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飛鳥山公園、徳川吉宗が整備した江戸時代よりの桜の名所【東京・北区】

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東京都北区にある市民の憩いのスポット、「飛鳥山公園」を歴史散歩します。

桜の名所として知られる公園ですが、これは徳川吉宗による整備に始まりました。
また、上野公園などと共に日本で最初に指定された公園であることは、案外知られていないのでは?

さらに日本経済の父といわれた渋沢栄一の晩年の邸宅があったなど、歴史が色々詰まった飛鳥公園を紹介します。

目次

桜の名所・飛鳥山公園を散策

飛鳥山公園(東京都北区)

「飛鳥山(あすかやま)公園」は東京都北区内で最も良く知られたお出かけスポットの一つで、特に桜の名所として良く知られています。

JR王子駅からも程近く、桜の季節には車窓からも開花の様子が良く見えるんですよ。
本日もその花模様に誘われて、思わず途中下車。春らしい陽気の中、飛鳥山公園に立ち寄ってみました。

ミニモノレール「アスカルゴ号」で山頂へ!

飛鳥山公園(東京都北区)

飛鳥山公園には「あすかパークレール」と呼ばれるモノレールがあり、これがチビッ子達に人気です。
名前は「アスカルゴ号」で、飛鳥山とカタツムリ(=エスカルゴだって。。。)を掛け合わせた造語とのこと。

で、いい大人がお恥ずかしいのですが、実はこれ、一度乗ってみたかったのだ(苦笑)。ということで早速列に加わります。

飛鳥山公園(東京都北区)

しばし順番待ちして乗車。
アスカルゴ号の車窓から見下ろすと、都内に唯一残る路面電車・都電荒川線が通過してゆきます。あ~、
良い感じの景色ですねえ。

定員16名のアスカルゴ号は無人運転により、”飛鳥山公園入口”と”飛鳥山山頂”の48mのレール上を約2分間かけて運航します。もうちょっと乗っていたい気分だったが(笑)。
ちなみに法律上のアスカルゴ号は、斜行型エレベーターの扱いとなっています。

\ レトロな都電荒川線(さくらトラム)に乗る記事はこちら!/

飛鳥山公園は日本最初の公園のひとつ

飛鳥山公園(東京都北区)

山頂の碑にもある通り、飛鳥山は標高25.4mの可愛らしい山です。

そして飛鳥山公園は明治6年(1873年)の太政官布達により、実は上野公園・芝公園・浅草公園・深川公園とともに日本で最初に指定された公園の一つなんですよ。案外知られざる歴史なんじゃないですかね。

飛鳥山の桜は徳川吉宗が行楽地として整備

「江戸名所 飛鳥山花見乃図」 初代 歌川広重作(出典:国立国会図書館)
「江戸名所 飛鳥山花見乃図」 初代 歌川広重作
(出典:国立国会図書館)

桜の名所としての飛鳥山の歴史は江戸時代までさかのぼり、徳川8代将軍・吉宗が「享保の改革」の一環で行楽地として整備したことに始まります
飛鳥山に桜を千本以上植えるよう命じた吉宗は、元文2年(1737年)には自ら飛鳥山に訪問して植樹をおこなったと伝えられます。

享保の改革というと倹約令などの引き締めのイメージが強いので、これはちょっと意外でした。

徳川吉宗(1684-1751年)
江戸幕府第8代将軍。質素倹約を奨励し、享保の改革を主導しました。この改革では新田開発による石高増加、上米の制による財政再建、公事方御定書の制定による司法制度の整備、目安箱の設置による民意の反映など多岐にわたりました。
これにより幕府財政は一時的に再建され、「享保の中興」と称されました。

吉宗の「暴れん坊将軍」のイメージは時代劇の中のフィクションですが、古い慣習にとらわれれずに改革を断行した、強い意志を持った人物だったようですよ。

飛鳥山公園(東京都北区)

本日は天気も良いということもあり、多くの花見客でにぎわっていました。

飛鳥山公園(東京都北区)

享保時代には1,270本の桜が植えられましたが、現在はソメイヨシノを中心に650本の桜が植えられています。

飛鳥山公園(東京都北区)

レジャーシートを広げられるスペースもありますよ。

江戸時代は音無渓谷とともに賑わった

飛鳥山公園(東京都北区)

花見スポットとしての飛鳥山の特徴は、台地ならではの起伏のある風景の中で桜が楽しめる点ですね。
このような地形で桜が楽しめるスポットは、都内ではなかなか無いのでは?

