埼玉県越生町にある黒山三滝は、男滝・女滝・天狗滝の3つの滝を巡りながら、豊かな自然と渓谷美を満喫できる人気の散策スポットです。
都心から約1時間半とアクセスしやすく、新緑や紅葉の季節はもちろん、夏には涼を求める避暑地としても親しまれています。
また、古くから修験道の修行の場として栄えた歴史も残り、自然と歴史の両方を楽しめるのが魅力です。
本記事では、黒山三滝の見どころやアクセス、散策のポイントを詳しくご紹介します。
目次
黒山三滝とは?埼玉県越生町にある気軽に行ける秘境の滝スポット
黒山三滝の歴史|日本観光地百選にも選ばれた越生の名勝
黒山三滝は、越生町(おごせまち)・ときがわ町・毛呂山町にまたがり、9,420.2ヘクタールの広さに及んでいる県立黒山自然公園内にあるスポットです。
この辺りは秩父の山並みと丘陵地帯の境目にあたる地形が特徴的で、近隣には鎌北湖(毛呂山町)などもあり、ハイキングスポットとして昔より人気のあるエリア。
一帯には名所や史跡の見どころも多いですよ

本日は車での訪問。
越生駅などがある町の中心部から、越辺川(おっぺがわ)沿いに続く県道を15分ほど上流に向かって走ります。
だいぶ山に差し掛かってきたな、と思う間もなく深い山間に入る。とともに黒山三滝の入口が現れました。
平地と山がずいぶん近く感じるのもそのはずで、実は越生町の町土の約7割は山地なんだそうだ。
入口を抜けた先にあった、無料の町営駐車場に車を駐車。

車を降りて進むと、観光地っぽい景観が現れます。
黒山三滝の観光地としての歴史はけっこう古く、その盛り上がりは江戸時代に始まったそうだ。
越生出身の尾張屋三平という人物が江戸の新吉原に暖簾をあげ、そこで故郷の黒山三滝を宣伝。それにより、江戸から多くの観光客が訪れるようになったとのこと。

洒落た感じの建物は、カフェ・飲食店「文学館」。
この文学館は、平成26年(2014年)までは、黒山鉱泉館という天然鉱泉館として営業されていました。現在は鉱泉館としては廃業しています。
観光地として江戸時代から知られていた黒山三滝ですが、明治時代に鉱泉が発見された後は、県内有数の観光地となりました。
「鉱泉ってなに?」ーー 良く耳にする「温泉」に対して、鉱泉は聞き慣れないかもしれませんね。
温泉も実は鉱泉の一種で、
・鉱泉=ミネラルを含む地下水(冷たくてもよい)
・温泉=25℃以上、または成分基準を満たした鉱泉
という基準によって、呼び名が変わってくるんですね。
県内有数の観光地として、かつて田山花袋などの著名人も訪れた
黒山鉱泉の発見により、多くの観光客が訪れるようになりましたが、その中には著名人の訪問もありました。

文学館の近くには「田山花袋紀行の地」の看板があるように、大正7年(1918年)に小説家の田山花袋が宿泊しています。
そのほか、詩人・童謡作詞家として知られる野口雨情(うじょう)、歌人・国文学者であった佐佐木信綱(ささき のぶつな)なども訪れました。
昭和25年(1950年)には毎日新聞社が選定した「日本観光地百選」の瀑布の部で、黒山三滝が入選。
その翌年に、黒山三滝を中心とした一帯が、埼玉県立黒山自然公園として認定されています。
現在は鉱泉宿は既にすべて廃業され、鉱泉地自体も消滅しています。
田山花袋(1872-1930年)
自然主義文学の先駆者で、代表作「蒲団」「田舎教師」などで私小説を確立。身辺な現実を赤裸々に描く作風で注目されました。
旅好きとしても知られ、全国を巡り多くの紀行文を執筆。「温泉めぐり」などの作品には風景や人々の生活が写実的に描かれ、明治・大正期の日本の姿を今に伝える貴重な記録となっています。

