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茨城県にある息栖神社は、鹿島神宮・香取神宮と共に東国三社に数えられます。
三社の中では一番小さな神社ですが、最も水郷地域ならではの立地を感じさせます。
水辺には、日本三霊泉にも数えられる、古代昔から湧き続ける神秘的な井戸があります。
また境内の様々な木々からは、霊験あらたかな幸運パワーが頂けるとされます。
松尾芭蕉などの文化人も訪れている、息栖神社の歴史と見どころを紹介します。
『東国三社と息栖神社』

息栖神社は、鹿島神宮(茨城県)・香取神宮(千葉県)と共に東国三社(とうごくさんじゃ)の一つに数えられ、古くから信仰を集めていました。
江戸時代、関東以北の人はお伊勢参りの後、禊ぎの「下三宮巡り」と称して東国三社を参拝する風習もあったそうですよ。

息栖神社の創祀は、1700年以上前の応神天皇の御代と伝えられます。
古い歴史を持つ神社ですね。
古代のこの地域には香取海と呼ばれる内海が広がっており、元々はその沖洲が鎮座地だったそう。
平安時代になり現在地に遷座されたと伝わります。
それ以降も、水郷地帯における水上・海上の安全を守護する神社として信仰を集めています。
『息栖神社境内参拝』
「参道から神門へ」 石灯籠と桜

神門に向かって続く、明るく爽やかな感じの参道を進む。

参道の桜の本数は多くないですが、石灯籠とあいまって良い雰囲気だ。

境内入口に立つ「神門」は、江戸時代の弘化4年(1847年)に建替えられたもの。
「海上交通を見守る神々」

落ち着いて静けさに包まれた境内ですね。
現在の社殿は昭和38年(1960年)の建物。

主祭神のとして祀られている久那斗神(くなどのかみ)は、厄除招福・交通守護の神。
そして井戸の神だそうだ。
そして、相殿神の天乃鳥船神は交通守護、住吉三神は海上守護の神徳を持つとのこと。
やはり、海上・水上の交通安全に篤い神々が祀られているようですね。

社殿は江戸時代の享保8年(1723年)に建替えられたものがあったが、残念ながら昭和35年に焼失しているそうだ。

社殿の向かって左側にある御神木は、「鳥栖の夫婦杉」と命名されてます。
推定樹齢は約千年だって!

夫婦円満の御利益を頂いてゆきましょう。
「宮杉とみや桜」 三笠宮崇仁親王参拝記念

境内はそれほど広くは無いですが、花木などの自然の他、歴史を感じさせるものもあり目移りします。
昭和5年(1930年)に三笠宮崇仁(みかさのみやたかひと)親王殿下が御参拝されています。
こちら、記念樹の宮杉。

そして社務所前に植えられており、社殿前に枝を伸ばしている宮桜。
丁度開花の季節で、社殿を背景に花で参拝者を楽しませてくれてますよ。
「御衣黄」 珍しい緑の桜

社務所で「緑色の桜がありますよ~、見ていって下さいね!」と、わざわざ声をかけて頂いた。
こちら御衣黄(ぎょいこう)という珍しい桜。
気品を感じる花ですね。
そして、貴族の衣服の色に近いとされ付けられた、その花名にも趣あり。
「招霊の木、那岐の木」 パワーを頂く!

招霊の木はオガタマノキと読むそうで、モクレン科の木です。
意味深そうな木の名ですなあ。精霊の宿る木で、幸運パワーを頂けるとありますねえ。

1円硬貨の裏に描かれている木は、この招霊の木だといわれています。
親切にわざわざ1円玉現物が貼られてましたよ(笑)。

社務所脇には那岐(なぎ)の木。
風が止み海が穏やかになることをナギルというように、物事が円満に収まる”やわらぎパワー”を頂ける木だそう。
ありがたや、パワーを頂いて帰りましょう。
「芭蕉句碑」 鹿島で月見に

貞享4年(1687年)、松尾芭蕉は鹿島根本寺に月見で訪れています。おくの細道紀行よりも少し前の年ですね。
その際、鹿島神宮などとともに息栖地方にも足をのばし、その際に読んだとされる句の碑がある。
「この里は 気吹戸主(いぶきとぬし)の 風寒し」
気吹戸主は息栖神社の主祭神ですね。石碑はこの土地の俳人達によって建てられたものです。
境内には他にもこの地にゆかりの歌碑などがあり、文化人達の往来があったことが伺えます。
「力石・礎石」 繁蔵の力石

力競べに用いられた力石。
特に右側の大きい力石は「繁蔵の力石」と呼ばれます。
対岸にいた侠客である笹川の繁蔵が、自らの力を試すために使い奉納したものと伝わります。
五十貫余とあるんで約188kgですな。
手前の狛犬は、結構時代が古そうに見えますね。

本殿建て替え前の建物の礎石が置かれてました。
平安時代か江戸時代のいずれかのものらしいです。
「境内社」 鹿島神社、香取神社

境内社に鹿島神社、香取神社があります。
両神宮を回れない方は、こちらを参拝してゆきましょう。
『一の鳥居と忍潮井』 日本三霊泉

境内を参拝した後、順番が逆にはなりますが一の鳥居に向かいました。
境内入口から150m程離れた場所で、常陸利根川に向かって立っています。
かつて船で参拝者が訪れた時代の面影を感じますなあ。

それで、鳥居の両脇に「忍潮井(おしおい)」と呼ばれる井戸があるんですわ。
これは伊勢の明星井、伏見の直井とともに、日本三霊泉の一つに数えられるそうですよ!へえ~、って感じですね。
知らなかったなあ。
井戸は1000年以上前に造られたといわれ、今もこんこんと水が湧き続けています。
内海だった時代に海水中で発見され、飲み水や生活水として重宝されたそうです。神秘的ですねー。
こちらの背が高い石鳥居が立つ井戸は「男瓶(おがめ)」。
井戸の中には、白御影石製で銚子の形をした瓶(かめ)が納められています。

背の低い石鳥居が入っている井戸には、土器の形の瓶が入っており「女瓶(めがめ)」と呼ばれています。

一の鳥居が立つ場所は、かつて渡船場があった跡。
船着場はおきす(=沖洲)の津(港)と呼ばれ、水郷において大きな港の役割を果たしていたそうだ。
江戸時代はもとより、香取市の小見川大橋ができる昭和48年(1973年)までは、水上交通の拠点として利用されていたそうですよ。

そして船旅の途上で息栖の神社に立寄り、航路の安全と安泰を祈願した歴史が続いてきたわけですね。
御朱印

アクセス
息栖神社(公式ページ)
住所:茨城県神栖市息栖2882(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・JR総武線(成田廻り) 「小見川駅」下車、タクシーで10分
・JR鹿島線「鹿島神宮駅」または「潮来駅」下車、タクシーで20分
車)
・東関東自動車道「潮来IC」より15分、「佐原・香取IC」より20分
・約50台分の駐車場あり
息栖神社へ参拝に出かけませんか?

東国三社の一社である息栖神社を紹介しまたが、いかがでしたか?
広大な境内を持つ鹿島神宮・香取神宮と比べると小さな神社ではありますが、三社の中では一番水辺に近く、水郷と共にあった神社の存在感を感じます。
忍潮井にもとても神秘的なものを感じました。
息栖神社に参拝にでかけてませんか?
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