
人気の「日光東照宮」、実は色々不思議と謎に満ちたスポットだって知ってますか?
江戸時代の絵師・狩野探幽と徳川家の参謀・天海僧正が造ったミステリアスな秘密を現地を歩きながら紹介!
知れば知るほど何度でも足を運びたくなる東照宮の魅力を紹介します。
世界遺産 日光の社寺について

ここには国宝9棟、重要文化財94棟の計103棟の建造物群が含まれています。とても見どころ満載のスポットです!
二社一寺は一帯に固まっているので、比較的効率よく移動できます。
とはいえ、人気の観光エリアなので、季節によっては非常に混雑する事を考慮しての訪問が良さそうですよ。
『東照宮』 見どころ多く予備知識をもって出かけたい

日光東照宮は、改めて見るべきポイントを探ってみると、結構隠された見どころが色々見えてきます。
「ああ、見逃したなあ。。。」とならない様に、色々情報をインプットして出かけてみましょう!
まずは、日光東照宮の起源です。
- 元和2年(1616年)4月17日:徳川家康公は、駿府城(現、静岡県)で75歳の生涯を終えた。直ちに久能山に神葬された。
- 元和3年(1617年)4月15日:一年後、御遺言により久能山より日光山の地に移され、お祀りされた。
- 元和3年(1617年)4月17日:正遷宮が二代将軍・秀忠公をはじめ、公武参列のもと厳粛に行われ、東照社として鎮座した。
ちなみに、現在の社殿のほとんどは、三代将軍・徳川家光公によって建て替えられたものです。
それにしても。。。、久能山(静岡県)で埋葬された後、なぜわざわざ日光に移されたのですかね?なぜ日光だったのですかね?
そんな疑問をちょっと抱きつつ、見学してきました。
『東照宮参道の見どころ』 石鳥居・五重塔

参道には「ここは634m、東京スカイツリーと同じ高さ」という看板が参道にあります。
日光山といわれるだけあって、結構高い位置にあるんですよね、東照宮。
この先も結構地形のアップダウンを生かした造りになっているので、訪問時は是非歩きやすい靴で!
これは九州筑前藩主・黒田長政公により奉納された鳥居で、材質は花崗岩。
はるばる船と陸路を駆使して九州から運んだ、15個の石材を組み合わせて造られています。
おっと、いきなり徳川の威厳を感じる建築物のお出ましですね。

鳥居を抜けると「五重塔」が現れます。
若狭の国(福井県)小浜藩主・酒井忠勝公の奉納物です。(現存物は、同藩主・酒井忠進公により再建されたもの)。
ピンピカな派手さは無いですが、凛とした佇まいを感じます。
当時の構造技術は地震・強風による振動の抑制効果があり、東京スカイツリーの耐震システムにも応用されているそうですよ。まさに温故知新!
スケールの大きい奉納物を楽しみながら参道を進んで行くと、境内入り口に到着。
『日光東照宮拝観』 エキセントリックな世界ヘ!
「表門」 拝観入口

「表門」は、日光東照宮の建築美が創り出す、異空間への入口です。
とともに、現実世界では入場料を払う所でもあります(笑)。
宝物館入館券とのお得なセット券もあるので、予定に合わせて入場券をチョイスしましょう。
表門は両側に仁王像が納められており、仁王門とも呼ばれます。
「上神庫」 奇妙な象!?

表門をくぐると、さっそくきらびやかで不思議な装飾に彩られた建築物に目を奪われます!
こちらには「上神庫」「中神庫」「下神庫」という三つの建物が並び、「三神庫(さんじんこ)」と総されています。
馬具や装束類が納められている建物です。

「上神庫(かみじんこ)」の屋根下には、江戸時代の絵師・狩野探幽が下絵した彫り物があります。
この動物、一体なんだ?って思いません?。
これ、実物の象が見れなかった為、想像で書かれた象だそうです。
現実の象を知る我々からすると、エキセントリックな動物に仕上がっていますね!
日光東照宮の彫刻全般にも関わっており、高い技術を駆使して独特の世界観を作り上げています。
「三猿」 三猿だけじゃない!

