
鹿島神宮は常陸国一の宮。とても長い歴史を持つ神社で、日本全国にある鹿島神社の総本社です。
境内には徳川将軍家や水戸藩主から奉納された、数々の貴重な建築物が残ります。
県の天然記念物にも指定されている広大な社叢には、伝承と不思議に満ちたスポットがあるんですよ。
そんな鹿島神宮の歴史や伝承など、見どころ・魅力を幅広くご紹介します!
『鹿島神宮の紹介』

創建時期は古く、神武天皇元年(紀元前660年)と伝えられています。
そして、「神宮」を名乗ることが許されたのは、伊勢神宮の他は鹿島神宮・香取神宮(千葉県)のみという時代がありました。
歴史の長さと格式では、別格の存在といえる神社です。
香取神宮(千葉県)・息栖神社(茨城県)とともに、東国三社とも呼ばれます。
勝負事にご利益がある御祭神にて、中世~近世には源頼朝や徳川家康などの武将の尊崇を集めました。
『社殿参拝』
「大鳥居」 震災復興のシンボル

周辺の駐車場に車停めて境内へ向かうと出迎えてくれるのが、こちらニノ鳥居にあたる「大鳥居」。
高さ約10.3mの杉材の鳥居で、彩色されていない素朴な雰囲気の鳥居です。
国産の花崗岩の鳥居としては日本一を誇りましたが、残念ながら平成23年3月の東日本大震災で崩壊してしまったんですね。
現在の鳥居は、境内の杉4本を使って平成26年に竣工されたもの。震災復興のシンボルとして親しまれているそうですよ!

鳥居をくぐって進むと、社叢に囲まれた涼し気な参道に入ります。
年季の入った灯籠が現れます。江戸と彫られているので、江戸時代の物とお見受けしました。(未確認だが。。。)
「楼門」 日本三大楼門の一つ

参道を進んで行くと、高さ約13mある鮮やかな朱色の「楼門」が現れる。
さすが常陸国一の宮と称されるだけあって、立派な入口ですね~。風格を感じます。
こちらの楼門は日本三大楼門の一つにも数えられ、重要文化財に指定されています。
*日本三大楼門:鹿島神宮・筥崎宮(こさきぐう)(福岡県福岡市)・阿蘇神社(熊本県阿蘇市)の各楼門。

楼門は寛永11年(1634年)、水戸徳川初代藩主・徳川頼房公により奉納されたものです。
徳川三代将軍・家光公の病気平癒を大宮司に依頼。その後、家光公が快方に向かった際、奉納された物だそう。
ちなみに、境内で朱色に彩色された建物はこの楼門だけだった。


1階両側には、弓を持った随身像が納められています。

楼門をくぐって目に入ってきたのがこちら。
鹿島神宮は、地元サッカーJリーグの鹿島アントラーズが、シーズン前に必勝祈願をする神社としても知られています。
アントラーズの強さの一因は、勝負の神様・鹿島神宮のご加護なんでしょうね!
「拝殿・本殿」 徳川秀忠公の寄進

現在の社殿は、元和5年(1619年)の徳川2代将軍・秀忠公が寄進したものです。
正面からは拝殿しか見えませんが、本殿・石の間・幣殿・拝殿の4棟からなっており、重要文化財に指定されています。
御祭神は剣の神とされる武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)で、武の神として古くから皇室や藤原氏の崇敬を受けてきました。

社殿の一番奥まった所にある「本殿」。
三間社流造(さんげんしゃながれづくり)という建築様式です。
切妻屋根を持ち、正面側が庇(ひさし)のように前へ張り出した形状なのが特徴。

社殿全体的は地味な色合いに見えましたが。。。、御祭神を安置している本殿は、極彩色で鮮やかな装飾がされてますね!
松など、縁起が良さそうな物が描かれているのも見えます。

拝殿には鹿の彫刻がありました。
やはり名前からして、当社や当地は鹿との関りがありそうですねー。
「仮殿」 昔は造営遷宮も

社殿の前には「仮殿」という、年代を感じさせる建物があります。
こちらは、元和4年(1618年)、社殿造営のため徳川2代将軍・秀忠公が奉納したものです。
仮殿は、社殿の入れ替えを行う際に神様をお遷しする、仮の社殿のことです。
- 仮殿に神様をお遷しする。
- 旧本殿を奥宮(おくのみや)まで曳いて行く。
- 跡地に新しい社殿を造営。

こちらは江戸時代の仮殿ですが、仮殿というもの自体は以前からあった様ですよ。
というのも、以前は伊勢神宮同様、20年に一度社殿を建て替える造営遷宮が行われてたんですって!
『奥参道・鹿島神宮樹叢』

社殿の東側には「奥参道」への入口があります。
鹿島神宮の樹叢は、茨城県指定の天然記念物に指定されています。
厳かな雰囲気を感じる森ですね。入ってみましょう!

おー、こちらは参道や社殿のあるエリアとは一変して別世界。
広大な森には杉を始めとした巨樹が生い茂り、その種類は600種以上にも及ぶそうですよ!
ちなみに鹿島神宮の境内の敷地は約70ヘクタール(約21万坪)で、東京ドーム15個分だそうです。
とにかく広大! 凄いですね~。
「鹿園」 奈良の神鹿の起源!