映えスポット狙いらしき広場もありましたが、こちらにはちょっと唐突感を感じました(苦笑)。
マイナスイオンを浴び、冷涼な山道を森林浴しつつ歩く
緑と川の流れ、目と耳で自然を感じられる散策

滝へと続く、木々の茂った道はマイナスイオンが一杯!森林浴を楽しみつつ歩くと、思わず都会の喧騒を忘れてしまいますね。
道は舗装されているので歩きやすい。

滝の流れが作り出している渓流が、道と並行して涼し気に流れます。
水が流れる音も、自然に包まれるような”癒し”を感じさせますね。

水は澄んでおり、とっても綺麗だ!
関東ふれあいの道|源義経伝説のある顔振峠など、ハイキングコースも充実

途中、「関東ふれあいの道」と呼ばれる、首都圏自然歩道の案内板がありました。
これは、東京都八王子を起終点に関東の1都6県をぐるりと一周できる、総延長約1,800kmに及ぶ散策路なんですって。これは壮大ですね!
関東ふれあいの道には、10km前後に区切った日帰りコースが160コース設定されており、それぞれの起終点は鉄道やバス等と連絡できるようになっているとのこと。
「義経伝説と滝のあるみち」
「関東ふれあいの道」のうち、越生エリアには「義経伝説と滝のあるみち」と名付けられた散策路が設定されています。黒山三滝を抜け、さらに傘杉峠と顔振峠(かあぶり)峠を抜ける約8kmのコース。
顔振峠の名は、かつて源義経が奥州へ逃れる際に、景色の美しさに思わず何度も顔を振りながら歩いた、という伝承から付いたとされます。
源義経(1159-1189年)
平安時代末期の武将で、源頼朝の異母弟として知られる。源平合戦では、一ノ谷や屋島、壇ノ浦の戦いなどで数々の武功を立てた。
頼朝との対立により追われ、奥州藤原氏を頼るも裏切られて最期を迎えました。
華々しい戦歴と悲劇的な最期で、多くの伝説や物語に取り上げられ、今も人気の高い歴史上の人物です。
国立公園に、行ってみよう!「首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)」 環境省
ノスタルジックな景観にも出会える

やがて現れた「根っこ食堂」は入口にあった「くろやま文学館」とは対照的な、老舗食堂らしい激シブの飲食店だ(苦笑)。地元の食材などを使った料理は、けっこう評判が良いようです。
本日は営業時間は終わっていたようで、お店は閉まっていました。
根っ子食堂
住所:埼玉県入間郡越生町黒山991(GoogleMapで開く)
営業時間:11~15時(不定時)
定休日:金曜日(祝日の場合は営業)

山間部の雰囲気が深まった辺りには「黒山三滝お休み処」がある。
マスつり場で釣りが楽しめるほか、釣らずしてもニジマス・イワナの塩焼きが食べられたりしますよ。
トイレもあるので、行き帰りの休憩がてらの立寄りにおすすめ。

滝の入口付近に並ぶ昔ながらの感じの土産物屋が、レトロな雰囲気を醸し出していました。
黒山三滝の見どころは?男滝・女滝・天狗滝それぞれの魅力
黒山三滝は男滝・女滝・天狗滝の3つの滝からなる景勝地

黒山三滝は一つの滝の名称ではなく、その名の通り3つの滝の総称で、上流側から「男滝」「女滝」の2つの滝と下流側の「天狗滝」からなります。
かつて山岳宗教修験道の場だった黒山三滝
黒山三滝は、かつて山岳宗教修験道の拠点として信仰を集めた場所。
室町時代の応永5年(1398年)、栄円という修験者が関東に修験道を広める拠点として、山本坊を開きました。
その際、熊野三山(現、和歌山県)にならい、本宮として熊野神社を建て、男滝は那智社、天狗滝は新宮として見立てられました。
熊野三山は、古くから山・滝・岩などの自然崇拝を背景に発達した聖地で、巡礼路を含め世界遺産に登録されていることでも知られていますよね。
男滝|高さ約11m、水量豊富で迫力満点の主役
こちらが上流側に並ぶ、手前の「女滝」とで奥の「男滝」です。
この二つの滝が並ぶ様子は黒山三滝を象徴する景観なので、ぜひ写真も押さえておきたいところ。