三神庫の向かいにある「神厩舎(しんきゅうしゃ)」。
神馬をつなぐ厩(うまや)で、「見ざる聞かざる言わざる」を示す「三猿」の彫刻で有名な建物です。
猿の彫刻は8面に分かれて、16匹の猿の姿で人の一生が描かれています。辿ってゆくと、とっても深~いものが感じられます。

こちらが、三猿。
学生時代に修学旅行で来た際は、「こちらが三猿で~す」で流された気がします。
三猿は有名なのですが、でもね、8面セットでじっ~くり眺めて見ると、さらに感慨深いものを感じるんですね!

私が気になったのは、こちらの「夫婦で人生の荒波に揉まれる」の場面ですかね(笑)。
ある意味、とっても分かり易い描写。
「陽明門」 きらびやかに蘇る

青銅の鳥居が現れます。
鳥居の先、中央に見えるのが「陽明門」。左が「神輿舎(しんよしゃ)」 、右が「神楽殿」です。
手前の青銅の鳥居と陽明門を中心として結んだ上空に、北極星が来る様に配置設計されているといわれます。
これは昼間見学しても気が付けない部分、ですね。事前の知識を持っていると、ちょっと空を見上げて見たくなります。
いずれにしても、昼間は北極星は見えないですけどね(苦笑)。

日光東照宮を代表する、シンボル的な建造物といえば、この国宝「陽明門」。
日光東照宮髄一の煌びやかで豪華な建造物です。
陽明門は、4年の歳月をかけて行われた、44年ぶりの平成の大修理を2017年3月に終えています。
当初の鮮やかさを取り戻し、まさにその名の通り、陽の光を浴びて明るく鮮やかに輝いていました。

陽明門には、霊獣の彫り物が所狭しとビッチリ配置されています。
霊獣とは、古代中国神話上の架空の動物たちです。

いや~、霊獣達は一様に食って掛かってきそうな、こわもてな面構えです。
ですが。。。、彼らは本当に平和な時にしか現れないと、言われています。実は縁起の良い生き物らしいですよ!

同じ種類の霊獣でも口の開け方が違ったり、それぞれ別の表情になっているのがわかりますか?
細部にこだわった造りであることがわかります。

人物の彫刻は中国故事の逸話や子供の遊び、聖人・賢人などが描かれている様です。
穏やかで平穏平和な雰囲気が、醸し出されてますよね~。

門内部の天井に描かれている、狩野探幽作の龍の絵。
写真のものは「降龍」と呼ばれ、「昇龍」もあります。
門を通り抜ける時にしか見れないので、見逃しに注意!
「唐門」 古代中国の思想を反映

陽明門を抜けて進むと、もう一つの印象的な建造物・国宝「唐門(からもん)」が現れます。
本堂の正面に構える重要な門です。
陽明門の後だと、一見大人しい印象にも映りますが。。。、つぶさに見ると、凝った造りの彫刻が施された美しい門です。
この門は、江戸時代には位の高い家臣や大名のみが通過を許されました。

陽明門は霊獣達で装飾されてたのが特徴でしたが、唐門は人物の彫刻が中心になっています。
写真の彫刻は、中国神話に登場し名君と言われる舜帝(しゅんてい)に、臣下が拝謁している様子だそう。
古代中国の儒教の影響を受けていることが示されています。
ちなみに、この舜帝の顔は、家康に似せて作られていると言われてるんですよ~。

”礼を重んじて仁義を実践し、上下の秩序を守ること”を唱えた考え方です。
徳川家はこれを国学として取り入れ、この思想が江戸時代が約260年間も続いた拠りどころの一つとなっています。

「眠り猫」 実は寝たふりか!?

陽明門の脇から本社を取り囲んで続く「回廊 (かいろう)」。
ここには、1枚の板から掘り出した花や鳥の彫刻が全部で25枚あり、国宝指定されています。
こんな複雑な彫刻が、1枚の板から掘り出されているなんて!
江戸時代の木彫り装飾の技術は凄い!と感じます。

はい、お待たせしました。
唐門の脇を抜ける門の上方に日光東照宮の代名詞の一つ、国宝「眠り猫」の木彫りがあります。
しかしながら。。。角度を変えて見みると、薄っすらと目を開けてる様に見えるともいわれます。
”何かあれば飛び掛かれる態勢で、家康公を守っている”説があるそうなんです!
本当に寝ているか?行かれた際には、皆さんも是非確かめてみて下さい。

