埼玉県さいたま市にある「武蔵一宮氷川神社」は、二千年以上の歴史を持つ古社です。
そして、関東に約280社ある氷川神社の総社であり、初詣には毎年200万人以上の参拝者が訪れます。
そんな人気の神社へ、夏の空いている時期に訪問。
日本一の長さを誇る参道をのんびりと抜け、参拝と境内の歴史散策に出かけました。
帰りには、さいたま市初のクラフトビール醸造所「氷川の杜」にも立ち寄りましたので、あわせてご紹介します!
目次
『武蔵一宮 氷川神社』 二千年の歴史を持つ氷川神社総社
「日本一長い参道!」 二の鳥居は明治神宮より移設
「武蔵一宮・氷川神社」は毎年初詣に200万人以上が訪れる、関東屈指の参拝者数を誇る神社です。
そして、東京都・埼玉県近辺を中心に約280社ある、氷川神社の総本社となります。
昔よりこの地で武蔵一宮として信仰を集め、地域の地名である「大宮」も、大いなる宮居の意に由来します。
地元では、大宮氷川神社の呼び名で親しまれていますよ。
そんな、氷川神社は参道が長いことで知られています。
一の鳥居は境内から約2kmも離れており、日本一番長い参道といわれているんですよ!
本日は一の鳥居と境内の中間地点にある二の鳥居から、控えめに歩かせて頂きましたが(笑)。
この大きな二の鳥居、実は元々は明治神宮の大鳥居だったんですね。
大正9年(1920年)に作られたもので、昭和51年(1976年)に氷川神社に移設されました。
材木は樹齢1200年以上といわれる、檜(ひのき)製だそうです。
参道沿いには「氷川だんご」のお店。
団子だけでなく、きしめんなどの軽食も頼めるお店。
訪問日は7月の中旬の暑いさなかで、人気の中心はカキ氷でした。
皆さんベンチに腰かけて、頬張っておられましたね。
老舗のせんべい屋さんも良い雰囲気。
氷川神社の参道沿いは長さの割に、正月や花見の季節の屋台をのぞくと、飲食店がちょっと少な目かなあ。
もう少し増えると、楽しいかな。
「神池」古代見沼の名残り
三の鳥居をぬけて境内に入ってゆきます。
ところで氷川神社の社名の由来には、二通りの説があるらしいですよ。
■一つは、「出雲の国の杵築(きづき)大社(出雲大社)を遷して、氷川神社の神号をたまわる」と伝わることから、出雲の斐伊川(ひいかわ)にちなむというもの。
■もう一つは、鎮座地は見沼の低地に突きでた台地上にあり、古代からの湧水地に由来。
「古語で霊験あらたかな泉を表す、氷川が社名となった」というものです。
「神池」の太鼓橋にさしかかると、その先に楼門が見え隠れしてきます。
太鼓橋は人気の記念撮影スポットの一つですよ。
太鼓橋から見た神池。
昔この周辺地域には、古代の海の名残である「見沼」と呼ばれる大きな沼がありました。
神池はその見沼の名残だといわれます。
ところで、現在は水質もあまり良さそうに見えませんが、この池は戦前はホタルの名所だったそうです。
ホタルは皇室に献上されたりもしたそうですよ!
現在からはちょっと想像できないけど。
ちなみに。。。ホタルを再び!という取り組みとして、平成30年にテレ東の番組「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」の中で、”かい掘り”がおこなわれたそうです。
「蛇の池」 氷川神社発祥の地
楼門の左手の奥まった場所には、「蛇の池」と呼ばれる神秘的な池があります。
古来より地中深くから水が湧き続けており、かつての見沼の源泉の一つといわれます。
この湧水の存在が氷川神社の鎮座地に選ばれた理由とされ、「氷川神社発祥の地」といわれているそうだ。
「楼門」 氷川神社のシンボル
太鼓橋を渡ると見えてくるのが、朱色も鮮やかな「楼門」。
この楼門は、昭和15年(1940年)に本殿・拝殿・幣殿・舞殿とともに改修されたものです。
氷川神社の記念写真スポットのNo.1人気は、こちらの門前ですね。
七五三の記念写真は、お子様に千歳飴を持たせ、こちらの楼門をバックに撮影すれば間違いなし!
夫婦神と御子神から幅広い御神徳を
華やかな楼門や太鼓橋と比較すると、拝殿・本殿は落ち着いた雰囲気です。
氷川神社の創立は第五代孝昭天皇3年とされ、およそ二千年の歴史を持つ古社といわれます。
古来より朝廷や武将より、そして明治以降も天皇より崇敬を受けました。
- 武蔵一宮 氷川神社の歴史概略
- 奈良時代:聖武天皇の時代(724~749年)、武蔵国一の宮と定められる。
- 平安時代:延長5年(927年)、延喜式神名帳にて名神大社に列される。
- 鎌倉時代:治承4年(1180年)、源頼朝が社殿再建と社領3千貫を寄進。
- 江戸時代:慶長9年(1604年)、徳川氏が社領3百石を寄進。文禄5年(1596年)・寛文7年(1667年)、徳川氏が社頭整備と社殿の造営。
- 明治時代:明治元年(1868年)、東京遷都に際し武蔵国の総鎮守「勅祭の社」と定められ、明治天皇自ら親拝。明治4年(1872年)、官幣大社となる。
- 昭和時代:昭和15年(1940年)、本殿・拝殿・回廊などが改築され、現在の景観となる。
御祭神は、須佐之男命(すさのおのみこと)・稲田姫命(いなだひめのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)の三神で、夫婦神と御子神が祀られています。
国家安泰・開運招福・厄除け・商売繁盛・交通安全・縁結び・安産など、幅広いご神徳が頂けます。
「ふくろ絵馬」 可愛いくて綺麗!
