都心にも比較的近いわりに、自然豊かでハイキングスポットなども多い埼玉県日高市。
その日高市にある「巾着田(きんちゃくだ)曼珠沙華公園」は、日本一の曼珠沙華(彼岸花)の群生地といわれる花の名所です。
秋の花期を迎えると、美しい水が流れる高麗川沿いにある広大な敷地が、深紅に染まります。
満開の巾着田の曼珠沙華を、「曼珠沙華まつり」の様子などを交えながら紹介します。
目次
『巾着田』 500万本の曼珠沙華の自生地
巾着田の曼珠沙華とは?
飯能市・秩父郡横瀬町・比企郡ときがわ町の境界が接する、苅場坂峠(かりばさかとうげ)付近を源流とする清流・高麗川(こまがわ)。
この高麗川の蛇行により、長い年月を経てつくられた土地。
それが巾着(きんちゃく)の形に似ていることから、巾着田(きんちゃくだ)と呼ばれるようになりました。
その地形は、近隣の日和田山(ひわださん)に登ると、その形を見渡すことができます。
日和田山は標高305mの低山で、ハイキングがてら気軽に登れる山として人気ですよ。
そんな巾着田周辺の高麗川岸辺は、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)の群生地として知られます。
堤防状になった川岸に、巾50m程の花地が約600mも続いており花数は500万本!
その規模は全国的に見ても最大級といわれます。
そんな巾着田に、「曼珠沙華まつり」開催中の花真っ盛りの時期に訪問しました。
前から一度来てみたかったんだよね、ってことでゆっくり見れそうな平日に訪問しました。
10時ごろに到着しましたが、平日でも結構な人出だわ!休日はかなり混みそうだな。
特に車の訪問の際は、入口付近は混むので早めの到着をオススメしたい。
「下流エリア」 あいあい橋が目印
花期に発生する入場料を払って、園内へ入場。
お~、見事に真っ赤に染まった曼珠沙華のカーペットですね!
所々に立つ二セアカシアの木々が、まるで高原にでも来たような雰囲気を醸しだしてくれます。
良い感じですね~。
ちなみに、天皇皇后両陛下も平成29年(2017年)に訪問され、満開の曼珠沙華を観賞されています。
改めて、曼珠沙華という花の特徴について。
曼珠沙華は、中国原産国の多年草です。
花名の由来は、インドの古代語であるサンスクリット語で”天界に咲く花”という意味だそう。
赤い花が天から降ってくるという、仏教の経典からきているらしいですね。
別名は彼岸花(ひがんばな)。
秋のお彼岸の時期の数週間だけ咲く、という性質からつけられました。
曼珠沙華は花期になると葉もつけず、スッと伸びた茎に鮮やかな花だけをつけます。
花が終わると今度は葉が伸びて、青々としたま冬越しする、っていうのだから変わってますよねぇ。
球根に毒を持つことから、墓地にモグラや野ネズミ除けとして植えられる習慣もあったそう。
妖艶な花姿のみならず、あの世に通じやすい時期や場所で見かけやすい、というミステリアスな面を持った花なんですわ。
そんな曼珠沙華の花言葉は、情熱、悲しい思い出、独立、再会、あきらめ、などだそうですね。
園内の群生地は、下流と上流のエリアに分かれています。
まずは、下流エリアからの見学になります。
広大な範囲に広がる、曼珠沙華の花に圧倒されますわ。
巾着田の曼珠沙華は、主に自生したものらしいんですよ。
川の上流から球根が流され群生したのでは、といわれます。
また、畔道に植えられたものが洪水のたびに流出し、現在の群生地に流れたものとも考えられます。
レイアウトは、長く続く群生地を外側から鑑賞する形が多い。
人が映らない構図の写真が撮りやすいですね。
一方、花に埋まった感じの記念写真を撮るには、少々テクがいるかもな(笑)。
下流エリアの北端にある巨大な橋は、「あいあい橋」。
巾着田から高麗川に架かる歩行者用の木造の橋で、トラスト構造と呼ばれるつくり。
長さ91.2mで、木造のトラスト構造の橋としては日本一の長さなんだそうだ。へえ~。
後で渡ってみよう、と思ってたら忘れた。
橋は有料エリアの外側にあるもんで。
ふと、上の方にカメラを向けている方々を発見。
なになに?と近寄って見ると、あんな所にも曼珠沙華が!
