【最新記事:2022.11.27】「江戸城外堀跡歩き」、多くの石垣に出会える散策【東京・千代田区周辺】

「岩殿山安楽寺(吉見観音)」は源範頼ゆかりの古刹、三重塔は貴重!【埼玉・吉見町】

「岩殿山安楽寺(吉見観音)」は源範頼ゆかりの古刹、三重塔は貴重!【埼玉・吉見町】

埼玉県吉見町にある「岩殿山安楽寺」は奈良時代の起源で、1200年の歴史を持つ寺院です。

源頼朝ともゆかりが深い坂東三十三観音霊場の札所の一つとして、古くから吉見観音の名で親しまれてきました。

県内では珍しい江戸時代の貴重な三重塔が残るなど、古刹の雰囲気が楽しめるんですよ!そんな安楽寺の見どころや歴史を紹介します。

『岩殿山 安楽寺』 吉見観音とも

埼玉県のほぼ中央部に位置する吉見町。吉見町は古墳時代に造られた横穴墓・吉見百穴があることで良く知られています。

他にも戦国時代には松山城(武蔵国)があり争いの舞台になるなど、歴史に関するエピーソードや史跡が色々ある町でもあります。

そんな吉見町に古刹漂う寺院があると聞いて、本日は訪ねてみました。

「参道」 金剛力士像が守る

吉見町  吉見観音 安楽寺

駐車場から道に出ると、一直線に伸びる参道両脇から、金剛力士像が睨みをきかせていますね!挨拶してゆきましょう。

吉見町  吉見観音 安楽寺

右側の口を開けている阿形(あぎょう)の像。


吉見町  吉見観音 安楽寺

こちら口を閉じている吽形(うんぎょう)像。

結構本格的にコワモテの金剛力士像ですよ!平成4年に奉納されたものでした。

吉見町  吉見観音 安楽寺

参道を進むと、厄除けだんごのお店がポツンと一軒。

名物のだんごをはじめ、おでんや甘酒など参道らしいメニュー。そして、意外にも抹茶パフェなんて洒落たものもありますね~。帰りに寄ってみましょう。

「安楽寺と坂東三十三観音霊場」 源頼朝・実朝の信仰

吉見町  吉見観音 安楽寺

参道を進むと、小高い台地に配されている門が見えてきました。

入口の石柱には「坂東十一番 岩殿山安楽寺」とあります。安楽寺は坂東三十三観音霊場の札所の一つとして、古くから吉見観音の名で親しまれてきた真言宗智山派の寺院です。

坂東三十三ヶ所霊場は鎌倉を起点に、現在の関東7県(神奈川・埼玉・東京・群馬・栃木・茨城・千葉)の各地に点在した霊場が設定されています。

これは、鎌倉将軍であった源頼朝(よりとも)・実朝(さねとも)が観音信仰に熱心だったのと、源平合戦で西国へ行った東国武士が西国三十三所を見聞きしたことがきっかけ、といわれています。

全行程は約1300kmあり、徒歩では40日以上かかるそうですよ!

「仁王門」 江戸時代の造立

吉見町  吉見観音 安楽寺

入口にある「仁王門」。

江戸時代初期の元禄15年(1702年)に建造されたもので、三棟造り(みつむねづくり)の八脚門という様式の造りです。内部には仁王像二体が安置されています。

吉見町  吉見観音 安楽寺

三棟造りは門の前後にそれぞれ小さい屋根があり、さらにその上に大きな屋根を被せて都合3つの屋根を持つ建築構造です。

奈良の法隆寺にある国宝・東大門(とうだいもん)でも使われている珍しい建築様式ですよ。

埼玉県の指定文化財になっています。

吉見町  吉見観音 安楽寺

こちら右側の阿形像。真っ赤な仁王像で迫力があります!

仁王像は平成10年(1998年)に解体大修理が行われており、綺麗に蘇っていますね。特に仁王像が傷んでくると、また違う怖さがでてきますからねえ。。。

こちらは吽形像。

仁王像は吉見町の文化財に指定されています。

「全景:本堂・三重塔・来坐像」 まるで奈良か京都か!?

吉見町  吉見観音 安楽寺

仁王門をくぐった境内正面の全景です。

高台の左側が本堂、その右手に三重塔。下の中央に大きな阿弥陀如来坐像が鎮座。

吉見町でこんな、ここは奈良か?京都か?みたいな風景に出会えるとは思いませんでしたなあ。。。なかなかの景観だ。

「本堂」 源範頼が身を寄せた

吉見町  吉見観音 安楽寺

現在ある建築物の多くは江戸時代の建築物。風格を感じさせますね~。

安楽寺の起源は、さらに古い奈良時代までさかのぼります。

吉見町  吉見観音 安楽寺

岩殿山安楽寺の由緒です。

  • 奈良時代:行基が観世音菩薩の像を彫り、この地の岩窟に納めたのが起源とされる。後、この地を訪れた坂上田村麻呂が吉見の総鎮守に定めたとされます。
  • 平安時代末期:源頼朝の異母弟・源範頼(のりより)がその幼少期に身を隠して育てられたといわれます。のちに範頼により本堂と三重塔が建立されました。
  • 戦国時代の天文6年(1537年):上杉氏と後北条氏との武蔵国松山城を舞台とした合戦の際、兵火により伽藍消失。
  • 江戸時代:本堂・三重塔・仁王門が現在の位置に再建された。

