埼玉県加須市に鎮座する「玉敷神社」の境内は、町のシンボルでもある大いちょうをはじめ、緑豊かな木々に囲まれており心地良いです。
飛鳥時代の創建とも伝わる歴史ある神社で、平安時代の延喜式神名帳にも記載がある由緒ある古社。
江戸時代の本殿も残っているんですよ。
落ち着いた雰囲気の境内で、穏やかに参拝をしてきました。
目次
『玉敷神社』 由緒ある延喜式内社
玉敷神社がある埼玉県加須市は、埼玉県北東に位置します。
そして、県内で唯一群馬・栃木・茨城の北関東3県に隣接している市町村、という稀有な位置取りにある境目の市なんですよね。
概ね都心50km圏内で利便性が良い割には、利根川の豊かな水と土壌を利用した田園も多く、の~んびりした風景に出会える地域でもあります。
そんな地域に鎮座する、歴史のある玉敷神社の紹介になります。
「平安時代の延喜式内社」 樹齢400年のフジの名所
玉敷神社は、平安時代の延喜式神名帳にも記載がある由緒ある古社です。
元々の創建地は、現在地より若干北寄りの地だったとのこと。
江戸時代には地元の騎西城大手門前への遷座などを経て、寛永4年(1627年)頃に現在の鎮座地に移転したそうです。
戦国時代の兵火による当初の社殿は焼失したたため、残念ながら詳細な記録は残っていないらしい。
ちょっとした松林に囲まれ、真っすぐに延びる参道から入ります。
神社の参道ならではの凛とした空気が流れていて、良いですね~。
玉敷神社と隣接して、玉敷公園が神苑として造成されており、樹齢400年の県指定天然記念物「玉敷神社のフジ」の名所となっています。
またフジの季節が終わった後はアジサイの季節を迎え、花の名所としても知られるスポットなんですよ!
\ 大藤の開花の模様はこちらで記事で! /
参道沿いの所々に大黒像が置かれています。
玉敷神社の主祭神は大己貴命(おおあなむちのかみ)。
別名が大国主神(おおくにぬしのみこと)で、大黒(=大国)様に結びついています。
参道沿いには菅原道真公を祀る「天神社」。
祠には、扉や鍵も壊す賽銭泥棒対策の呼びかけの貼り紙。
夕方~夜間の賽銭はしない様に、とのこと。
罰当たりの泥棒めが!賽銭泥棒なんて世も末だな。。。
主祭神・大己貴命から大黒様のご利益も
参道を進むと境内入口の鳥居が見えてきます。
鳥居の足元に可愛いのがいました!砂で作られた猫。
雨が降りませんように、っと。
キリっとした、端正な感じの拝殿正面の景観が良い雰囲気です。
黒っぽい色合い風合いが、引き締まった印象を与えます。
拝殿は明治31年(1898年)に修築されたものとのことです。
玉敷神社の起源は大宝3年(703年)、飛鳥時代の貴族・多治比真人三宅麿(たじひのみやけまろ)の創建と伝わります。
かなり古い時代の創建ですね!
拝殿正面を固めるのは、大正時代の狛犬。
前髪がカールしてる、江戸狛犬といわれるタイプですかね。
主祭神である大己貴命は、武勇の持ち主の神として知られます。
また、恋多き神様ともいわれ、縁結びや安産のご利益も頂けるとのこと。
そして大黒様として、豊作や商売繁昌の御神徳もお持ちのようです。
あっ、かわいいな!
分かりやすい説明、ありがとうございます。
「本殿は江戸時代築」 久伊豆神社の総本社!?
