東京の秋の季節を楽しむなら、北区にある旧古河庭園はバラと紅葉一緒に楽しめてオススメですよ!
武蔵野台地の上に建てられた洋館を中心に、洋風と和風のそれぞれ一流の庭の設計者が作り出した起伏のある風景が楽しめますよ。
ゆったりと優雅な時間が過ごせる素敵なスポットをご紹介。
目次
旧古河庭園について
近場での紅葉スポットを探していたところ、東京都北区の旧古河庭園は紅葉もバラも楽しめるというではないですか。なんとオイシイ!
旧古河庭園には一度行ってみたいと思ってましたので、週末に出かけてみました。
旧古河庭園がある場所は、元々、特に外務大臣としての活躍で知られる明治期の政治家・陸奥宗光(むつむねみつ)の宅地でした。
後の大正6年(1917年)、古河財閥3代目当主・古河虎之助により現在のような邸宅として整備されました。
昭和になり国有財産となってからは昭和31年(1956年)に都立公園として開園、平成18年(2006年)には国の名勝に指定されています。
約3万m2の敷地の高台に洋館があり、その向かいに洋風庭園があります。
そして、低地部には日本庭園が配置されています。
『大正時代の洋館とバラ園』
ジョサイア・コンドル博士の設計
洋館というと横浜山手の西洋館なんかが思い浮かびますが、東京都の北区にもこんな立派な西洋館邸宅があったんですねー。
洋館と洋風庭園の設計はイギリスの建築家・ジョサイア・コンドル氏によるものです。
ジョサイア・コンドル(1852~1920年)
建築学教授として明治時代に来日して、明治政府関連の建物の設計を手がけました。
多くの日本人建築家を育成し、明治以後の日本建築界の基礎を築いた人物。
旧岩崎邸庭園洋館、鹿鳴館、ニコライ堂なども設計しています。
ジョサイア・コンドル氏は日本人の奥様を持ったとともに、日本文化への造詣も深かったそうですよ。
バラ園がある洋風庭園側から見た洋館です。
真ん中の通路を挟んで、左右対称の洋風庭園が造られています。
ちなみに洋館内は大谷美術館として公開されており、有料で見学できます。
邸内にはホール・ビリヤード室・書斎・応接室・小食堂・大食堂の他、関連の展示コーナーがあります。
喫茶利用もでき、こちらは入場料無しで利用できます。
1階は洋風で、2階の生活空間は和風の和洋折衷の造りでした。
館内の撮影はNGにつき、写真はありません。
「美しいバラと洋館の組み合わせ」
バラ園には約90種180株のバラが植えられています。
やはり洋館とバラの組み合わせは、ベストマッチといっていいでしょうねえ。
洋館は高台にあります。
これは、武蔵野台地だった地形をそのまま生かした立地なのだそうだ。
バラ園で一番気に入ったバラはこちら。
ビロードのような質感を持つ気品ある「黒真珠」。
春のバラ園では見れない光景ですねえ。
本日天気も良く、多くの入場者で賑わっていました。
『地形を生かした日本庭園と紅葉』
「庭園設計者は小川治兵衛」
日本庭園は、西洋庭園からかなり下った窪地に造園されています。
これも元々の自然の地形が生かされているそうです。
台地と谷って感じの全体の地形ですよ。
日本庭園の方は、日本庭園の名人である小川治兵衛氏の作になります。
小川治兵衛(1860~1933年)
近代日本庭園の先駆者とされる作庭家。
京都の庭師植治と呼ばれ、園界に多大な貢献をした人物。
山県有朋の京都別邸・無鄰菴(むりんあん)、平安神宮神苑、円山公園、南禅寺界隈の財界人の別荘庭園などを作庭している。
しかし、名だたる名人たちを集め贅を尽くして造られてますな、ここの邸宅とお庭。
紅葉は秋が深まるともっと進むのかなとも思いますが、所々良い感じに色付いており楽しめました。
赤と黄色が絡んで作り出すコントラストも良かったですよ。
「心字池」 庭園中心部
日本庭園の中心には「心字池」があります。
心字池は「心」の字に似せて造った池ですが、心の文字に似ているか?は歩いてみても正直良く分かりませんねえ(苦笑)。
水面に映る紅葉した木々が美しいですね。
色付いた水面に鴨たちがくつろぎます。
「大滝」 丘陵で幽玄を表現
庭園の一角にある「大滝」は、庭園設計の中でも特に力は入った部分だそう。
元々の台地と低地の斜面を生かして造られた滝で、全長は20m、滝壺までは8mの高さがある。
若干奥まった所にあり、やや遠目での鑑賞。
庭園内の所々に置かれた大きな灯籠がアクセントとなっており、庭園の木々を引き立てています。
こちらは「泰平型(たいへいがた)灯籠」と呼ばれる灯籠だそう。
名前の如くどっしりとした形が特徴で、笠の縁部分も角ばって竿は太く節も3つある。
全体的にゴツい形状。
こちらの「雪見型灯籠」は庭園で良く見かける形のような気がしますが、大きさはでかい!
こちらは「崩石積」と呼ばれる技法で、石同士が噛み合って崩れない様が美しいとされるそうです。
基本情報・アクセス
旧古河庭園
公式ページ
住所:東京都北区西ヶ原1-27-39(GoogleMapで開く)
開園時間:9時~17時(入園は16:30まで)
入園料:一般 150円、65歳以上 70円、小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料
※洋館は別途入館料発生
休園日:年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)ほか
アクセス:
電車)
・JR京浜東北線「上中里駅」下車、徒歩7分
・JR山手線「駒込駅」下車、徒歩12分
・東京メトロ南北線「西ヶ原駅」下車、徒歩7分
・都電荒川線「飛鳥山駅」下車,徒歩18分
・北区コミュニティバス(王子・駒込ルート)乗車、JR「駒込駅」より5分・JR「王子駅」より20分、「旧古河庭園」下車
車)駐車場無し
庭園は見方が分かるともっと楽しい!
全国の名園40庭を中心に、初心者にもわかりやすく庭園の見方が解説されてます。
旧古河庭園に出かけてみませんか?
秋の旧古河庭園を紹介しましたが、いかがでしたか?
洋館の中で優雅なティータイムを過ごすこともできるのですが、キッチンカーでコーヒーを購入してテラスで(リーズナブルに)一息入れました。
素晴らしい洋館があり絵になる風景の中、天気も良く清々しい秋の季節感を感じることができた週末の一日でした。
秋の旧古河庭園に出かけてみませんか?
記事の訪問日:2022/11/19
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