社殿脇には、江戸時代に力自慢の若者たちが担いだ「力石」が。
石を担いで本殿の回りを見事一周できたら、名前を刻んで御神前に奉納する習慣だったそう。
埼玉銘菓・十万石饅頭みたいに可愛らしい形をしてるが(笑)、手前のは六拾貫。
だいたい約225kgくらいありますよ、重いっ!
ごっつい力石からうって変わって、こちらには可愛らしいものが沢山かかっていた。
こちらは絵馬に願い事を書いて、色とりどりの袋に入れて願掛けする「ふくろ絵馬」。
袋は全部で十色あり、これは大宮氷川神社のオリジナルのものなんだって。
個人情報保護の観点と見た目の可愛らしさによる、一挙両得のナイスアイディアですよね!
「松尾神社・宗像神社・稲荷神社」 境内社をめぐる
社殿参拝のあとは、境内社をめぐってみましょう。
神池の正面に鎮座するのは「松尾神社」。
お祀りされている大山咋命(おおやまくいのみこと)は、水の神。
お酒の神様ともいわれてますよ。
神池の中に突きでた、出島みたいな場所にあるのは「宗像神社」。
氷川神社の祭神である須佐之男命の御子神である、多起理比売命(たぎりひめのみこと)・市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)・田寸津比売命(たぎつひめのみこと)の三女神を祀る神社。
こちらも、水にまつわる場所を中心に祀られる神様です。
朱色の小さな鳥居が続く「稲荷神社」。
須佐之男命の御子神である、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀ります。
食物の神とされます。
小さいお狐様が可愛らしい!
「戦艦武蔵の碑」 艦内に氷川神社を分祀
三の鳥居のそばには、平成27年に作られた「戦艦武蔵の碑」がありました。
戦艦武蔵は、大日本帝国海軍が建造した最後の戦艦。
その艦内には、氷川神社が分祀された武蔵神社があったそうなんです。
昭和17年(1942年)8月5日に広島県呉で竣工式がおこなわれた際は、氷川神社より6名の神職が出向したそうです。
武蔵一宮氷川神社の御朱印帳と御朱印
氷川神社で購入した御朱印帳。
朱色の楼門と太鼓橋の柄の刺繍が素敵で、とても気に入っています。
こちらは通常の御朱印。
こちらは、茅の輪くぐりの季節限定御朱印です。
関東の強力なパワーを持った神社を、その位置関係から紐解くなど読み応えのある本。
関東周辺に沢山の素晴らしい神社があることに改めて驚きますね。写真も綺麗!
武蔵一宮氷川神社の詳細情報・アクセス
武蔵一宮氷川神社
公式ページ
住所:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・JR「大宮駅」東口から徒歩約15分
・東武アーバンパークライン(東武野田線)「北大宮駅」から西駐車場まで徒歩約10分
車)
・首都高速道路「さいたま新都心西IC」から約15分、東北自動車道「岩槻IC」から約20分
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『氷川ブリュワリー・氷川の杜』 さいたま市初のクラフトビール
そして本日は参拝あとに、ちょっと立ち寄りです。
こちらは、さいたま市では初のクラフトビールの醸造所である「氷川ブリュワリー」。
醸造所直結のビアパブが、二の鳥居の近くにあるのですよ~。
醸造所っていうと、工場みたいなスペースを思い浮かべますが。
こんなコンパクトな空間からでも、ビールって生みだせるのですね!
お店内はカウンターがメインの、比較的こじんまりとした感じ。
入口付近に、銀色の大きな醸造器具がありました。
カウンターにはビールの原料である、麦芽が置かれているのが洒落ている。
ビールはスタンダードっぽい「晶(AKIRA)」という、アメリカンペールエールを頂いた。
あ~、クセがなく、フルーティーで飲みやすいですねぇ。
「今しか食べれない、時期限定のホップの天ぷらがありますが、いかがですか?」と、店員さんがオススメ。
ん?ホップって食べれるんだ。限定という響きにも弱く「それ一つ」 。
お味はというと。。。独特の苦みがあり、その苦みが結構口に残るものでした。
う~む、大人の味だな。
氷川ブリュワリーのビール作りは、「地域の誇れる名産品づくり」を目指ざすことから始まったという。
その志の応援を兼ねて、また立ち寄らせて頂きます!
氷川ブリュワリー
公式ページ
住所:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-36-1(GoogleMapで開く)
営業時間:水曜日から金曜日 17:00~22:30、土曜日 12:00~22:30、日曜日 12:00~20:00 *LOは閉店30分前
定休日:月曜日・火曜日
アクセス:
電車)JR「大宮駅」より徒歩7分、氷川参道二の鳥居から徒歩2分
\ さいたま市の返礼品は、結構グルメが充実してますよ!/
武蔵一宮氷川神社参拝にでかけませんか?
大宮氷川神社は、初詣や花見のシーズンに立ち寄ることが多かった神社。
空いている参道をぶらぶら歩くと、今まで目に入っていなかった発見もあり色々と新鮮でした。
今度は長い参道の一の鳥居から、ぶらっと歩いてみたいですね。
武蔵一宮氷川神社の参拝にでかけてみまませんか?
記事の訪問日:2021/7/23
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