江戸時代から明治時代へと移った明治元年、明治天皇は准勅祭神社を制定し東京の鎮護を御祈願されました。
そのうちの東京23区にあり、東京を代表する神社をめぐる「東京十社めぐり」を紹介します。
めぐる順番や期限も無いので気軽に参加できます。
また、専用の御朱印帳や関連グッズも用意されているので、楽しくめぐれますよ!
目次
元准勅祭神社・東京十社めぐりとは?
明治天皇制定の准勅祭神社と東京十社
まずは、准勅祭神社(じゅんちょくさいしゃ)の由緒と、十社めぐりについて紹介します。
- 准勅祭神社と十社巡りについて
- ■慶応3年(1867年)10月、徳川将軍・徳川慶喜の大政奉還により、徳川幕府に終止符がうたれた。
- ■同年、明治天皇が王政復古を宣言。年号は慶応4年に明治と改元。
江戸は東京と改められ江戸城は皇居となり、新しい東京がスタートします。
- ■そして明治天皇は東京の鎮護を祈るため、明治元年11月8日に准勅祭神社(じゅんちょくさいしゃ)を定めました。
*准勅祭社の制度は、明治時代に廃止されました。
- ■昭和50年(1975年):天皇御即位50年の際、元准勅祭神社の十社めぐりが企画されました。
現在は准勅祭社制度はないので、「元准勅祭社」と呼ばれています。
東京十社のめぐり方
東京十社のめぐり方
東京十社を順にめぐると、距離は約40km。
巡拝する期限などの決まりはないので、好きな時に参加できます。
まためぐる順番も決まりはありません。
パンフレットの地図などを参考に、まわりやすい順に巡拝すれば良いです。
各神社では東京十社めぐりの「専用御朱印帳」「ミニ絵馬(各社オリジナル)」「大絵馬(ミニ絵馬を飾ることができる)」の頒布が有料で用意されています。
これらを集めながらめぐるのも、楽しいですよ!
※専用御朱印帳 ・絵馬は取り扱いしていない場合もあるので、各神社へ要確認とのこと。
それでは東京十社の各社の見どころを紹介します!
「根津神社(文京区)」
江戸時代の社殿や楼門が現存
根津神社は約1900年前に日本武尊が創建したと伝わる、大変古い歴史をもつ神社。
特に武将からの崇敬を厚く受けました。
現在の鎮座地は元甲府藩の屋敷で、徳川6代将軍・家宣の生誕の地。
徳川5代将軍・綱吉命による本殿・幣殿・拝殿など、貴重な江戸時代の建造物一式が残ります。
境内のつつじ苑には、約3,000株のつつじが植えられています。
みごとに咲きほこる春のつつじ祭りの時期には、多くの訪問者でにぎわいます。
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「神田神社(千代田区)」
江戸の総鎮守は様々な見どころが多い
天平2年(730年)の創建と伝わる、江戸東京の中でも最も歴史のある神社の一つです。
徳川家康が天下分け目の関ヶ原の戦いの際、神田神社で戦勝を祈願。
その後、見事に勝利して天下統一を果たした。
その後は「江戸総鎮守」とされ、江戸幕府や江戸庶民から崇敬を受けました。
境内には江戸の町とのつながりを感じさせる境内社が並ぶ。
祭礼の神田祭は、江戸三大祭の一つに数えられます。
アニメの聖地であるなど、文化の発信地としても興味深いスポットです。
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「亀戸天神社(江東区)」
大宰府天満宮を模した東の天満宮
江東区の亀戸天(かめいどてん)神社は、学問の神様である菅原道真公を祀る神社です。
江戸時代に太宰府天満宮の神官が、東の天満宮として建立。
その後、徳川4代将軍家綱より社地が寄進されると、九州の太宰府天満宮を模して境内が造営されました。
太宰府天満宮と同じく、境内には心字池があり、3つの橋が架かります。
東京に居ながらにして、大宰府天満宮の参拝気分が味わえますよ!
参拝中は、境内から東京スカイツリーをチラ見できるのも楽しい。
花の名所としても知られ、梅まつり・藤まつりの時期には多くの訪問者でにぎわいます。
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「富岡八幡宮(江東区)」
江戸最大の八幡様に沢山の相撲の碑
寛永4年(1627年)に八幡神を祀ったのが、富岡八幡宮の始まりとされます。
徳川将軍家の庇護を受け、江戸最大の八幡様となりました。
周辺も江戸随一の門前町に発展し、地元では「深川の八幡さま」と親しまれてきました。
例祭としておこなわれる「深川八幡祭り」は、江戸三大祭の一つ。
また、大相撲の前身である江戸勧進相撲の発祥地としても知られ、境内には多くの相撲関係の石碑があります。
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「芝大神宮(港区)」
有名武将も崇敬した関東のお伊勢さま
芝大神宮の歴史は古く、平安時代の寛弘2年(1005年)の創建とされます。
源頼朝・足利尊氏・太田道灌・豊臣秀吉・徳川家康など、名だたる武将・大名からの信仰を受けてきました。
特に源頼朝からは社地の寄贈を受け、徳川幕府からは篤い保護を受けました。
御祭神は伊勢神宮の祭神、天照大御神(内宮)と豊受大神(外宮)の2柱を祀る。
江戸時代には「関東のお伊勢さま」として、広く崇敬を受けました。
浜松町のオフィス街にあり、都心の神社らしいたたずまいです。
場所がら、企業からの祈願も多いそうですよ。
「品川神社(品川区)」
徳川家康も戦勝祈願、富士塚は絶景!
