江戸時代、草加には日光街道の「草加宿」があり、宿場町としてにぎわいました。
かの松尾芭蕉も、草加宿に歩みを残しているんですよ!
その宿場町を見守ってきた草加総鎮守の「草加神社」。
街中にありながら、静かな境内で落ち着いて参拝できます。
境内では、江戸時代に建てられた本殿の彫刻は必見!
また月替わりの素敵な御朱印も紹介します。
草加神社の参拝に出かけましょう。
目次
『草加神社』 宿場町を見守ってきた総鎮守
松尾芭蕉も訪れた草加宿
草加神社の鎮座地は草加駅からほど近いですが、駅前通りからはちょっと奥まった場所にあります。
そのため通りの喧噪から離れた、静かで落ち着いた雰囲気の神社でしたよ。
境内の駐車場に、車を入れて振り返ると。。。
少し離れた場所にもう一つ鳥居が見えますなあ。
境内入口の鳥居はどうやら二の鳥居のようだ。
のちほど、一の鳥居をくぐりにゆきましょう。
たぶん草加神社参拝あるある、のような気がします(苦笑)。
草加には江戸時代の五街道の一つ、日光街道が通っていました。
そして日本橋から数えて2番目の宿場町「草加宿」が設置され、にぎわったんですね。
かつて松尾芭蕉も、「おくのほそ道」の旅路で草加の地を歩いてるんですよ!
草加総鎮守である当社は、宿場町とも深い関わりをもった神社です。
鳥居のたもとにカーネーションの花手水。
冬場の訪問でしたが、街中ではなかなか花に出会えないので癒されます!
かつて青銅製の狛犬があった
境内参道の結構高い位置に狛犬が鎮座。
台座の文字から昭和の狛犬のようです。
後で調べると。。。、元々現在より一回りから二回り大きい、青銅製の狛犬があったそうな。
残念ながら、そちらは戦時中に金属として回収されてしまったらしい。
令和4年の干支、寅の絵馬。
モノトーンの荒々しいタッチで描かれており、印象的。
「手水舎」 彫刻の不思議な動物たち
境内なかばに手水舎。
時世柄か、手水舎は花手水になっていました。
淡い色合を中心に、爽やかで瑞々しい雰囲気にまとまってます。
手水舎の屋根裏に目を向けると、凝った感じの彫刻が施されていました。
マジマジと見てみると、見慣れない動物が見え隠れしてる気がする。う~む。
右はウサギに見える。
左は一見ウサギだが、妙に爬虫類っぽい身のこなしに見えるなあ。
なんて、しばし見入ってしまう不思議な彫刻の世界。
手水舎を後にして、拝殿にご参拝です。
明治に氷川神社から草加神社へ
草加神社の創始は、安土桃山時代の天正年間頃(1573~1585年)とされます。
現さいたま市の大宮氷川神社からの分霊が起縁とのこと。
当時は小さな祠だけの、簡素なたたずまいから始まったようです。
江戸時代になり草加宿が整備されてゆくと、草加神社も多くの崇敬を集めてゆきます。
そして江戸時代中期から後期にかけて、現在のように境内が整備されていったそうです。
\ 日光街道・草加宿の詳細はこちら!/
明治時代に、草加町内の諸神社12社が合祀されました。
創始以来の社名であった氷川神社が、合祀の際に草加神社へと改称されました。
以降、名実ともに草加鎮守の役割を担っています。
草加神社の主祭神は、素盞鳴命(すさのおのみこと)と櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)の二柱です。
草加神社では、安産祈願・初宮詣・七五三詣・厄祓などの人生儀礼がとりおこなわれます。
また、家内安全・商賣繁昌・交通安全など、身近なご利益が幅広く頂けるとのことですよ!
賽銭箱の前にも花手水がありました。
そしてこちらは、拝殿脇の華やかな雰囲気の花手水。
境内各所にある花のおかげで、ほっこりしますね~。
躍動感あふれる!本殿の彫刻
拝殿の裏手には、祭神を祀る本殿があります。
周囲に柵があるものの、かなり近くで建物を見ることができます。
思わずガブリ寄って拝見させて頂く。
本殿は江戸時代後期、天保年間(1830~1843年)の造営とのこと。
銅板葺の屋根は、もともとは檜(ひのき)の樹皮を用いた桧皮葺(ひわだぶき)だったそうだ。
本殿は、草加市文化財に指定されています。
建築様式は、一間社流造(いっけんしゃながれづくり)というもの。
正面の屋根部が、庇(ひさし)のように前に張り出しているのが様式の特徴です。
材質はケヤキ材を使用。
ケヤキは強靭さが特徴で、建物はカチッとした印象を感じます。
本殿の見どころは、この壁面を飾る数々の彫刻です。
立体感があり躍動的!繊細かつ力強いタッチの彫刻に惹きつけられます!