飛鳥山は武蔵野台地の東縁にあたる独特の地形で、東面(王子駅方面)は急傾斜で、西側は比較的なだらかな傾斜となっています。

飛鳥山公園(東京都北区)

山の東側には石神井川が流れていますが、江戸時代にはそこに「音無渓谷」と呼ばれる滝が流れる景勝地もありました。
飛鳥山を含めたこの一帯には茶屋なども設けられ、江戸に近い行楽地としてにぎわったそうですよ。

\ 近隣の音無親水公園の桜ももオススメですよ! /

園内には勝海舟らが建てた石碑やSLなども

飛鳥山公園(東京都北区)
櫻の賦の碑

公園内には石碑や銅像なども多くあり興味深い。

「櫻の賦の碑」は佐久間象山が作詠した「桜賦」を題材に、勝海舟らの発案で明治14年(1881年)に建立された碑です。
碑文は象山の直筆遺墨をもとに、文を歴史・地理学者の北沢正誠が、碑字は書家・日下部鳴鶴が手がけています。

碑の下には象山の遺品である、「血染めの挿袋」を納めた石室が埋設されているらしい。

佐久間象山(1811-1864年)
信濃国松代藩出身の江戸時代末期の思想家・兵学者。
西洋の学問に強い関心を示し、砲術・蘭学・医学・測量など多岐にわたる分野を研究。開国論を唱え、吉田松陰や勝海舟や坂本龍馬らの幕末の重要人物に影響を与えた人物。
しかし、開国派と見なされた尊王攘夷派により京都で暗殺されました。

飛鳥山公園(東京都北区)
聖観音菩薩像

こちらは昭和51年(1976年)に寄贈された「聖観音菩薩像」。

飛鳥山公園(東京都北区)
平和の女神像

アート系の銅像もありました。
「平和の女神像」は彫刻家の北村西望(せいぼう)が、昭和49年(1974年)に日中国交正常化を記念して建立しました。背景の樹木と一体化して、躍動感溢れる感じが良いですね。

北村西望(1884-1987年)
明治から昭和にかけて活躍した日本の彫刻家。東京美術学校(現東京藝術大学)で高村光雲に師事し木彫を学ぶ。ブロンズ彫刻の分野で独自の境地を開拓し、日本の近代彫刻界を牽引しました。
代表作は長崎市の平和公園に建立された「平和祈念像」。文化勲章受章者であり、戦後の日本美術界において多大な功績を残しました。

飛鳥山公園(東京都北区)

子供が遊べるスペース「こどもらんど」の一角には、蒸気機関車・D51 853号機が展示されています。
昭和18年(1943年)以来全国5か所の機関区で使用され、昭和47年まで活躍した機関車だそうだ。

隣にはもう一台、昭和24年製のレトロな雰囲気の都電の車両が展示されていました。

「渋沢史料館」かつて飛鳥山には渋沢栄一の邸宅があった

飛鳥山公園 渋沢史料館(東京都北区)

飛鳥山の歴史を語る上で重要なことがもう一つ。それは、かつて渋沢栄一の邸宅があったことです。

渋沢栄一は設立に尽力した王子製紙の工場を眼下に見ることができる飛鳥山を、邸宅地として選びました。
建てた邸宅には明治34年(1901年)から亡くなる昭和6年(1931年)まで、家族との生活の場としても使用されました。