平安時代末期、源頼朝が安房国(現千葉県)の洲崎明神をお迎えして、海上交通安全・祈願成就したのに始まるとされます。
江戸時代に品川宿が東海道の第一宿となると、品川は交通の要所として発展。
それに伴い品川神社も多くの崇敬を集め、徳川将軍からも庇護を受けました。
境内には都内有数の古い鳥居があり、また、様々な時代の狛犬に出会えたりと見るものも多いです。
都内でも有数の大きさの富士塚もあるので、参拝の際は是非登頂してみたい。
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「赤坂氷川神社(港区)」
江戸時代の社殿が残る閑寂な境内
赤坂氷川神社は都心にありながら、緑に囲まれた落ち着いた場所に鎮座しています。
創建時期は平安時代にさかのぼるという、歴史のある神社です。
江戸時代に赤坂には、徳川8代将軍・吉宗を輩出した紀州藩の中屋敷がありました。
そのことから、江戸幕府の尊信も高まりました。
境内は戦災や震災を免れており、徳川吉宗命の社殿や江戸時代の奉納品が残っており貴重。
都内における、現存最古の石造狛犬にも出会えますよ。
現在では珍しい江戸型山車が保管されており、一般公開されていました。
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「日枝神社(千代田区)」
皇居を守護する都会的な神社
元々、日枝神社は江戸城城内にありました。
そのため、徳川将軍家とゆかりが深く、産土神として崇敬を受けた。
現在も皇居を守護する「皇城の鎮」とされています。
外堀通りに面した参道入口には、コンクリート製の巨大な山王鳥居がそびえます。
永田町にあり国会議事堂にも近く、東京十社の中でも都会派の印象ナンバーワンの神社です。
日枝神社の山王祭は、神田神社の神田祭、富岡八幡宮の深川祭とともに江戸三大祭と呼ばれ、さらに日本三大祭の一つにも数えられています。
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「白山神社(文京区)」
徳川綱吉とゆかり深いアジサイの名所
白山神社は、平安時代に加賀(現石川県)一宮・白山神社をこの地に勧請したのが起源。
古い歴史を持っている神社です。
江戸時代に入り、元の鎮座地が後の徳川5代将軍・綱吉の用地となったため、現在の鎮座地に移転。
その縁により、徳川綱吉と生母・桂昌院との繋がりが強まり、将軍家の厚い帰依を受けました。
こちらの神社は白山=歯苦散ということで、虫歯を鎮めるご利益があるとされます。
”歯ブラシ供養の神社”ともいわれる、ユニークな一面を持ちます。
春には、文京区の花の五大まつりの一つ「文京あじさいまつり」を開催。
隣接する白山公園と合わせ、約20種類3,000株の多種多様なあじさいが咲き乱れます。
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「王子神社(北区)」
飛鳥山とともに江戸時代の名所だった
鎌倉時代の領主により、紀州熊野三社の王子大神を勧請。
それが、王子神社と王子の地名の始まりとされます。
江戸時代に徳川家康より社領二百石の寄進を受けた後も、歴代の徳川将軍家の庇護を受けました。
また、江戸時代には王子権現として、近隣の飛鳥山の花見とともに江戸の名所として知られました。
境内には樹齢600年と伝わる一本の大イチョウが戦災を逃れて残り、東京都の天然記念物に指定されています。
関東の強力なパワーを持った神社を、その位置関係から紐解くなど読み応えのある本。
関東周辺に沢山の素晴らしい神社があることに改めて驚きますね。写真も綺麗!
めぐって御朱印とミニ絵馬を頂こう!
せっかくならと、東京十社めぐりの専用御朱印帳を購入しました。
木製の表紙で立派な造り。
右側には各神社の説明があるので、とても良い記念になります!
一般的な御朱印帳と同じで、蛇腹状のものです。
表紙が木製なので、重さはちょっと重めです。
そして、各社のミニ絵馬も集めてみました!
可愛らしいサイズで、各社の特徴が描かれているので、良い思い出になります。
ミニ絵馬を飾れる大絵馬も頒布されてます。
関東近郊へは、気軽なバス旅で出かけてみない?
東京十社めぐりに出かけませんか?
東京23区の10ヶ所に鎮座する東京十社を紹介しましたが、いかがでしたか?
明治天皇が東京の鎮護のために選んだ元准勅祭神社だけあって、どの神社も格調高い立派な神社でした。
また、めぐる順番や期間的な決まりもないので、気軽にスタートできるのも良かった。
私の場合は、一日で全部めぐってしまうのはもったいない!と思い、週末に一日一社ずつまわりました。
機会がなけれぼ足を運ばなそうな、都内エリアの散策を兼ねての参拝は楽しかった。
どこへ行くか、週末が待ち遠しくなりますよ!
そんな東京十社めぐりに出かけてみませんか?
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