東京都埼玉県千葉県神奈川県群馬県栃木県茨城県長野県静岡県三重県山梨県京都府和歌山県福岡県北海道神社寺七福神巡り城古墳古い町並みハイキング・登山川・湖・滝島鍾乳洞ジオパーク花紅葉ダム博物館美術館動物園遊園地世界遺産夜景サイクリング食春夏秋冬特集記事ピックアップ旅のキーワード

東京都心である千代田区に鎮座する「神田神社」は、徳川家康が関ヶ原の戦いの戦勝祈願を行った神社で、江戸総鎮守といわれています。
日本三大祭の一つである伝統的な神田祭が行われ、江戸の歴史を感じさせる境内社があります。
一方でアニメの聖地なんて一面もあったり、新旧幅広い文化の発信地でもある神田神社を紹介。
『江戸総鎮守・神田神社を参拝』
「明神さまと親しまれる」

少し遅めの初詣というタイミングの1月上旬、東京都千代田区の「神田神社(神田明神)」を参拝しました。
正面入口は国道に面した鳥居。
ビルに囲まれてややせせこましい入口が、都内の神社らしいたたずまいを感じさせます。

鳥居の扁額は藍色をバックに金文字の社名が輝き、シックで恰好良い!
社名は「神田神社」ですが、明神さまの名で親しまれており「神田明神」と呼ばれることも多いです。
神田神社は東京都心の神田・日本橋・秋葉原・大手丸の内、旧神田市場・築地魚市場など108町会の総氏神様で、”江戸の総鎮守”と称されているんですよ!
「隨神門」 松下幸之助の奉納像

鳥居をくぐると、短いながらも雰囲気の良い参道が続く。
屋台も数軒出ていました。
参道の先に神田神社のトレードマークでもある「隨神門(づいしんもん)」が見えてきます。
立派な門ですね!

隨神門は、昭和50年(1975年)に昭和天皇の御即位50年記念として再建されました。
総檜造りの2階建てで、朱塗りの艶やかな色合いの門です。

1階の正面左右には、隨神像が配されています。
像の製作は、長崎平和祈念像で知られる北村西望(せいぼう)氏の監修。
そして、奉納者はかのパナソニックの創業者・松下幸之助氏だって!へえ~。
財界人からの崇敬も厚いことがうかがえます。

本日は随神門からは入場できない様ですね。
脇の門から境内へ進みます。
「御神殿」 徳川家康が戦勝祈願

境内に入ると正面に「御神殿」が鎮座。
本日1月9日でこの参拝待ちの列ですから、三が日の行列は凄いんでしょうなあ。。。
御神殿は昭和9年(1934年)の建築で、日本初の本格的な鉄骨鉄筋コンクリート・総朱漆(うるし)塗の建造物。
御神殿は国登録有形文化財です。
建築当時は画期的な神社建築だったようですよ。
工法的にも、神社は木造が望ましい!という伝統に対しても。
ちなみに江戸時代の社殿は、残念ながら関東大震災で焼失しています。

建物は拝殿・幣殿・本殿が一体化した権現造り(ごんげんづくり)で、屋根を横から見みると凄い複雑な構成に見えますね~。
- 神田神社の御祭神は三神で、
- ■ 一之宮の大己貴命(おおなむちのみこと)(だいこく様)
- ■ ニ之宮の少彦名命(すくなひこなのみこと)(えびす様)
- ■ 三之宮の平将門命(たいらのまさかどのみこと)(まさかど様)
- が祀られています。
縁結び・商売繁昌・社運降昌・除災厄除・病気平癒など、数多くの御利益を頂けそうです。

神田神社は天平2年(730年)に出雲氏族の創建と伝わる、江戸東京の中でも最も歴史のある神社のひとつです。
そして、江戸時代には江戸の総鎮守となってゆきます。
慶長5年(1600年)、徳川家康公が天下分け目の関ヶ原の戦いに臨む際、神田神社で戦勝祈願をおこなった。
すると、9月15日の神田祭の日に見事に勝利し、天下統一を果たしました。
以降、神田祭りは縁起の良い祭りとして絶やさないよう、徳川将軍家より命ぜられます。
そして、神社は「江戸総鎮守」として幕府・庶民の多くから崇敬を受けるようになりました。
神田祭は江戸三大祭、及び日本三大祭の一つに数えられます。
「平将門と首塚について」

