「前玉神社」古墳に建つ古社を、ニャンコが案内!?【埼玉・行田市】

埼玉県発祥の地である行田市にある「前玉神社」は、平安時代の延喜式にも載る歴史ある古社です。
埼玉古墳群に隣接し、自社の鎮座地もなんと古墳の上!という歴史ロマン溢れる神社なんですね。

そんな神社の境内を可愛いニャンコ達が案内してくれるという、なんとも癒される話題を併せ持つ神社だったりもしますよ。
可愛い猫の御朱印の紹介もあります!

目次

『前玉神社』 歴史ある平安時代の延喜式社

「前玉神社」とさきたま古墳群について

前玉神社は、平安時代にまとめられた全国の官社神社一覧「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」にも記載がある、歴史ある神社です。

この一帯は、行田市埼玉(さきたま)という住所で県名発祥の地といわれています。
発祥地を象徴するのが、 全国的に見ても規模の大きい古墳群「埼玉(さきたま)古墳群」です。

前玉神社はその埼玉古墳群に隣接する神社。
起源も古墳との関連性が深いとされている、歴史ロマン溢れる神社なんですよ。

埼玉古墳群の詳細紹介はこちら!

「大鳥居」 忍城主家臣の建立

埼玉県行田市 前玉神社

参道入口では、年季の入った石鳥居が出迎えてくれる。

この大鳥居は、江戸時代の延宝4年(1676年)に忍城(おしじょう)主阿部正能の家臣と忍領氏子によって建立されたもの。

柱に由来を示す銘文が刻まれているのが貴重で、市指定文化財になっています。

地元の忍城とも繋がりがあったようで、古墳時代にとどまらず歴史好きの心をくすぐる神社ですね。

埼玉県行田市 前玉神社

鳥居の石の扁額には「富士山」とあり、江戸時代に富士山信仰があったことがわかります。

埼玉県行田市 前玉神社

静かで落ち着いた雰囲気の参道です。

「二の鳥居・三の鳥居」 境内へ

埼玉県行田市 前玉神社

二の鳥居には「前玉神社」の額が掛かっています。
鳥居の右側は社務所がありますので、帰りに立ち寄ります。

埼玉県行田市 前玉神社

三の鳥居が入口となり、その先の小山の上に社殿があります。
富士山信仰にはうってつけの立地に見えますな。

ちなみに歴史ロマンに浸りながら参拝されたい方は。。。季節によっては虫除けスプレー持参が良いですね!
私は痒くて、ロマンの世界から現世界に何度も引き戻されましたので(苦笑)。

「本殿」 浅間塚古墳上に鎮座

埼玉県行田市 前玉神社

前玉神社は、埼玉古墳群とゆかりが深い神社といわれています。
古墳群に向かって祈願するように建立されているのも、その名残らしいですよ。

埼玉県行田市 前玉神社

そして、頂上に前玉神社の社殿があるこの小山も実は、「浅間塚古墳」と呼ばれる古墳なんですね。

一時は「本当に古墳か?」と言われてたらしいですが、平成9・10年の発掘調査により幅10mに及ぶ周溝が確認され、古墳であることが判明。
直径約50m、高さ8.7mの円墳だそうです。

石室の石材と思われる角閃石安山岩(かくせんせきあんざんがん)も発見されており、埼玉古墳群終焉期の7世紀前半頃のものと時代考察されています。

この辺はつくづく古墳が多い地域なんですなあ。

埼玉県行田市 前玉神社

古くから埼玉郡の総社として信仰を集めていた前玉神社。
最初に祀られたのは古墳時代だったといわれるのも、さもありなんという感じ。

埼玉県行田市 前玉神社

前玉神社の御祭神は、古事記にも記載がある出雲系の神様である前玉比売神(サキタマヒメノミコト)と前玉彦命(サキタマヒコノミコト)の二柱。
男女一対の御祭神であることから、恋愛成就や夫婦円満、縁結びの祈願をする参拝者が多いそうですよ。

拝殿の奥に本殿の一部が見えますが、外側からは本殿の外観は見えない造りでした。

「万葉灯籠」 古い万葉集歌碑

埼玉県行田市 前玉神社

本殿の石段両脇には、江戸時代の元禄10年(1697年)に奉納された「万葉灯籠」が建っています。

埼玉県行田市 前玉神社

日本最古の現存歌集・万葉集のなかの、埼玉の地を詠んだ歌が刻まれています。
万葉集の歌碑としては全国でも最も古いものの一つ、だといわれています。

埼玉県行田市 前玉神社

平安末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した僧侶・歌人の「西行の歌碑」。
西行が、当時の前玉の宮の栄華を詠った歌が彫られています。
碑は昭和の奉納品。