社殿を横側から見ていますが、右手の本殿は江戸時代の文化13年(1816年)に建てられた建築物が残っています。貴重ですね。
本殿周囲の彫刻は、江戸名工の5代目後藤茂右衛門の作だそうです。
派手さのある彫り物ではありませんでしたが、梁に彫られた横向きに流れる流麗な彫刻が印象的でした。
神社の由緒に関して興味深かったのは、江戸時代までは「勅願所玉敷神社、久伊豆大明神」と称されていたこと。
そこから各地に久伊豆社の御分霊社が数多く建立された、とあります。
久伊豆神社は、埼玉県の元荒川流域を中心に数多く分布する神社。
こちらがその久伊豆神社の総本社、ということらしいですねえ。
そのことはあまり広く知れ渡ってないのではないでしょうかね?
そもそも総本社に久伊豆神社の名前が付いていない点、関連が分かり辛いですなあ。。。
「御神木」 町の天然記念物
境内には2本の大いちょうがあります。
町の天然記念物であり、町の木にも制定されているシンボル的な存在です!
本殿の脇と神楽殿の脇にありますが、ともに樹齢は推定500年。
大きさは両方とも樹高約30m、幹回りが5~6m、そして根張り15mっていうのも凄いね。
春らしく青々と茂ってきた葉が、日差しを受けて眩しい。
本殿脇の大いちょうは、途中から三本に分かれています。
樹齢500年でも生命力はまだまだ旺盛!
御神木のパワーをあやかりたく、ちょっとお触りさせて頂きました。
社殿裏手で、「御神木の根っこに持ち上げられてブロックが倒壊。」の貼り紙がありました。
ホント、有り余るパワーですなあ。。。
「神楽殿」 無形民俗文化財の神楽
天保7年(1836年)建立、茅葺き屋根で貫録が漂う「神楽殿」。
ここで奉納される神楽は、国指定無形民俗文化財だそうです。
江戸神楽の原型を伝える舞で、400年以上の歴史を持っといわれます。
年4回、祭礼の折に奉奏されるそうですよ。
無形文化財の保存って、後継者を作って継承してゆくのが大変だって聞きます。
その点でご苦労されているかもしれませんねえ。
「宮目神社、八坂社」 地主神
本殿裏手にある「宮目(みやめ)神社」は、玉敷神社がこの地に移ってきた1620年頃には既に鎮座していた地主神だそう。
玉敷神社とは別に、宮目神社も延喜式に記載されている神社なんですって。
失礼ながらこの小さな祠からはその歴史は想像できず、ちょっと驚き。
「八坂社」には素盞嗚命(すさのおのみこと)が祀られます。
江戸時代には既に鎮座されていたという、こちらも古い神社だそうです。
祠を覗かせて頂くと、夏のお祭りで披露される神輿が納められていました!
摂社と境内社は全部あわせて10社あります。
玉敷神社の御朱印
藤をあしらった季節感のある御朱印を書置きで頂きました。
用紙も繊細な模様が入ったものでしたよ!
神社に参拝に行くと、神々についてや神社施設の呼び名・役割について知りたいけど、聞ける相手もいない!
ってことありません?そんな時、網羅範囲が広い本書は結構頼もしいですよ!
玉敷神社の詳細情報・アクセス
玉敷神社
住所:埼玉県加須市騎西552番地1 (GoogleMapで開く)
電車)
・東武伊勢崎線「加須駅」から、鴻巣駅行き又は免許センター行きバスで「騎西一丁目」下車、徒歩約7分
・JR高崎線「鴻巣駅」から、加須駅行きバスで「騎西一丁目」下車、徒歩約7分
車)
・公園駐車場が約30台分あり
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玉敷神社へ参拝に出かけてみませんか?
自然に囲まれた環境にあり、歴史を感じられる玉敷神社の参拝を紹介しましたが、いかがでしたか?
ちなみに玉敷神社に隣接して、元々は境内の一部だった玉敷公園があります。
こちらには樹齢400年の藤の花が植えられており、4月末頃から5月始めくらいまで藤棚一杯の藤の花が楽しめます。
また、梅雨を迎える頃になると、今度は玉敷公園を含む騎西エリアはアジサイの名所に様変わりしますよ。
そんな季節の花模様に合わせて参拝に訪れるのも、オススメです!
記事の訪問日:2022/4/23
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