
埼玉県行田市「前玉神社」は平安時代の延喜式にも載り、また、埼玉古墳群に隣接するなど歴史が詰まった古社です。さらに、実は自社も古墳の上に鎮座しているといいます!
そんな、歴史の重みを感じる一方、可愛い猫の限定御朱印が人気の神社でもあり、歴史のロマンと癒しの両方に出会える神社なんです。
『前玉神社』歴史と由緒のある神社
さきたま古墳群と「前玉神社」について
埼玉県行田市の「埼玉(さきたま)古墳群」には、5世紀後半~7世紀中頃に掛けて築かれた大型古墳が密集しています。全国的に見ても規模の大きい古墳群です。
前玉神社はその埼玉古墳群に隣接する神社で、起源も古墳との関連性が深いとされます。そして、なんとなんと、前玉神社自身も古墳の上にあるんですよ!
前玉神社がある「埼玉(さきたま)」というこの地域名は、県名発祥の地ともいわれています。そんな歴史ロマンを持つ神社を紹介します。
「大鳥居」 忍城主家臣の建立

駐車場脇に建つ年季の入った大鳥居が、参拝客をお出迎え。
柱に由来を示す銘文が刻まれているのが貴重で、市指定文化財になっています。
かつてあった城、忍城ともゆかりがある様ですね。古墳時代にとどまらず歴史好きの心をくすぐる神社ですね、ここ。

鳥居の石の扁額には「富士山」とあり、富士山信仰があったことが伝わってきます。

参道は静けさ漂う落ち着いた雰囲気。一番奥の先の茂みに覆われた小山の上に、社殿があります。
「二の鳥居・三の鳥居」 境内へ

二の鳥居には「前玉神社」の額が掛かっています。鳥居の右側に社務所があるので、帰りに立ち寄ります。

三の鳥居の先が小山の入口。富士山信仰にはうってつけの立地に見えます。
ロマンに浸りながら参拝されたい方は。。。季節によっては虫除けスプレー持参が良いかも!私は、痒くて何度も現実世界に引き戻されましたので(苦笑)。
「本殿」 浅間塚古墳上に鎮座

頂上に前玉神社の社殿があるこの小山、実は「浅間塚古墳」と呼ばれる古墳なんです。
石室の石材と思われる角閃石安山岩(かくせんせきあんざんがん)も発見されてるそうで、埼玉古墳群終焉期の7世紀前半頃のものとする時代考察がされています。
この辺はホントに古墳が多いんですね!

平安時代当時の全国の官社神社がまとめられた「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう) 」、前玉神社はそこに記載がある由緒ある神社です。

古くから埼玉郡の総社として信仰を集めていた前玉神社。最初に祀られたのは古墳時代ともいわれます。

えらく年季の入った提灯ですね!

拝殿の奥に本殿の一部が見えますが、外側からは本殿の外観は見えない造り。
男女一対の神様が祀られていることから、恋愛成就や夫婦円満を祈願する参拝者や、縁結びの祈願が多くみられるそうですよ。
「万葉灯籠」 古い万葉集歌碑

本殿への石段両脇に「万葉灯籠」が建っています。これは江戸時代の元禄10年(1697年)に奉納された物。

万葉集のなかの埼玉の地を詠んだ歌が刻まれており、万葉集の歌碑としては全国でも最も古いものの一つだそうです。万葉集は日本最古の現存歌集ですね。

こちらは「西行法師奥州途上に詠みたる歌碑」。
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した僧侶・歌人の「西行の歌碑」。当時の前玉の宮の栄華を詠った歌が彫られています。昭和に奉納されたもの。
「境内社:浅間神社」 初山のお祓い

墳丘の中腹にある「浅間神社」。
元々は忍城中にあった浅間神社を勧請し、古墳頂上の社を「上の宮」、中腹にあるこちらを「下の宮」と呼んでいたそうです。
明治時代に上の宮は前玉神社に、下の宮は境内社としての浅間神社として定められました。
御祭神は「木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)」で、子育て・安産・産業の神様として崇敬されているそうです。

「浅間神社」では当歳児から三歳児の額に朱印を押して、御利益を頂き成長を祈る「初山」のお祓いが有名なんだそうです。
小さい子供本人は激しく嫌がりそうな儀式ですなあ。。。

浅間神社の向かいに建つ古そうな石碑。
「末社:天神社・大黒社」 菅原道真公を祀る

古墳の中腹に末社の祠があります。

左側は学問の神様といわれる菅原道真公を祀った「天神様」。

右側の祠には恵比須様と大黒様が祀られています。左側の打ち出の小槌が大黒様で、右の太っ腹な感じなのが恵比寿様。

三の鳥居手前にある境内社の「明治神社」。明治41年に埼玉地区の16の神社を合祀(ごうし)した神社です。
「龍泉池と御神木」

敷地内に「龍泉池」という池があります。
この池のレイアウトイメージは。。。前方後円墳だ!と思ったのは私だけか?

駐車場にある御神木。

イヌマキと称される常緑の高木で、推定樹齢600年・樹高20m、目通り幹周4m、根回り5.5mで現存するマキとしては県内最大のものだそうです。
「看板猫と猫の御朱印」

ここまでは、ガチガチの歴史好きが喜びそうな神社由緒の紹介でした。
お気に入りの猫に会うのを楽しみに参拝に来る方も多いとか。

絵馬もやはり猫の形で可愛らしい!猫の顔は自分で書くのですね。
そういえば本日は境内で猫にあわなかったなあ、残念。

さて、社務所で御朱印を頂いて引き揚げるとしましょう。

おお、こんなところに猫だ!文字通り看板猫状態だ!
この子の名前は「きなこDX(デラックス)」。マツコデラックスみたいなネーミングだな。とても人懐っこい猫でした。

この、「きなこDX(メス)」が7年前に住み着き、その後、「さくら(メス)」、「ガガ(オス)」、「ミント(オス)」がメンバーに加わったそうです。

猫(=リアル)も人気なのですが、毎月22日(ニャンニャンの日!)前後に頒布される限定御朱印が人気。
4匹の猫のスタンプが月替わりで押されるもの。折角だからと、本日もニャンニャンの日に併せての参拝でした。
左が前玉神社のノーマルな通常御朱印。右が浅間神社の限定御朱印で、”さくらちゃん”のスタンプ入りのもの。可愛いなあ。。。両方とも書置きのものでした。
限定御朱印は22日を含む7日間で対応されています。頒布日をホームページで確認されておでかけ下さい。
![]() | 価格:1,430円 |

アクセス
住所:埼玉県行田市大字埼玉字宮前5450(GoogleMapで開く)
アクセス)
電車:
・JR「行田駅」から市内循環バスで15分、「埼玉古墳公園前」下車で徒歩7分
・秩父鉄道「行田市駅」から市内循環バスで21分、「埼玉古墳公園前」下車で徒歩7分
車:
・駐車場あり
でかけてみませんか?
前玉神社はいかがでいたか?歴史の重みがとても興味深い神社で、周辺の埼玉古墳群や忍城などの歴史スポットとともに立ち寄ってみたい神社。
その一方で人懐っこい猫と出会ってほっこりし、猫の御朱印をもらってニッコリ楽しめる、そのギャップを楽しめるのがこの神社の面白いところだと思います。
癒しの魅力を持つ個性的な神社を、のんびり参拝しませんか?

サステナブルにお得な買い物ができるって、いいんじゃない。
【記事の訪問日:2021/8/21】