ここで祭神としてお祀りされている平将門と、神田神社も深く関わる将門公の首塚について紹介。
少し長いですが、興味あればご一読を。
- ■ 平将門は、平安時代中期の関東の豪族でした。
- ■ 京の朝廷が統治する当時、関東の国々は国司の圧政に苦しんでいた。
将門は国府と戦い追放して市民を開放し、新国家の樹立を宣言。
これは平将門の乱と呼ばれます。 - ■ これにより朝敵とみなされ、派遣された兵により将門は討伐されます。
将門の首は、京の都に送られ河原でさらされた。
その際、無念の死を遂げた平将門の首には、不可解な出来事が立て続けに発生。 - ■ その後、首は江戸に運ばれた後、首塚に納められ供養されました。
将門の族党が首を持ち帰ったと思われますが、都から体を求めて飛び帰ってきたという伝承が非常に有名です(怖っ~)。 - ■ 江戸に首塚ができた後も将門の怨念パワーは強く、首塚を移動しようとすると色々と事件が発生したそうですよ!
以降、大手町のビル街の一角にある首塚は、移動されることは無くなりました。
現在その将門の怨念を鎮め、首塚の除災厄除をおこなっているのが神田神社。
将門塚例祭などを通して手厚く供養頂き、おかげで御神徳を頂けている、という事になります。
「狛犬と獅子山」 子落としの石像

御神殿の正面脇を固める狛犬は、御神殿と同時期の昭和の狛犬。
この様に真正面を向いている狛犬は珍しいんだとか。
いわれてみれば。。。、拝殿に向かう時に横から狛犬の視線を感じるようなパターンが多い気はしますね。

こちらは、御神殿の正面右手の「獅子山」。
親獅子が崖から子の獅子を落とし試練を与えるという、”子落としの石像”ですね。
高さがあり、かなり厳しい試練に見えますなあ~。
江戸時代末期の作ですが、関東大震災により子獅子は崩壊したそうです。
写真中央下の白っぽい像が分かるかな?こちらが震災後に造られた子獅子のよう。
「日本一の石の大黒様」

境内の入口に近い場所に、御祭神である大黒様の巨大な像があります。
こちら、高さ6.6mで、石造りの大黒像としては日本一の大きさだそうです!
小槌も袋もでかいので、福を沢山お持ちとお見受けした。
すかさず並んでお参りしておきました。

二之宮の御祭神・えびす様のご尊像もありますが。。。こちらのえびす様はサーファーか!?ってくらい、ちょっと変わったえびす像でびっくり!
こちらの製作監修は東京藝術大学の学長だそうで、アートな感じも納得ですなあ。
海の向こうから渡って来た、知的で繊細な一味違うえびす様が表現されています、斬新。
「祭祀殿・資料館」 神田祭の資料館

御神殿の左手には「祭祀殿・資料館」があります。
建物は3階建てで、2階には神田祭に関する資料が、3階には神宝を展示。
別棟の文化交流館の地下が入口で、地下通路から資料館に入館するようになってました。
*拝観は有料です。(大人300円・学生200円・中学生以下無料)
「境内社巡り」 江戸神社は地主神

御神殿を取り囲むように、境内社や様々な石碑などがあります。
巡り歩くと、神田神社や江戸の歴史も見えて楽しいですよ!

