房総半島南端、千葉県南房総市「高家神社」は料理祖神を祀った珍しい神社です。
「庖丁式」という一風変わった儀式もあったりしますが、実は料理関係者の間では良く知られる神社らしいですよ!
そんな高家神社を、期間限定の「竹あかりイベント」の模様とともに見どころ紹介します!
目次
『高家神社』参拝と”竹あかり”
3月中旬のある日、房総半島の最南端の南房総市に旅行で出かけました。
南国ならではのみかん狩りを楽しみ、夜は宿で温泉。
そんなの~んびりした旅行でした。
それで宿泊した千倉の街で、ふと「高家(たかべ)神社ライトアップ」のポスターを見かけたんですよ。
へえ~、面白そう、と思い、夕方ふらっと高家神社に足を延ばしてみました。
「ラバーズスポット?」
境内入口の看板には”Minami Boso Lover’s Spot”とあります。
なにかお洒落な神社なのか?と思いましたが、日本で唯一・料理の神様を祀る神社とも書かれてますね。
それでもって彼氏のココロを掴むなら料理!という事らしい。
ノリが軽いな~。
で、この神社、軽いタッチの案内板とは裏腹に、実は古い歴史を持った由緒ある神社だったんですわ。
「参道と竹あかりイベント」
小高い丘の上に社殿があるのが見えます。
拝殿まで参道が高台に向かって直線的に伸びる、威厳を感じる造りですね。
参道は竹灯籠でライトアップで、幻想的な雰囲気でした。
竹灯籠のイルミネーションによる「竹あかり」。
これは、千葉工業大学講師の方のプロデュースにより、地元地区と千倉地域づくり協議会が中心となって制作されたそうです。
静寂の中、ほのかに灯りが浮かび上がり幻想的です。
これは2020年12月中旬~2021年3月末までの催しだそうだ。
コロナ禍での自粛生活の中の”癒しの場”となって欲しい、との思いが詰まっているそうですよ!
ヒゲタ醤油創始者が広めた神社!?
主祭神は磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)で、日本書紀に名前が出てくる神様だそう。
伝承によると、現在の南房総の地に第12代の景行(けいこう)天皇が訪問した際、料理上手であった家臣・磐鹿六雁命は、獲れた魚と白はまぐりをなますや焼き物にして天皇にお出しした。
その味が褒め称えられ、朝廷調理人の最高位職・大膳職長に任じられたとのことです。
また、磐鹿六雁命は高倍(たかべ)さまとして、宮中醤院(きゅうちゅうひしおつかさ)で醤油醸造・調味料の神として祀られています。
醤(ひしお)には、野菜を発酵させた草醤(くさびしお)、穀物を発酵させた穀醤(こくびしお)、魚などを発酵させた肉醤(にくびしお)があったそうです。
そんな調味料に縁深い神様ということで、実はヒゲタ醤油の始祖・田中直太郎氏や料理関係者が神社を広めたんですね。
それにより、料理や醤油醸造・調味料の神様として広く知られるようになったそうなんですよ。
へえ~、その筋では有名な神社なんですね!
存じ上げませんでしたなあ。
拝殿は茅葺き屋根で質素ながら、歴史を感じさせる雰囲気のある造りです。
現在の地に祀られる様になったのは、江戸時代初頭の頃といわれます。
「庖丁奉納殿と庖丁塚」
拝殿の左手には「庖丁奉納殿」があります。
拝殿の左右には「庖丁塚」があります。
こちらへは、調理師などの関係者が庖丁の供養に訪れるそうですよ。
毎月17日には「庖丁供養祭」が行われます。
庖丁に特化した珍しい供養を行う神社ということで、料理業界の人御用達の神社のようです。
「庖丁式奉納殿」 庖丁式は年3回
こちらの神社には「庖丁式」と呼ばれる、特殊神事が伝わります。
絵馬に描かれているイラストが、その神事の様子のようです。
これは、庖丁とまな箸を用いて、食材にいっさい手をふれることなく、黒鮑(くろあわび)、鰍(いなだ)といった地元の魚介を調理する儀式だそう。
平安時代が起源とされ、宮中行事の一つとして伝わるものだそうです。
例大祭や感謝祭として、一年に3回、庖丁式が行われ一般に公開されます。(5月17日・10月17日・11月23日)
いにしえの平安時代の技が、今も受け継がれているのですね。
機会があれば見てみたいですね~。
こちらはその庖丁式が行われる「庖丁式奉納殿」。
訪問の際はひときわ鮮やかな竹灯籠のオブジェと、季節柄のお雛様が飾られていました。
高家神社の詳細情報・アクセス
高家神社
公式ページ
住所:千葉県南房総市千倉町南朝夷164(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・JR内房線「千倉駅」下車、約2km
・千倉駅からはJRバス又はタクシー利用。バス停「高家神社入口」を下車。
(東京から千倉までのアクセス)
・JR「東京駅」発、総武線快速 千葉行き(約44分)→「千葉駅」で乗換、内房線 館山行き(約1時間40分)→ 「館山駅」内房線 安房鴨川行き(約12分) → 「千倉駅」
・JR「東京駅」発、外房線特急 安房鴨川行き(約2時間)→ 「安房鴨川駅」で乗換、内房線 館山行き(約30分)→ 「千倉駅」
車)
・富津館山道路「富浦IC」より約16km、約25分
神社に参拝に行くと、神々についてや神社施設の呼び名・役割について知りたいけど、聞ける相手もいない!
ってことありません?そんな時、網羅範囲が広い本書は結構頼もしいですよ!
高家神社にでかけてみませんか?
房総最南端にひっそりとたたずむ高家神社を紹介しましたが、いかがでしたか?
とてもユニークな神社でした。
ところで、ヒゲタ醤油の銚子の工場内には、高家神社の分社が祀られているそうです。
そして、年に一度、高家神社に奉納するための醤油「高倍」が特別醸造されるそうです。
料理を上達させたい人も、食べるのが好きな方も、房総半島に出かけた折は立ち寄ってみませんか?
記事の訪問日:2021/3/19
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