「上流エリア」 陰影を楽しむ
引き続き上流エリアへ。
こちらの方が群生地の幅が広く、より林間を歩いているように感じる。
花の密度も高かったように思う。
時間帯や天候も関係するが、こちらの方が光が多く入り、より陰影が楽しめた印象。
見栄えの良い花景色を紹介していますが、まだ蕾の状態が固まった箇所もありました。
陽当たりの加減で、開花が遅れているのだろうか?
それと、白い曼珠沙華は入口付近でちょこっと見かけましたが、園内は深紅の花一生という感じでした。
太めの木々がアクセントとなって、この辺はまた少し違った雰囲気。
エリアの入口にはこんな奇妙なオブジェも!これは朝鮮半島の魔除けと思われます。
\ なんで朝鮮半島の魔除けが?という方はこちらの記事を!/
「ドレミファ橋」 清流・高麗川の流れ
上流には河岸が開け、川べりに近づける場所がありました。
「ドレミファ橋」と呼ばれる木橋が架かっています。
元々は橋桁は架かっておらず、橋脚だけだったそう。
その橋脚を「ドレミファ!」と、歌いながら飛び越えて渡ったことからその名が付いたそうだ。
誰が言ったか知らないが(笑)。
橋桁の幅が狭く、人が交差する時はちょっぴりスリリング。
まあ、落ちても怪我はしなそうな浅さではありましたが。
川の水は澄んでとても綺麗!涼し気なスポットでした。
巾着田周辺の高麗川は流れも緩やかで、釣りや水遊びのスポットとして人気があります。
巾着田 曼珠沙華まつり(令和5年度)
曼珠沙華の花期には、日高市観光協会・日高市商工会主催の曼珠沙華まつりが開催されます。
令和5年度 巾着田曼珠沙華まつり 概要
日時:令和5年9月16日(土)~10月6日(金) 9:00~16:30
※開花が遅れたため、当初の最終日10月1日から延長されました
イベント:日高市内の特産・うまいもの市、栗フェスティバル(9月30日)など
特産・うまいもの市は、上流エリアと下流エリアの中間地点の広場で開催してました。
多くの人でにぎわっていました。
知りませんでしたが、日高市は栗が名物なんですね。
期間中は、西武鉄道の飯能駅~高麗駅間の臨時電車が運行されているそうです。(本年は~10月4日まで)。
一角では、猿回しのイベントがおこなわれていました。
軽快なおしゃべりの猿使いの方と、芸達者なお猿さんのコンビが会場を沸かせていました。
「日和田山を望む」 水車小屋やビオトープ
堤防からは離れた広場にあった水車小屋。
何故あるのか?などの詳細は不明。
近くの芝生広場では、遠足とおぼしき幼稚園児たちが、レジャーシートの上でランチタイムののどかな光景。
ビオトープの池。
水辺の生物が安心して暮らせるよう、隠れ場所や水草を整備している池だそうだ。
遠方に見えるのが日和田山。
日和田山方面に向かって、並木が続いていますよね?
これは約100本あるソメイヨシノの樹。
桜の季節には、右手の畑(?)に菜の花も咲くそう。
その競演を想像しただけでも、映える景色になるのは間違いなさそうですねぇ。
巾着田曼珠沙華公園の詳細情報・アクセス
巾着田曼珠沙華公園
公式ページ
住所:埼玉県日高市高麗本郷125-2(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・西武池袋線「高麗駅」下車、徒歩約15分
・JR川越線・八高線「高麗川駅」下車、徒歩約40分
・JR「高麗川駅」から国際興業バス、高麗駅経由飯能駅行乗車、「巾着田」下車徒歩約3分
・西武池袋線「飯能駅」から国際興業バス、高麗川駅行・埼玉医大国際医療センター行乗車、「巾着田」下車徒歩約3分
車)
・関越自動車道「鶴ヶ島IC」から14Km
・圏央道「圏央鶴ヶ島IC」から11Km
・圏央道「狭山日高IC」から8Km
・駐車場料金(1日): 二輪車 100円、普通車 500円、バス 3,000円
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巾着田に出かけてみませんか?
巾着田の満開の曼珠沙華を紹介しましたが、いかがでしたか?
曼珠沙華の花数も凄いのですが、高麗川に囲まれた高原のような雰囲気の美しいロケーション。
これがなんともいえません。
都内から1時間程度で来れる距離にありながら、豊かな自然を味わえますよ。
公園の前を走る県道の反対側には、国登録有形文化財の「高麗郷古民家」があります。
巾着田から歩けるので、訪問の際はぜひ立ち寄ってみてください。
巾着田に出かけてみませんか?
記事の訪問日:2023/9/26
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