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延喜式内社「玉敷神社」は、久伊豆神社の総本社でもある古社【埼玉・加須市】

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埼玉県加須市に鎮座する「玉敷神社」は飛鳥時代の創建と伝わる歴史ある古社で、平安時代の延喜式神名帳にも記載がある由緒ある神社です。
また、埼玉県内を中心とした荒川流域には久伊豆神社が多く分布しますが、玉敷神社はその本社であるともいわれています。

落ち着いた境内をめぐりながら、玉敷神社の歴史や四季折々の季節感の楽しみ方を紹介します。

目次

「玉敷神社」 騎西城城下にあった延喜式内社

玉敷神社は平安時代の延喜式内社

玉敷神社(埼玉県加須市)

玉敷神社のある加須市は関東平野の真ん中あたりにあり、豊かな田園風景が多く見られる街です。都心から電車で1時間あまりの場所ですが、のんびりとした空気が流れています。
玉敷神社も田畑に隣接した、静かなエリアにありました。

参道入口に立つ石標に”延喜式内”とあるとおり、玉敷神社は平安時代の延喜式神名帳にも記載のある由緒ある神社です。

延喜式内社とは?
延喜式内社は、平安時代に編纂された「延喜式」の神名帳に記載された神社を指します。
10世紀初頭に朝廷が公認した由緒ある全国2,861社、3,132座の神社であり、当時の国家神祇祭祀において重要な役割を担っていました。

騎西城城下にあった神社

玉敷神社(埼玉県加須市)

真っすぐ続く参道は、緑が多くて気持ちが良いです。

元々の玉敷神社の創建地は、今より少し北の正能村(現加須市正能)にありました。鎮座地が何度か移転していますが、それにはかつてこの地にあった騎西城と関係しています。

騎西城と玉敷神社について
騎西城は戦国時代初期に、古河公方と関東管領上杉氏の対立において築城されました。

戦国時代後期に入ると小田原北条氏(後北条氏)と越後の上杉謙信の争いの渦中の城となり、天正2年(1574年)には上杉謙信による焼き討ちに遭います。
玉敷神社もその戦火による被災を受け、残念ながらその際に社殿をはじめ古記録・宝物などが消失しています。

徳川の時代になると、鎮座地は根古屋村(現加須市根古屋)の騎西城大手門前に遷座・再建されましたが、その後の1627年頃に現在の鎮座地に移転され今日に至っています。

大黒像がいらっしゃる参道

玉敷神社(埼玉県加須市)

参道の所々でお見かけするのが、七福神の一人である大黒様の像。
玉敷神社の主祭神である大己貴命(おおあなむちのかみ)は、大国主神(おおくにぬしのみこと)の別名をお持ちで大黒(=大国)様に結びついています。

玉敷神社(埼玉県加須市)

小判ザクザクの大黒像もいらっしゃり、本日は財運福徳のご利益が頂けそうな予感を感じつつ先へ進みます。

玉敷神社(埼玉県加須市)
天神社

境内社「天神社」には、学業・学芸の神様である菅原道真公が祀られています。

この祠には、扉や鍵も壊す賽銭泥棒対策の注意書きが掛かっていた。罰当たりの泥棒め!賽銭泥棒なんて世も末だな。。。

「旧河野邸跡」 神道研究家・河野省三氏の屋敷跡

旧河野邸跡(埼玉県加須市)

天神社の向かいには、地元出身の偉人である河野省三(こうのせいぞう)氏が住んでいた「旧河野邸跡」があります。河野氏は社司を務めるなど、玉敷神社にもゆかりのある人物。