渋沢栄一(1840年-1931年)
明治から昭和初期にかけて活躍した、埼玉県深谷市出身の実業家・社会事業家。
尊王攘夷運動への参加後に一橋慶喜に仕え、幕臣として渡欧。帰国後は明治政府に出仕し、大蔵省で財政改革を担当。
その後実業界に転じ、第一国立銀行をはじめ約500もの企業の設立・育成に関わる。「日本資本主義の父」と称される一方で、教育・福祉などの社会事業にも尽力しました。

飛鳥山公園 渋沢史料館(東京都北区)

邸宅の建物は、残念ながら昭和20年の空襲で大部分が焼失しています。
公園内には「渋沢史料館」があり、渋沢栄一の生涯と事業に関する資料が収蔵・展示されています。

飛鳥山公園 渋沢史料館(東京都北区)

資料館の展示室。
年齢毎に展示物されている資料により、91年間におよぶ渋沢栄一の生涯を辿ることができます。

飛鳥山公園 青淵文庫(東京都北区)
青淵文庫

そして、幸いにして邸宅に関連する2つの建築物が残っています。

一つはこちらの大正14年(1925年)に建てられた「青淵(せいえん)文庫」で、渋沢栄一の80歳のお祝いと男爵から子爵への昇格祝いを兼ねて寄贈されたものです。
贈物が建物とはさすがビッグは違いますね!

飛鳥山公園 渋沢史料館(東京都北区)
青淵文庫

青淵文庫は書庫や接客の場として使用されました。特徴的なステンドグラスなど、凝った内装が印象的です。
外観は無料で見られますが、資料館に入館すると建物内の見学もできます。

飛鳥山公園 渋沢史料館(東京都北区)
晩香廬

もう一つの建物は大正6年(1917年)に建てられた「晩香廬(ばんこうろ)」で、渋沢栄一の喜寿を祝って贈られた洋風の茶室です。こちらも美しい建物ですね。

晩香廬と青淵文庫は国の重要文化財に指定されています。

飛鳥山公園 渋沢史料館(東京都北区)
晩香廬

こちらも内部が見学できます。暖炉があるのが印象的でした。

飛鳥山公園 渋沢史料館(東京都北区)

飛鳥山観光案内所。
渋沢栄一を題材にしたNHK大河ドラマ「青天を衝け」が2021年2月からスタートします。それにあわせて、公園内の「北区飛鳥山博物館」には期間限定で大河ドラマ館が開設されています。

*大河ドラマ館が現在は終了しています。

渋沢史料館

公式ページ
住所:東京都北区西ヶ原2-16-1(GoogleMapで開く) *飛鳥山公園内にあります。
開館時間:10時~17時
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館)、祝日直後の平日、年末年
入館料:一般300円、小中高100円

江戸時代に歌川広重が描いた名所江戸百景を、現在の写真や地図と対比して解説したガイドブック。
東京歩きが楽しくなる1冊!

飛鳥山公園の詳細情報・アクセス

飛鳥山公園

公式ページ
住所:東京都北区王子1-1-3(GoogleMapで開く
アクセス:
電車)
・JR京浜東北線「王子駅」(中央口か南口)から徒歩すぐ。
・東京さくらトラム(都電荒川線)「飛鳥山」「王子駅前」から徒歩すぐ。
・東京メトロ南北線「王子駅」(1番出口)から徒歩3分。
車)
・首都高速「王子南IC」から下りてすぐ。
・併設の有料駐車場あり(大型3台、普通車19台、身障者用3台)。

王子のランチは事前予約やクーポン利用で、並ばずお得に!!

飛鳥山公園に出かけてみませんか?

桜の名所として知られる飛鳥山公園は、とても歴史のある公園であることを改めて感じました。

また公園内には見るものも結構あり、今回紹介した博物館は渋沢史料館だけでしたが、その他にも北区飛鳥山博物館・紙の博物館とあわせて3つの博物館があるんですよ。
子供用の遊具のある広場などもあり、花見だけじゃなく、家族連れから歴史好きまで様々な楽しみ方がある飛鳥山公園に出かけてみませんか?

記事の訪問日:2021/3/23

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