男滝
「男滝」は黒山三滝を代表する滝。
女滝よりも落差と水量があり、高さ約11mから一気に流れ落ちる豪快な姿が見どころ。その名の通り男らしく荒々しい感じが特徴です。
特に雨上がりや新緑の季節には水量が増し、轟音とともに落下する様子は迫力満点!
滝壺周辺はひんやりとした空気に包まれ、夏でも涼しく、マイナスイオンを全身で感じられる人気のスポットです。
女滝|男滝に寄り添う優美な流れ

男滝のすぐ隣を流れる「女滝」は高さ約5mと小ぶりながら、岩肌をやさしく流れ落ちる姿が美しい滝。
小さいながらも、ちゃんと滝壺があるのも可愛らしいです。
豪快な男滝とは対照的に、穏やかな水音と周囲の木々が織りなす景観は、訪れる人に安らぎを与えてくれますよ。
天狗滝|古代の地層に囲まれた、静寂の癒やし空間

次に元来た道を少し戻って、下流側の「天狗滝」へ。
こちらは結構ワイルドな景観で、ちょっとアドベンチャー気分が味わえました。

天狗滝は手前に見えている水流ではなく、一番奥にチラっと見えている流れがそれ。
あそこまで歩いて行きます。

ゴツゴツした岩盤は秩父中・古生層(ちちぶちゅうこせいそう)と呼ばれるもので、なんと1~2億年前の古い地質らしいですよ。古代の息吹を感じますねえ、う~む。
この辺りは足元が滑りやすい箇所もあるので、歩きやすい靴で来ることをおすすめ。
そしてたどり着いた、こちらが天狗滝。
高さ約20mの落差を持ちながら、木立に囲まれた静かな雰囲気が魅力。
天狗滝の名は、この地がかつて修験道の修行場で、天狗伝説があったことに由来するそうだ。