建物は高麗門が残っている程度で、敷地内は芝生広場を中心に、シダレザクラやアジサイや藤などの季節の草木が植えられています。

河野省三(こうのせいぞう)(1882-1963年)
騎西町(現加須市騎西)出身の教育者・神道研究家。
・明治15年(1882年)に騎西町の神官の家に誕生。国学院大学で国語・漢文・歴史を学ぶ。明治36年(1903年)に同大学を卒業後、玉敷神社社司を務めるかたわら、母校の埼玉中学校の教師となる。
・大正4年(1915年)からは国学院大学・曹洞宗大学(現駒澤大学)・日本大学・東京文理科大学(現筑波大学)等で教鞭をとる。昭和10年(1935)には、国学院大学出身として初の学長に就任。
・長年にわたり神道と国学の研究に取り組み、膨大な著作物を世に著した。昭和36年(1961年)にはその業績が称えられ、紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受章しています。

飛鳥時代に多治比真人三宅麿が創建

玉敷神社(埼玉県加須市)

鳥居とその先の社殿が見えてきました。

玉敷神社(埼玉県加須市)

おっ!鳥居の足元に砂で作られた猫がいました。可愛いですね。しばらく雨が降らないと良いなあ。

玉敷神社(埼玉県加須市)

境内入って正面にある拝殿は、明治31年(1898年)に築造されたもの。

玉敷神社は大宝3年(703年)に、飛鳥時代の貴族である多治比真人三宅麿(たじひのみやけまろ)により創建されたと伝わります。

玉敷神社(埼玉県加須市)

祭神は国土開拓・国造りの神で、縁結び・医療・農業・商業の守護神ともいわれる大己貴命。
人々の暮らしと繁栄を支える御神徳を持ち、出雲大社の主祭神として広く信仰されています。

玉敷神社(埼玉県加須市)

あっ、可愛いな。分かりやすい説明、ありがとうございます!

玉敷神社(埼玉県加須市)

拝殿正面を大正時代の狛犬が固めていました。

江戸時代築造の本殿が残る

玉敷神社(埼玉県加須市)

横側から見た社殿で、左手が拝殿で右手が本殿。
本殿は拝殿よりも古く、江戸時代の文化13年(1816年)に建造されたものです

玉敷神社(埼玉県加須市)

本殿周囲の彫刻は、江戸名工である5代目後藤茂右衛門の作といわれます。
派手さは無いですが、流れるように梁に彫られた彫刻などに繊細さを感じました。

玉敷神社(埼玉県加須市)

拝殿と本殿をつなぐ幣殿には寺院で見られるような花頭窓があり、神仏習合時代の名残を感じさせます。

玉敷神社は久伊豆神社の総本社!?

玉敷神社(埼玉県加須市)

玉敷神社は江戸時代までは久伊豆大明神とも呼ばれ、「騎西の明神様」として広く親しまれました。
現在県内を中心に伊豆神社が多くありますが、実はそれらは玉敷神社の分霊により建立されたものだそうです。

従って玉敷神社は久伊豆神社の総本社的な存在となりますが、社名に久伊豆が入っていないため、これは案外知られていないんじゃないですかね

久伊豆神社の分布について
久伊豆神社の分布には特徴があり、それは元荒川流域を中心に数多くあるという点。
これは中世に勢力を伸ばしていた武士団「私市党(きさいちとう)」が、その勢力領域内に信仰を広めたことと関係するといわれています。

「御神木」 町の天然記念物の大イチョウ

玉敷神社(埼玉県加須市)

境内には市の天然記念物に指定されている、2本の大イチョウがあります。
それぞれ本殿の脇と神楽殿の脇にあり、ともに推定樹齢は500年。大きさは両方とも樹高約30m、幹回りは5~6m。さらに根張りは15mというのも凄い!