最初に出会うのが、こちらの神馬・明(あかり)ちゃん。
信州生まれの芦毛の牝馬で、名前は”明神”から頂いたそうですよ。
神社では神馬舎を時々見かけますが、実際に馬がいるのって案外珍しい気がします。

「水神社(魚河岸水神社)」では徳川家の武運長久と、大漁安全が祈願されました。
市場の守護神として建立され、江戸庶民の台所事情との関わりを感じます。

「江戸神社」というストレートなネーミングの神社を発見!
元々は現在の皇居内に創建された神社で、江戸最古の地主神といわれるそう。
江戸神社の大神輿は日本有数の華麗な神輿で、通称「千貫神輿(せんがんみこし)」。
千貫神輿はデカくて重たい御神輿を称する呼び名。
神田祭に担がれる神輿約200基の象徴的な存在となります。
社殿内にある御神輿をガラス越しに拝観ができます。

商売繁盛のご利益を頂ける「末廣(すえひろ)稲荷神社」は人気がありそうですね。
入れ替わりで人の列ができてましたよ。
「鳳輦神輿奉安殿」 神田祭は日本三大祭の一つ

こちらの建物は「鳳輦・神輿奉安殿(ほうれん・みこしほうあんでん)」。
神田祭で大己貴命がお乗りになる一之宮鳳輦と、少彦名命がお乗りになる二之宮神輿、神田明神大神輿が奉安されています。
祭礼・神田祭は2年に1度の開催。
江戸時代には江戸城内にも入り徳川将軍が上覧したため、御用祭とも天下祭とも呼ばれたそうです。
「銭形平次の碑」と「アニメ・ラブライブ!の聖地」

境内にはさまざまな石碑があり、こちらは「銭形平次の碑」。
銭形平次捕物控は、野村胡堂(こどう)氏が昭和6年(1931年)から26年間に渡り執筆した捕物帳小説。
主人公・平次親分は神田明神下台所町に住んでた設定で、昭和45年(1970年)に日本作家クラブ発起により建立されたもの。

一方、こちらは秋葉原や神田周辺が舞台のアニメ「ラブライブ!」シリーズとのコラボ。
銭形平次とアニメ。
時空を超えた新旧文化の聖地が神田神社に、というのが懐の広さを感じて面白いよなあ。
「文化交流館 EDOCCO」 御神輿の展示も

最後に、神田明神文化交流館を紹介。
館名の「EDOCCO」は”えどっこ”と読みます。
最初読めんかったけど(苦笑)。

1階はお守・お札の授与の他、喫茶・軽食コーナーと土産屋があり賑わっています。
旅行先の土産物屋と見紛うばかりの本格的な土産物屋で、ちょっとびっくりだわあ。
御朱印の頒布場所もこちら。

一角に神田明神の御神輿が飾られていました。
最大高さ140cm、最大幅82cm、重量は90kgで漆塗とありました。
御朱印

訪問した時の御朱印は書置きでの提供でした。
アクセス
公式ページ
住所:東京都千代田区外神田2-16-2(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・JR「御茶ノ水駅」聖橋口より徒歩5分、JR「秋葉原駅」電気街口より徒歩7分地下鉄
・東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水駅」1番口より徒歩5分
・東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B1出入口より徒歩5分
・東京メトロ銀座線「末広町駅」より徒歩5分
・東京メトロ日比谷線「秋葉原駅」より徒歩7分
車)
・高速最寄り出口:首都高速都心環状線「神田橋出入口」、首都高速1号上野線 「上野出入口」
・参拝者用駐車場:若干数あり
関東の強力なパワーを持った神社を、その位置関係から紐解くなど読み応えのある本。
関東周辺に沢山の素晴らしい神社があることに改めて驚きますね。写真も綺麗!
神田神社に出かけてみませんか?

神田神社を紹介しましたが、いかがでしたか?
江戸総鎮守とされる歴史ある神社ですが、一方で、古今問わず様々な文化を受け入れる懐の広さを感じますよね。
昔も今も庶民が喜んで参拝に集まる神社として、伝統にとらわれず新しいコトを発信して行こう!という雰囲気に魅力を感じます。
各種イベントの開催もあるようなので、ホームページでチェックしてから出かけるのも一考かと思います。
神田神社へ参拝に出かけてみませんか?
近隣スポットもチェック!