「境内社:浅間神社」 初山のお祓い

埼玉県行田市 前玉神社

墳丘の中腹にある「浅間神社」は、忍城城中にあった浅間神社を勧請した神社だそう。
頂上の社は「上の宮」、中腹のこちらは「下の宮」と呼ばれていたとのこと。

明治時代になり上の宮は前玉神社に、下の宮は境内社・浅間神社として定められました。

御祭神は「木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)」で、子育て・安産・産業の神様として崇敬されています。

埼玉県行田市 前玉神社

「浅間神社」では当歳児から3歳児の額に朱印を押し、御利益を頂き成長を祈る「初山」のお祓いが有名なんだそう。
お子様本人は激しく嫌がりそうな儀式だなあ。。。

埼玉県行田市 前玉神社

浅間神社の向かいにも古そうな石碑がありあました。

「末社:天神社・大黒社」 菅原道真公を祀る

埼玉県行田市 前玉神社

小さな祠の末社があります。

埼玉県行田市 前玉神社

左の祠は学問の神様・菅原道真公を祀った「天神様」。

埼玉県行田市 前玉神社

右の祠には恵比須様と大黒様。
左の打ち出の小槌が大黒様で、右の太っ腹な感じの神様が恵比寿様。

埼玉県行田市 前玉神社

三の鳥居手前の境内社「明治神社」は、明治41年(1908年)に埼玉地区の16の神社が合祀された神社です。

「龍泉池と御神木」

埼玉県行田市 前玉神社
龍泉池

敷地内の「龍泉池」という池。
龍の伝承がありそうな池ですが、確認を失念しました。

この池のレイアウトイメージは前方後円墳だ!と思ったのは私だけかな?

埼玉県行田市 前玉神社

入口の駐車場脇の御神木。

埼玉県行田市 前玉神社

イヌマキと称される常緑の高木。
推定樹齢600年・樹高20m、目通り幹周4m、根回り5.5mで、現存するマキとしては県内最大のものだそう。

「看板猫と猫の御朱印」

埼玉県行田市 前玉神社

ここまで歴史好きが喜びそうな前玉神社の見どころを紹介しましたが、ここからはゆるい魅力を紹介。

この神社には4匹の看板猫が住んでいて、境内で参拝客を案内してくれるのが人気なんですね。
お気に入りの猫に会うのを楽しみに参拝に来る方も多いとか。

絵馬も猫の形で可愛らしい!猫の顔は自分で書くのですね。
そういえば本日は境内で猫に会うわなかったなあ、残念。

埼玉県行田市 前玉神社
社務所

さて、一通り参拝したので、二の鳥居脇の社務所で御朱印を頂いてゆきましょう。

埼玉県行田市 前玉神社

おお、こんなところに猫がいた!
文字通り看板猫状態だわ。

この子の名前は「きなこDX(デラックス)」。
マツコデラックスみたいなネーミングだな。。。とても人懐っこい猫でした。

埼玉県行田市 前玉神社

このメスの”きなこDX”が7年前に住み着き、その後、メスの”さくら”、オスの”ガガ”、オスの”ミント”がメンバーに加わったそうですよ。

埼玉県行田市 前玉神社

リアルの猫も人気なのですが、毎月22日(ニャンニャンの日!)前後に頒布される限定御朱印も人気
4匹の猫のスタンプが月替わりで押されるという楽しいもの。
折角だからと、本日もニャンニャンの日に併せての参拝でした。

左が前玉神社のノーマルな通常御朱印。
右が浅間神社の限定御朱印で、”さくらちゃん”のスタンプ入りのもの。

限定御朱印は22日を含む7日間で対応されています。
折角だから頒布日に訪問すると楽しいですよ。

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アクセス

前玉神社公式ページ
住所:埼玉県行田市大字埼玉字宮前5450(GoogleMapで開く
アクセス)
電車:
・JR「行田駅」から市内循環バスで15分、「埼玉古墳公園前」下車で徒歩7分
・秩父鉄道「行田市駅」から市内循環バスで21分、「埼玉古墳公園前」下車で徒歩7分
車:
・駐車場あり

前玉神社に参拝にでかけてみませんか?

前玉神社を紹介しましたが、いかがでしたか?

歴史の重みがあり興味深い神社で、関連する市内の史跡である埼玉古墳群や忍城なども訪たくなってきます。
一方で人懐っこい猫と出会ってほっこり、猫の御朱印をもらってニッコリ、そのギャップが前玉神社の楽しいところだと思います。

前玉神社をのんびりと参拝しませんか?


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【記事の訪問日:2021/8/21】

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