ワイルドな景観の中、静かな渓流のせせらぎの音と森林浴が楽しめる天狗滝は、黒山三滝の隠れた見どころといえます。
毎年7月の第1日曜日には「滝開き」が開催される

黒山三滝で、毎年7月の第1日曜日におこなわれている「滝開きの式典」。
そこでは山伏や巫女・修験者・天狗の格好をした人たちにより、滝清めの儀や滝打たれの儀がおこなわれる。修験道としてのルーツが感じられるこの行事は、越生町の初夏の風物詩となっています。
1万歩から2万歩で歩けるって条件がはっきりしているのがグッド!歩きたい場所満載。
タイトル通り、いまいちばん美しい日本の絶景写真が楽しめます!
その場所・その季節・その時間帯などの組合わせが創り出す絶景。
黒山三滝へのアクセス、立寄りスポット情報
黒山三滝へのアクセス情報
黒山三滝
住所:埼玉県入間郡越生町黒山(GoogleMapで開く)
見学料:無料
アクセス)
電車)
・東武・JR「越生駅」下車、川越観光バス黒山行き乗車で25分、終点「黒山」下車で徒歩15分
車)
・関越道「鶴ケ島IC」から、国道407号経由で約40分(約18km)。
・関越道「坂戸西スマートIC」から35分。
・無料駐車場あり
アクセス手段情報(バス・レンタサイクル)
バス
川越観光自動車の路線バスがあります。バスは基本的に1時間に1本ですが、運行のない時間帯もあるので注意願います。
川越観光自動車の公式ページ
レンタサイクル
越生町観光協会で、電動アシスト自転車のレンタルを有料でおこなっています。
ちなみに、越生町観光協会から黒山三滝までの距離は約9kmほど。
利用料金:4時間以内 1,000円 / 4時間超 1,500円
利用時間:8:30~16:00
貸出自転車:電動アシスト自転車26型
貸出・返却:越生町観光協会事務所(越生駅西口)
その他:
・貸出しには、本人確認書類(免許証・保険証・学生証等)が必要です。
・小学生以下の方への貸し出しには、保護者の同伴が必要です。
・希望に応じてヘルメットノ貸出しあり。
問い合わせ先:越生町観光協会 TEL 049₋292₋1451
住所:埼玉県入間郡越生町越生790(GoogleMapで開く)
周辺のおすすめの立寄りスポット
越生梅林
黒山三滝とともに、越生を代表する観光スポットで「関東三大梅林」の一つ。
毎年2月中旬~3月中旬にかけて「越生梅林梅まつり」が開催されます。
住所:埼玉県入間郡越生町堂山113(GoogleMapで開く)
※黒山三滝からは車で約10分(約6km)。バスの場合は「黒山」から最寄りの「梅林入口」まで約7分、
山吹の里公園
太田道灌にまつわる「山吹の里伝説」の故地といわれる。約3千本植えられている山吹が例年4月から5月にかけて咲き乱れ、黄金色に染まります。
住所:埼玉県入間郡越生町如意(GoogleMapで開く)
※越生駅から徒歩7~8分の場所にあります。車だと2~3分。
龍穏寺
江戸城を築城するなど、関東の名将として知られる太田道灌と父・道真の墓がある寺院。太田道灌の生誕の地ともいわれます。
歴史を感じさせる見どころの多い古刹なので、歴史好きなら立寄りをおすすめ。
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住所:埼玉県入間郡越生町龍ヶ谷452-1(GoogleMapで開く)
※黒山三滝から龍穏寺までは車で約15分(約6km)。徒歩だと約1時間。バスの場合は「黒山」から最寄りの「上大満」まで約2分、下車後徒歩25分
沢平九郎自決の地
渋沢栄一の見立養子だった渋沢平九郎が、享年20歳の若さでこの世を去った場所。
黒山三滝への遊歩道の入口近くにあるので、立寄ってその悲話を辿ってみては?
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住所:埼玉県入間郡越生町黒山(GoogleMapで開く)
※黒山三滝への遊歩道入口からすぐ近く
【蕎麦屋】田舎そば玄家
築古民家を活かした趣のあるそば処。囲炉裏のある落ち着いた空間で、挽きたて・打ちたての手打ちそばを味わえます。素朴ながら本格的な越生の味覚を楽しみたい方におすすめ。
公式サイト
住所:埼玉県入間郡越生町大満525-1(GoogleMapで開く)
【カフェ】縁側カフェtokinoki
古民家の縁側でくつろぐような、のどかな時間を楽しめる隠れ家カフェ。週末限定の営業ですが、里山の景色を眺めながら、手づくりランチやスイーツが味わえます。
越生の自然を感じながら、ゆっくり休憩したい方におすすめ。
公式サイト
住所:埼玉県入間郡越生町龍ケ谷461(GoogleMapで開く)
【カフェ】ギャラリィ&カフェ 山猫軒
童話の世界に迷い込んだような山小屋風カフェ。木々に囲まれた静かなロケーションで、アンティーク調の店内にはギャラリーも併設。
散策後に自家製ケーキやランチを味わいながら、ゆったりとした時間を過ごしたい方におすすめ。
公式サイト
住所:埼玉県入間郡越生町龍ケ谷137-5(GoogleMapで開く)
越生のランチは、事前予約やクーポン利用で快適でお得に!




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黒山三滝で自然と歴史に癒やされる散策を楽しもう
都心から日帰りで訪れやすく、四季折々の景観が楽しめる黒山三滝は、新緑や紅葉、夏の避暑など、訪れる季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
越生梅林や龍穏寺など周辺の観光スポットとあわせて巡れば、より充実した一日を過ごせるはず。
埼玉の穴場スポットを探している方は、ぜひ黒山三滝で自然と歴史が織りなす癒やしの散策を楽しんでみてください。
記事の訪問日:2021/10/10

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