玉敷神社(埼玉県加須市)

途中から三本に分かれている本殿脇の大イチョウは樹齢500年の老木にも関わらず、まだまだ旺盛な生命力を感じさせます。

玉敷神社(埼玉県加須市)

社殿裏手に回ると「御神木の根っこに持ち上げられてブロックが倒壊」の貼り紙が。。。有り余る御神木パワーを見せつけられました。

「神楽殿」 無形民俗文化財の神楽

玉敷神社(埼玉県加須市)

社殿向かって左手には、趣きのある茅葺き屋根の「神楽殿」があります。こちらは天保7年(1836年)に建立されたもの。

ここで奉納される「玉敷神社神楽」は、国の指定無形民俗文化財に指定されています。
400年以上の歴史を持つ舞は江戸神楽の原型を伝えるものといわれ、祭礼の折に年4回奉奏されます。

無形文化財の保存は後継者作りが大変だと聞きますので、その点ではご苦労があるのかもしれませんね。

「宮目神社」 延喜式社の地主神

玉敷神社(埼玉県加須市)
宮目神社

摂社と境内社は全部で10社あります。

本殿裏手にある「宮目(みやめ)神社」は、玉敷神社がこの地に移ってきた1620年頃には既に鎮座していた地主神なんだそうです。
しかも玉敷神社とは別に、宮目神社も延喜式に記載のある延喜式内社なんですって。境内に延喜式内社が2社もあるなんて、なかなか凄いですね。

玉敷神社(埼玉県加須市)
八坂社

「八坂社」には素盞嗚命(すさのおのみこと)が祀られます。こちらの八坂社も、江戸時代には既にこちらに鎮座していたとのこと。

玉敷神社(埼玉県加須市)
八坂社

祠の中には夏祭りで披露される神輿が納められていました。

樹齢400年の大藤のほか、四季折々の季節感が楽しめる

玉敷神社の参拝で出会える、四季折々の季節模様を紹介します。

玉敷公園の大藤

玉敷公園の大藤(埼玉県加須市)
大藤の開花の様子(2022年4月)

神社に隣接して玉敷公園がありますが、ここは元々は玉敷神社の神苑だった場所です。
玉敷公園には玉敷神社に奉納された樹齢400年の大藤があり、県の天然記念物に指定されています。
開花の季節には多くの花見客で賑わうスポットです。

玉敷公園のアジサイ

玉敷公園のアジサイ(埼玉県加須市)
アジサイの開花の様子(2021年6月)

フジの季節が終わった後の玉敷公園では、引き続きアジサイの季節を迎えます。
玉敷公園と騎西総合公園、騎西文化・学習センターを結ぶ約1.5kmの遊歩道を中心に、一帯で約1万本のアジサイが楽しめるのでこの季節の訪問もオススメです。

玉敷神社のイチョウの絨毯

玉敷神社(埼玉県加須市)
2024年12月の様子

秋になると境内にはイチョウの葉の絨毯が現われ、一面が黄金色に染まります。
この時期も季節感が感じられて良いですよ!

玉敷神社の御朱印

玉敷神社(埼玉県加須市)

藤をあしらった御朱印を書置きで頂きました。用紙も繊細な模様入りの趣きのあるものでした。

神社に参拝に行くと、神々についてや神社施設の呼び名・役割について知りたいけど、聞ける相手もいない!
ってことありません?そんな時、網羅範囲が広い本書は結構頼もしいですよ!

玉敷神社の詳細情報・アクセス

玉敷神社

公式ページ
住所:埼玉県加須市騎西552番地1 (GoogleMapで開く
電車)
・東武伊勢崎線「加須駅」から、鴻巣駅行き又は免許センター行きバスで「騎西一丁目」下車、徒歩約7分
・JR高崎線「鴻巣駅」から、加須駅行きバスで「騎西一丁目」下車、徒歩約7分
車)
・公園駐車場が約30台分あり

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玉敷神社へ参拝に出かけてみませんか?

自然に囲まれた環境にあり、歴史を感じられる玉敷神社の参拝を紹介しましたが、いかがでしたか?
季節感を感じられるスポットでもあるので、季節毎に訪問する楽しさもありますよ!

そんな玉敷神社に参拝に出かけてみませんか?

記事の訪問日:2022/4/23

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