奥参道を進むと鹿園があり、約20頭の鹿が飼育されています。餌やりもできますよ。
古くから鹿は、鹿島神宮の御祭神・武甕槌大神のお使いであるとされ、大切にされているそうです。

案内板にはさらに興味深い記述がありました。
これが、奈良の神鹿の起源にあたるそうです!
奈良公園の鹿といえば良く知られる奈良の代名詞的な存在ですが、ルーツが鹿島神宮にあったとは知らなかったな~。
鹿島神宮の神鹿は一時途絶えた時期があったそうですが、昭和32年(1957年)、奈良と神田神社から神鹿を迎え、現在の鹿園が開園されたそうです。
里帰りみたいで感慨深いですね。
「奥宮」 徳川家康公の奉納

鹿園を後にして進むと、厳かな雰囲気漂う「奥宮(おくのみや)」が現れます。
奥宮は摂社の位置付けになっています。
その14年後の元和5年(1619年)、新たに徳川2代将軍・秀忠公が現在の社殿を寄進。
新社殿と入れ替わりに、こちらの位置に遷ってきたものです。

入れ替えた年には、既に家康公は亡くなっています。
ゆえに「わしの寄贈した社殿に何するものぞ~!」とかの揉め事はなかった、と察します(笑)。
それでも、なんとも贅沢な社殿の入れ替えだなー、って感じますよね。

社殿は現行の社殿同様、三間社流造の建築様式です。
屋根の材質は、檜皮(ひわだ)と呼ばれるヒノキの樹皮が使われています。
「要石」 徳川光圀公が調査した!?

奥参道内には「要石(かなめいし)」という不思議な石があります。

石、わかりますか?

これが要石です!
ピョコっと石が見えていますが、実は地中深くまで埋まっていて、地震を起こす巨大な鯰(なまず)の頭を抑えていると、伝えられています。なんともダイナミックな話!
これには関連の逸話があります。
しかし、いつまで経っても辿り着くことができず。おまけに怪我人が続出したため掘るのを断念。
そんな話が黄門仁徳録に記されているそうです。
不思議ですなあ~。

場所は少し離れてますが、こちらの像が主祭神・武甕槌命が大鯰のアタマに要石を打っているイメージの様です。(この像は平成に造られた物。)
ちなみに、千葉県「香取神宮」にも要石があるそうで、そちらは大鯰の尾の部分を押さえているのだとか。
両社20kmくらい離れてるから、相当デカい鯰ですね~。
「御手洗池」 大寒禊の行

最後に巡った「御手洗池(みたらしいけ)」へは、結構傾斜のある坂を下って行きます。
帰りの登りはキツそうだな。。。

御手洗池は鹿島神宮一の神秘的なスポットですね。
こちらは、1日に40万リットル以上の湧水が湧き出る、清らかで神聖な池。
干ばつを迎えても絶えることが無く湧き続けた、霊泉だそうです。

池の水はにごりも無く、澄みきっています。
現在でも、年始に200人もの人々で行われる「大寒禊(だいかんみそぎ)」の行事が残っているそうですよ!

池の鳥居を正面から見た時、「なんで正面の一番オイシイ場所に、つっかえ柱があるのかな。。。」と思いました。
しか~し、横に回ると。。。、おおっ、これ見て下さいよ!
高々と上に伸びる御神木は見掛けますが、こんな風に池に被さるように伸びる御神木は珍しいですよね!
自然と一体となった神秘的な光景。パワースポットと称されるのもうなずけます。

御手洗池の横に茶屋があったので、見た目も楽しい三色団子を購入。
右からみたらし、真ん中がヨモギ団子withあんこ、左の黄色のがきび団子withきな粉の三色です。素朴な味で旨し!
あっ、そういえばみたらし団子の語源って、京都の下鴨神社の御清めの御手洗川から付けられた、という説を聞いたことがあるなあ。
「社務所・御朱印」

参拝が終わって、社務所で御朱印を頂きました。
建物内で座って順番を待てるのがいいですね!

こちはら鹿島神宮の御朱印。

こちらは奥宮の御朱印です。
『西の一之鳥居』 霞ヶ浦に建つ鳥居

境内の参拝は以上ですが、帰りしなに少し離れた場所にある「西の一之鳥居」に立ち寄ってみました。
こちらは、ご覧の様に水の中に建つ巨大な鳥居。
海の様に見えますが、湖である霞ヶ浦の北浦と呼ばれるエリアになります。
霞ヶ浦は、日本で2番目に大きな湖ですよ!
昔は湖を渡って参拝者がやって来た、ということなんでしょうね~。
鳥居のバックに上がる花火と、湖面に映る花火が幻想的な風景を作り出すそうですよ。
花火大火は2020年・2021年と中止になっています。2022年度は開催できると良いですね!
住所:茨城県鹿嶋市大船津2251沖(GoogleMapで開く)
鹿島神宮へのアクセス
住所:茨城県鹿嶋市宮中2306-1(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車:
・最寄り駅はJR鹿島線「鹿島神宮駅」
・JR「東京駅」総武線乗車、「成田駅」成田線へ乗換、「香取駅」鹿島線へ乗換、「鹿島神宮駅」下車、徒歩10分。所要時間約2.5時間。
※東京駅発・鹿島神宮直行の高速バスもあります。
車:
・東関東自動車道「潮来IC」より、約1.5時間 ・駐車場有
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歴史ある鹿島神宮の歴史や見どころについてご紹介しましたが、いかがでしたか?
鹿島神宮の魅力の中心にあるのは、やはり巨大な森に囲まれ自然と一体化した神聖な空気感だと思います。
そんなわけで、ご紹介した見どころ・魅力もそのごく一部しか伝えられていないと思われます。
是非、鹿島神宮へ実際に足を運んでみて下さい!

サステナブルにお得な買い物ができるって、いいんじゃない。
【記事の訪問日:2022/4/10】