみに、御朱印待ちの番号札が金属でできており、おおっ!ズッシリと重い。
記念に持って帰りたいぐらいゴージャスな番号札でした。
アクセス
住所:東京都千代田区永田町2丁目10-5(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・地下鉄千代田線「赤坂駅」出口2より、徒歩3分
・地下鉄南北線・銀座線「溜池山王駅」出口7より、徒歩3分
・地下鉄千代田線「国会議事堂前駅」出口5より、徒歩5分
・地下鉄銀座線・丸の内線「赤坂見附駅」出口11より、徒歩8分
車)
・首都高速「霞ヶ関IC」より5分
・駐車場有り
![]() | 1日1ページ、意外と知らない東京のすべて365 [ 文響社 ] 価格:2,695円 |

日枝神社へ出かけてみませんか?

日枝神社を紹介しましたが、いかがでしたか?
歴史の深さを持った神社であるとともに、東京の中心地にある神社らしく、都会的で現代的な新しさを持っており、とても新鮮に感じました。
次回、山王祭や藤の花の季節にも出かけてみたくなりました。
日枝神社に参拝にでかけませんか?

サステナブルにお得な買い物ができるって、いいんじゃない。
【記事の訪問日:2022/6/4】