吉見町  吉見観音 安楽寺
大黒天

平安時代に源範頼が身を隠してた「息障院(伝範頼館跡)」は、安楽寺から約1km程離れた場所に今もあります。

現在は場所が離れていますが、当時は安楽寺と息障院で一体の大寺院を形成していたそうです。規模がでかったんですねー。

館を中心にこの辺の地域は御所と呼ばれ、現在も住所として残ってますよ。

息障院(伝範頼館跡)
住所:埼玉県比企郡吉見町御所146(GoogleMapで開く

「三重塔」 県内最古の三重塔

吉見町  吉見観音 安楽寺

そして、安楽寺に残る建築物の中では最も古い「三重塔」。 今から約350年以上前の江戸時代初期・寛永年間に建築されたものだそうだ。

いやー、こんな立派な塔があることがあまり知られていない気がしますねえ。

県内で江戸時代の三重塔の塔が残っているのは三か所だけ。川口市の西福寺、行田市の成就院(じょうじゅいん)、そしてここ安楽寺。そして安楽寺の塔が、埼玉県最古の三重塔です。

吉見町  吉見観音 安楽寺
塔の高さは約24.3m(棟の上の相輪含む)。

屋根は元々はこけら葺といわれる木の薄板を幾重にも重ねて施工する工法でしたが、現在は銅板葺に改められています。

塔の最下部の重の内部には約2.2mの誕生釈迦像が安置されているそうです。

吉見町  吉見観音 安楽寺

江戸時代初期ならではの、和風の様式が良く表れているといわれます。

「阿弥陀如来坐像」 吉見大仏とも

吉見町  吉見観音 安楽寺

高さは約3mの阿弥陀如来坐像が鎮座しています。こちらも立派な像ですね!

江戸時代の寛政2年(1790年)鋳造と伝わり、「吉見の大仏」として親しまれてるそうです。

吉見町  吉見観音 安楽寺

「八起地蔵尊」

吉見町  吉見観音 安楽寺

本堂の左脇から「八起地蔵尊」の入口があるので裏山に入ってみます。

吉見町  吉見観音 安楽寺
鐘楼
吉見町  吉見観音 安楽寺

八起地蔵尊は昭和60年に建立された、新しい地蔵尊のようです。

吉見町  吉見観音 安楽寺

ちょっと一種特別感のある雰囲気のエリアが。歴代住職のお墓かな?

境内その他

吉見町  吉見観音 安楽寺
薬師堂
吉見町  吉見観音 安楽寺

「三笠宮殿下 お手植乃松」の碑。松自体は残念ながら枯れてしまっている様です。

吉見町  吉見観音 安楽寺
六地蔵堂

アクセス

岩殿山安楽寺(吉見観音)公式ページ
住所:埼玉県比企郡吉見町御所374(GoogleMapで開く
アクセス:
電車)東武東上線「東松山駅」よりタクシー10分
車)関越道「東松山IC」より20分 ※駐車場 約100台

御朱印でめぐる関東の百寺 坂東三十三観音と古寺 (地球の歩き方 御朱印シリーズ) [ 地球の歩き方編集室 ]

価格:1,650円
(2021/9/23 10:53時点)

坂東三十三観音と他の素晴らしい寺をあわせて、関東の百寺を紹介。「地球の歩き方シリーズ」なのでしっかりした内容ですよ!

42 日本全国ねこの御朱印&お守りめぐり 週末開運にゃんさんぽ (地球の歩き方 御朱印シリーズ) [ 地球の歩き方編集室 ]

価格:1,760円
(2022/3/4 07:43時点)
感想(4件)

猫にゆかりのある神社とお寺の紹介。見るだけでも癒されます!関東の社寺の紹介が多めです。

でかけてみませんか?

いかがでしたか?埼玉県吉見町というと「吉見百穴」と呼ばれる横穴墓群の遺跡がとにかく代名詞の様に有名ですが、実はそれだけでは無くて他にも興味深い歴史スポットが多くあるんですよ。

吉見観音は古刹の呼び名に似合う歴史的な雰囲気を備えたお寺でした。三重塔を眺めてちょっとだけ奈良・京都気分を味わいに(?)、吉見観音に立ち寄ってみませんか?


たまには、少しリッチなお取り寄せを楽しみませんか?

【記事の訪問日:2021/5/9】

近隣のスポットもチェック! 【あわせて読みたい】

埼玉県吉見町「吉見百穴」

埼玉県吉見町「岩室観音堂」

埼玉県吉見町「松山城跡」

埼玉県行田市「歴史散策スポット 総ガイド」

埼玉県東松山市「こども動物自然公園」

埼玉県川島町「金笛しょうゆパーク」

Pocket