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埼玉県さいたま市「氷川女体神社」は、見沼たんぼがある地域に鎮座。
豊かな社叢に囲まれた古社です。
市内の大宮氷川神社は武蔵一宮として良く知られますが、実はこちらの氷川女体神社と一対で武蔵国一宮を構成した、ともいわれます。
見沼の竜神様を鎮める祭祀の遺跡が残る、ちょっとミステリアスな神社・氷川女体神社を紹介します。
『氷川女体神社』 見沼の歴史とともに
鎮座地について

「氷川女体神社」は、さいたま市の南東部に鎮座。
この辺りは「見沼たんぼ」と呼ばれる広大な緑地地域になっています。
写真は境内遠景。
周辺は平地ですが、ここだけモッコリした台地になっており地形的にも特別感を感じますな。
神社を囲む社叢(しゃそう)林には、クス・モチ・シラカシなどの植物が多く繁殖。
一帯が市指定の天然記念物となっており、県の「ふるさとの森」にも指定されています。
武蔵国一宮に家族構成が!?

氷川女体神社は、奈良時代に建立されたといわれる有数の古社です。
女体神社の「女体」は、御祭神として祭られている稲田姫命(いなだひめのみこと)に由来します。

そしてそして、鳥居に掲げられた扁額には、「武蔵国一宮」の文字が刻まれています。
あれ?武蔵国一宮って大宮氷川神社では?
「武蔵国一宮」の言い伝えですが、大宮氷川神社は須佐之男命(すさのおのみこと)を御祭神とする男体社。
そして、その姫君の稲田姫命を祀る氷川女体神社は、その女体社という説です。
そして、実はここでもう一社登場で、息子の大己貴命(おおなむちのみこと)を祀る「中山神社」があります。
この三社が「武蔵国一宮」である、とするファミリー説があるんですね~。
しかもこの三社の立地、地図上で一直線上に配置されている、って言われてるんですよね。
ホントかな~、なんて思いましたが。。。
あらま!確かに三社は、ほぼ一直線のライン上に並んでますな。
なるほどな。。。

「徳川将軍家綱命の社殿」

そして、高台に位置する静けさに包まれた境内へ。

現在の社殿は江戸時代の寛文7年(1667年)に、徳川4代将軍・家綱の命により建築されたといわれます。
県の指定有形文化財です。
社殿は、拝殿と本殿が幣殿で繋がっている、権現造りと呼ばれる複合社殿です。

拝殿にも「武蔵国一宮」の額があります。

祭神を祀る本殿の建物は、三間社流れ造り。
屋根が手前(左手)の方に、庇のように長く流れてますよね?これが特徴。
建物全面が朱の漆で仕上げられています。
ところで、本殿の屋根部分を見ると主祭神の性別がわかるって、ご存じですか?
上の写真の屋根部をご覧下さい。
空に向かって斜めにニョキっと突き出た角ばった、「千木(ちぎ)」と呼ばれる木があります。
本社の様に、千木の先端の切口が内側(上側)に向いている場合は女性。
外側から切口が見える形の場合は男性、という区別になってます。
繊細な表現方法なんですね~。
「ご神木」 熊の顔が!

こちらのご神木からは”熊の顔”が浮き出ている、といわれています。
おー、なんか不思議な木だ!

不思議なこちらはパワースポットともいわれているので、近くで氣を頂きました。
後から熊の如くパワフルになるはず(笑)。
願いごとあらば「巫女人形」を

神社事務所脇に「巫女(みこ)人形納処」というのがありました。
あー、ちょっと不思議な雰囲気ですね。
”お願い事が叶ったら、着物をきせてお礼参りいたしましょう”、とあります。
戻ってきてる人形が沢山あるということは。。。、多くの願いごとが叶っているってことですよね!
巫女人形は1体1,200円。
願いごとがあれば、お連れして帰りましょう。
「竜神社と見沼の主」