こちらには雀達が楽し気に遊ぶ彫り物があります。
これは天敵の猫がうたた寝して襲ってこない様子から、世の中の平和を象徴しているそうですよ!深いなあ。。。
こんな状況設定も事前に知っておくと、見学の楽しみが増えますよね!
「奥宮」 家康公の墓所

眠り猫のある門の先を進むと、やがてその先に石段を迎えます。
この207段の石段の先に、「奥宮(おくやみ)」と呼ばれる家康公の墓所があります。

「奥宮」の青銅鋳物(いもの)で作られた門。
一部に金の装飾が施されていますが、御本社周辺の煌びやかな建物とは対照的。厳かで厳粛な雰囲気が漂います。
一帯も独特の空気感に満ちており、思わず背筋が伸びますわ!

「奥宮」が一般に公開されたのは1965年からで、それまでほとんど人が立ち入らない聖域でした。
この墓所こそが日光東照宮の存在意義でもあるはずですが。。。実のところ、この御宝塔は一度も開けられたことがありません。
それ故、本当に家康の遺骨が収まっているのか?確認されたことも無いそうです。
まあ、魂を祀るという観点では、遺骨の有無はさほど重要ではない気もしますが、ミステリアスな部分としてピックアップしておきます!
「鳴き龍」 不思議体験!

本堂傍の「本地堂(薬師堂)」も見逃せない不思議スポットです。
拍子木を叩くと、他の場所ではカーンという音がします。
ところが、巨大な龍の顔の下だけは、そこだけ独特の残響音を伴うキーン、キーンという音がします。
それが龍が鳴いている様な音と称されています。
音の反射の具合によるものなんでしょうが、「おおっ!」と唸る現象でした。いや、本当に不思議なんですよ~。


これ、徳川家紋の葵の紋の上下の向きが、誤って逆さについているんです!
「逆紋の廻り灯籠」と呼ばれています。
とても立派な灯籠なのですが。。。、やっちまいましたね。
東照宮の謎解きのヒントとは!?

最後に、「なぜ家康公の墓所が、わざわざ久能山から移されたか?」「それがなぜ日光だったのか?」。そんな謎へのヒントを少し記しておきます。
実は、日光東照宮には、現地でも分かり辛い地図上の不思議があります。
- 葬儀の行われた久能山と日光東照宮を結ぶと、直線上に富士山が重なる
- 日光東照宮は、ほぼ正確に江戸の真北に位置する
などです。
徳川将軍三代にわたって参謀を務めた天海僧正は、自然界の陰陽を取り入れる陰陽道に精通してました。
それにより、緻密な配置設計により日光東照宮を創設したと言えます。
※陰陽道:中国の陰陽説・天文学に影響を受けた日本独自の”気学”。

そんなことでどうやら、江戸幕府の背後には不死 (富士=不死) の神として生き続ける家康公がいるぞ、と。江戸の真北で睨みを効かせているぞ!とそんなメッセージが読み取れそうです。
境内マップ、基本情報・アクセス

住所:栃木県日光市山内2301(GoogleMapで開く)
拝観料:
[日光東照宮単独拝観券]大人・高校生:1,300円、小・中学生:450円/[セット料金(東照宮拝観券+宝物館入館券)]大人・高校生:2,100円、小・中学生:770円/[宝物館入館料]大人・高校生:1,000円、小・中学生:400円/[美術館入館料]大人:800円、高校生:600円、小・中学生:400円
アクセス:
電車)
・浅草~東武日光(特急けごん):所要時間 約1時間50分
・浅草~下今市~東武日光(特急きぬ+各駅停車):所要時間 約1時間50分
・浅草~東武日光(東武鉄道快速):所要時間 約2時間5分
・新宿~東武日光(JR特急日光):所要時間 約2時間
・宇都宮~日光(JR日光線):所要時間 約45分
車)
・東北自動車道宇都宮ICから日光宇都宮道路を経て、日光ICで下りる。日光ICから約2km。
![]() | 価格:946円 |

日光東照宮へ出かけてみませんか?
日光東照宮を御紹介しましたが、いかかでしたか?
「日光東照宮、昔行ったよ!」そんな方でも、また視点と気分を変えて久しぶりに出かけてみませんか?
新しい視点での東照宮が見えて、何度でも出かけてみたくなると思いますよ。私みたいに!

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【記事の訪問日:2020/11/13】