これ、一枚の板から彫り出しているんですよね、凄いよなあ。
題材は中国の仙人の物語だそうです。
彫刻は立川流という流派の流れをくむとのこと。
これらを手掛けた、宮大工と呼ばれる職人による宮掘りの技術は、素人目で見ても凄いと思いますね。
御神木の銀杏は樹齢350年超!
拝殿前の御神木は、樹齢350年を越すといわれる銀杏の木。
かつて落雷にあってますが、それでもその生命力は衰えていないようです!
「御神木に抱き着くと、大いなる力を頂ける」とあります。
ハグしてその生命力の強さにあやかってゆきましょう。
御神木の裏手には、絵馬掛けのトンネル。
この位置なら、生命力の強い御神木パワーを浴びていること間違いなしですね。
「境内社」 稲荷社ほか
拝殿の隣の小さな鳥居の先には、境内社があります。
鳥居の脚元に美しい花手水。
ふと気づいたのが、境内各所にある化粧砂利。
境内はとても小綺麗な感じがしますが、この化粧砂利がさらに清潔感を感じさせる。
境内は良く手入れされており、気持ち良く参拝できます。
稲荷神社の可愛らしい鳥居と、お狐さんを入れてパチリ。と思いましたが。。。
お狐さんは鳥居の真後ろの配置で、構図的にチトつらめ(苦笑)。
稲荷神社とは別棟で、八幡社・三峯神社・雷電社の3社を祀る祠があります。
雷電社というと、風神・雷神みたいな神様を思わず思い浮かべたが。
「雷という字は、雨が田に降りそそぐ意があり」とのこと。
穀物に水を与え豊にする、五穀豊穣の神様ということなんですね。なるほど。
「一の鳥居」 草加神社通り沿い
ひとしきり参拝した後、境内から100mほど離れた一の鳥居へ。
草加神社通りという道路に面してました。
一の鳥居からニの鳥居へ向かう参道は、とても綺麗に整備されています。
鳥居のように植えられた両側の松は、草加の名所・草加松原の情景を想起させます。
やはり一の鳥居をぬけて、この参道から境内に向かうのがオススメですね。
凛とした気持ちで境内に向かえそうですよ!
参道途中には市営の氷川中公園がありました。
子供向けの遊具もあり、市民の憩いの場となっています。
しかも公園前には、なにげに昭和44年まで活躍したSLの陳列もあった!
これには子供のみならず、おじさんも興味深々で見学してましたよ。
あっ、それ、私のことですがね(笑)。
季節感満載!月替わりの御神木の御朱印
本日はこちらの御神木の御朱印を頂きました。
御朱印帳に見開きで頂け、とても素敵です!
この御神木の図柄は、月替わりで色合いが変わるそうなんですよ。
社務所の待合室に見本がありましたが、季節感があって楽しいなあ。
1年間・12か月分の御朱印を頂くと、”御神木御朱印帳”が頂ける特典もあるそう。
いやあ、御朱印好きの心をくすぐりますねえ。
社務所。
右手の扉の奥に待合室がありました。
神社に参拝に行くと、神々についてや神社施設の呼び名・役割について知りたいけど、聞ける相手もいない!
ってことありません?そんな時、網羅範囲が広い本書は結構頼もしいですよ!
草加神社の詳細・アクセス
草加神社
公式ページ
住所:埼玉県草加市氷川町2118-2(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・東武スカイツリーライン(東武伊勢崎線)「草加駅」西口より徒歩5分
車)
・外環自動車道「草加IC」10分
・首都高速川口線「新郷IC」より15分
・駐車場完備(15台分)
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草加神社に出かけてみませんか?
草加の総鎮守・草加神社をご紹介しましたが、いかがでしたか?
大きな神社ではないのですが、歴史を感じる神社でした。
特に本殿の装飾は一見の価値あり。
そして、花手水や月替わりの御朱印など季節感を感じさせる創意工夫もあり、地元の方々から愛されている神社だろうな~と感じました!
草加神社へ参拝に出かけませんか?
草加の宿場町歩きとセットでの訪問もオススメですよ。
記事の訪問日:2022/2/13
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