
房総半島南端、千葉県南房総市「高家神社」は料理祖神を祀った珍しい神社。「庖丁式」という一風変わった儀式もあります。
“竹あかりイベント”が期間限定で行われており、この風流な演出も紹介します!
『高家神社』の紹介と由緒
千葉県房総半島最南端にあたる南房総市に旅行で伺ってました。
千倉(ちくら)という静かな温泉地に宿泊したのですが、街中に「高家 (たかべ) 神社ライトアップ」のポスターを見かけました。
へえー、と思い、夕方、 高家神社に足を延ばしてみました。

境内入口に”Minami Boso Lover’s Spot”と書かれた看板がありますね。
お洒落な神社なのか?と思いましたが、ここは日本で唯一・料理の神様を祀る神社として知られているそうです。
料理の神様。昔やってたテレビ番組”料理の鉄人”みたいなのを思い浮かべてしまいましたが。。。。。神様ですよね、失礼致しました(苦笑)。
神社の由緒
軽いタッチの案内板とは裏腹に(失礼!)、この神社は古い歴史を持った由緒のある神社でした。

主祭神である磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)は、日本書紀にも名前が出てくる神様。
(現在の)南房総の地に第12代の景行(けいこう)天皇が訪問した際、料理上手であった家臣・磐鹿六雁命は、獲れた魚と白はまぐりをなますや焼き物にして天皇にお出しした。
その味が褒め称えられ、朝廷調理人の最高位職・大膳職長に任じられたということです。
また、磐鹿六雁命は高倍(たかべ)さまとして宮中醤院(きゅうちゅうひしおつかさ)で醤油醸造・調味料の神として祀られています。
醤(ひしお)には、野菜を発酵させた草醤(くさびしお)、穀物を発酵させた穀醤(こくびしお)、魚などを発酵させた肉醤(にくびしお)があった。
今でいう漬物・味噌醤油・塩辛、日本料理の基礎をなすものとされます。
『高家神社』参拝と”竹あかり”
「参道」とイルミネーション

拝殿は小高い丘の上にあり、参道が拝殿までが一直線で立体的に伸びているので絵になりますね。

参道は竹灯籠でライトアップで、幻想的な雰囲気でした。

「竹あかり」イベントについて

竹灯籠のイルミネーションによる「竹あかり」。
これは、千葉工業大学講師の方のプロデュースにより、地元地区と千倉地域づくり協議会が中心となって制作されたそうです。
今回は2020年12月中旬~2021年3月末までの催し。コロナ禍での自粛生活の中の”癒しの場”としての思いが詰まっているそうですよ。
「拝殿」は茅葺き屋根

拝殿は茅葺き屋根で質素ながら、歴史を感じさせる、雰囲気のある造り。

扁額には”料理祖神”とあります。

「庖丁奉納殿」と「庖丁塚」

拝殿の左手には「庖丁奉納殿」があります。

拝殿の左右には「庖丁塚」があります。こちらへは調理師などの関係者が庖丁の供養に訪れるそうです。
そして、毎月17日には「庖丁供養祭」が行われます。庖丁に特化した珍しい供養を行う神社。料理の業界人御用達の神社のようですね。
「庖丁式奉納殿」庖丁式は年3回

こちらは「庖丁式奉納殿」。ひときわ鮮やかな竹灯籠のオブジェと、季節柄のお雛様が飾られていました。
この奉納殿はこの神社の名物儀式である「庖丁式」が行われる建物です。

絵馬に庖丁式の様子のイラストが描かれています。
庖丁とまな箸を用いて、食材にいっさい手をふれることなく、黒鮑(くろあわび)、鰍(いなだ)といった地元の魚介を調理する儀式。
平安時代に起源があるとされ、宮中行事の一つとして伝えられてきたそうです。
例大祭や感謝祭として、一年に3回、庖丁式が行われ一般に公開されます。(5月17日・10月17日・11月23日)
アクセス情報
住所:千葉県南房総市千倉町南朝夷164(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・JR内房線「千倉駅」下車、約2km
・千倉駅からはJRバス又はタクシー利用。バス停「高家神社入口」を下車。
(東京から千倉までのアクセス)
・JR「東京駅」発、総武線快速 千葉行き(約44分)→「千葉駅」で乗換、内房線 館山行き(約1時間40分)→ 「館山駅」内房線 安房鴨川行き(約12分) → 「千倉駅」
・JR「東京駅」発、外房線特急 安房鴨川行き(約2時間)→ 「安房鴨川駅」で乗換、内房線 館山行き(約30分)→ 「千倉駅」
車)
・富津館山道路「富浦IC」より約16km、約25分
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でかけてみませんか?

高家神社はとてもユニークな神社でした。
あまり予備知識を持たずに立ち寄りましたが、ヒゲタ醤油の始祖・田中直太郎氏や料理関係者が広めたことにより、料理や醤油醸造・調味料の神様として広く知られている神社です。
ヒゲタ醤油の銚子の工場内には高家神社の分社が祀られています。そして、年に一度、高家神社に奉納する為の醤油「高倍」を特別醸造しているそうです。
料理を上達させたい人も、美味しい料理を食べたい人も、海に囲まれた旨い魚がある房総半島に出かけ、その折に立ち寄ってみてはいかが?
周辺観光の参考ページ:千葉県南房総市 観光情報「南房総いいとこどり」

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【記事の訪問日:2021/3/19】