「竜神社」には竜神様が祀られています。
かつて広大な見沼のほとりにあった氷川女体神社。
ここでは沼の主(ぬし)だった竜神様を祭るために、長年にわたり「御船祭」が行われていました。
これは14世紀の室町時代から行われていた、といわれます。
この祭りは、神輿(みこし)を乗せた船を沼の最も深いところに繰り出し、沼の主である竜神様をお祀りする、というものだったそう。
ちなみに、さいたま市のPRキャラクターに「ヌゥ」というゆるキャラがいますが、この見沼たんぼの主の子孫という設定なんですわ。
そんなことで、見沼の竜伝説は、さいたま市のルーツ的な部分に結びついているんですよね。
ヌゥの姿を確認するならこちらへ。→ さいたま市の 「ヌゥ」 のページ
「手水舎」

こちらは手水舎。

手水舎にも竜発見!
御朱印

※御朱印はレポートの訪問日とは別の日に、再訪して頂いたものです。
『磐船祭祭祀遺跡』 見沼の貴重な遺跡

竜伝説と関連して、境内のある高台の手前に「磐船祭祭祀遺跡復元記念」、なる石碑が建っています。

その先にはいかにも神聖な雰囲気漂う小道が、ずっ~と続いていますよ。
祭礼場的な雰囲気に誘われて、道を進んで行きます。

こちらが「磐船祭祭祀遺跡」。
- ●かつて氷川女体神社では、竜神様を祭る「御船祭」が行われていました。
- ●御船祭は、御座船に乗せられた神輿を、見沼を渡して下山口新田の御旅所まで流していた(下山口新田は5kmほど南東の場所)。
- ●江戸時代の”享保の改革”により沼が水田へと変わってゆき、行き船が流せなくなった。
- それで御船祭は中止せざるを得なくなった。
- ●そこで祭礼場をつくり、御船祭の代わりにここで祭礼を行う事とした。
- それが磐船祭です。

神社鳥居下の突端の場所に柄鏡形の土壇を造り、周囲に池が掘られました。

出島みたいな感じの造りです。
木漏れ日と静けさに包まれた、静かな空間でした。
『見沼氷川公園』 唱歌・案山子発祥の碑

最後に、磐船祭祭祀遺跡と隣接した「見沼氷川公園」を紹介。
見沼たんぼのエリアには多くの緑地公園がありますが、こちらもその一つですね。
大きな池と、遺跡裏手のハーブガーデンが特徴かな。
ハーブガーデンはオフシーズンでした。

それと、公園入口付近には、唱歌・案山子の作者であり、この地で生まれた武笠三を記念して建立された碑がありました。
案山子の像もありますが、雰囲気は「ちょっと怖め」ですね。
少し愛嬌がある雰囲気でも良かったのでは?と思った。(個人の感想です。)

案山子の歌詞が刻まれた石碑。

公園周囲の見沼代用水沿いには桜並木があり、花のシーズンには賑わいます。
本数は100本程度ですが、枝っぷりの良い木が密集して咲くので、とても華やかだって評判ですよ!
氷川女体神社の詳細情報・アクセス
住所:埼玉県さいたま市緑区宮本2-17-1 (GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)・JR武蔵野線「東浦和駅」より国際興業バスさいたま東営業所行「朝日坂上」下車徒歩10分
車)・駐車場は見沼氷川公園の駐車場(20台分)を使用
神社に参拝に行くと、神々についてや神社施設の呼び名・役割について知りたいけど、聞ける相手もいない!
ってことありません?そんな時、網羅範囲が広い本書は結構頼もしいですよ!
氷川女体神社に参拝に行こう!

氷川女体神社の見どころや歴史をご紹介しましたが、いかがでしたか?
氷川女体神社は、歴史を感じる古社の雰囲気があり、また、パワーを頂けるスポットでもありました。
併せて、地元・見沼田んぼの歴史が感じられる遺跡スポットもあり、そちらも興味深いものでした。
そんな氷川女体神社へ、参拝に出かけてみませんか?
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