視界の端から端まで広がる、淡いピンクの桜と鮮やかな菜の花のコントラスト。
桜の季節を迎えた埼玉県幸手市の「権現堂堤」には、まさに日本の春を凝縮したような絶景が広がります。
1kmに及ぶ桜のトンネルを歩けば、都会の喧騒を忘れ、春の息吹に包まれるはず。
今回は権現堂桜堤が持つ深い歴史から、現地で後悔しないための楽しみ方まで、余すことなくその魅力をお伝えします。
目次
「幸手権現堂桜堤」千本のソメイヨシノが1km続く、関東随一の桜の名所

埼玉県東部にある幸手市は茨城県・千葉県に近接する県境のまちですが、東武日光線で浅草方面と直結しており、都心からも約1時間前後でアクセスできる場所。
関東平野の利根川流域にある市内では、水田や畑作地帯に出会える自然豊かな環境が魅力です。
そんな幸手市にある「権現堂公園」の権現堂桜堤(ごんげんどうさくらつつみ)は、四季折々を通じて美しい花々が楽しめる憩いのスポットなんですよ。
特に春には約1000本のソメイヨシノが1kmに渡って咲く、関東随一の桜の名所として知られています。
そんな権現堂桜堤を桜が満開の季節に訪問しましたので、現地での様子や楽しみ方を紹介してゆきますよ!
桜の季節の権現堂を歩く”ベストルート”はこれ!

幸手権現堂桜堤では例年3月下旬から上旬にかけて桜まつりが開催されますが、2021年度は残念ながら新型コロナ拡大防止の影響で開催は中止。
それでも桜自体は楽しめるということで4月初旬に訪問しましたが、桜まつりが無いにも関わらず多くの花見客で賑わっていました。
ところで幸手権現堂桜堤には1kmにわたる桜並木が続くわけですが、その広大さゆえ、初めて訪問すると「どうやって巡るのが良いのかな?」と少し戸惑うかもしれません。
そんな方向けに幸手権現堂の桜を120%楽しむためのベストルートを組んでみましたので、是非訪問時の参考にしてみて下さい!
その1: まずは堤の”桜トンネル”を楽しむ
様々な桜のビューポイントがある権現堂桜堤ですが、まずは堤の上を歩いてみましょう。

堤の上は「桜のトンネル」が楽しめ、頭上を覆いつくすピンクの屋根の下を歩くことができます。
青空と淡いピンクのコントラストが美しかったですよ!
訪問時の開花状況は、少しピークを過ぎたあたりの感じですかね。
風に舞う花びらが時折ハラハラと頭上を飛び、「はかなく散る様も、また良いよね~」という、我々日本人好みの(苦笑)情緒ある景観にも出会えました。
ここでソメイヨシノという桜の品種について、少しおさらいしてみましょう。
ソメイヨシノは日本を代表する園芸品種のサクラで、江戸時代末期に現在の東京都豊島区の染井村(植木職人の里)で作出されたとされます。
エドヒガンとオオシマザクラの交雑種で、淡い薄紅色の花を一斉に咲かせるのが特徴。接ぎ木によって増やされるため全国の個体は遺伝的にほぼ同一で、開花時期が揃いやすいのが特徴。
この性質から近代以降、各地の公園や堤防、学校などに広く植栽され、日本の「桜=春」のイメージを象徴する存在となっています。
一方で寿命は比較的短いため、老木の更新や保全が各地で課題となっている部分もあるようですね。
その2:峠の茶屋で手作りパンを確保!

堤の中程には「峠の茶屋」という売店があります。
周囲にはベンチも設置されているので、行き帰りや一休みしたい際に立ち寄ってみましょう。

この峠の茶屋で人気なのが、国産小麦を使用した手作りパン。
人気の桜アンパンや、期間限定の桜餡のお花見アンパンなどもあり、どれも美味しいのでパン好きならゲットしておきましょう。
コーヒー・紅茶、そしてアイスクリームなども頂けますよ。
例年、桜まつりの開催時には約100軒の屋台が連なりますが、本日は屋台出店もなく売店はここのみでした。
飲み物の自動販売機は公園各所に設置されています。
大正時代から始まった権現堂の桜の歴史
幸手権現堂桜堤は今や関東有数の桜の名所ですが、その桜はいつ頃から植えられ始められたのでしょうか?その歴史を少し辿ってみましょう。

幸手権現堂桜堤の桜の歴史
■大正9年(1920年):桜が植えられる。大正14年頃には花見の人出の賑わいが紹介されています。
■昭和初期:桜まつりの開催が始まり、東武線浅草駅から幸手駅まで臨時電車が出される程賑わいあました。
■昭和20年(1945年):戦後の進駐軍により、桜は燃料として伐採される。
■昭和24年(1949年):桜の植栽が始まり、3千本の苗木が約1kmの堤に植えられる。現在はその内の約千本のソメイヨシノが残っている。
■昭和63年(1988年):周辺農地に約1万9千m2にわたり菜の花が作付けられる。
大正時代や昭和初期には、なんと!現在の3倍もの桜が植えられていたんですね。
その3:堤の下から起伏のある桜模様を楽しむ
桜のトンネルを堪能した後は、堤を下りて少し離れて桜を眺めてみましょう。

堤が生み出した起伏のある地形により、立体感と奥行きのある桜模様が楽しめます。

横から眺めてみると少しワイルドに映る桜模様。
様々な角度から、バリエーションに富んだ景観が切り取れるエリアとなります。
その4:一面に広がる菜の花畑に埋まってみる

桜堤の東側には約1万9千m2に及ぶ、広大な菜の花畑が広がっています。

菜の花で一面黄色に染まる様子は見ごと!
花畑内に設けられた通路を歩き、ビタミンカラーに染まった景観に溶け込んでみましょう。

花から花へと忙しそうに飛び回っているミツバチの邪魔をしないように、っと。
ところで菜の花って芳香のある花だと思います?無い花だと思います?これがね、結構香るんですよね。
畑は終始強い花の香りに包まれていましたよ。
どんな香りかって?甘いというよりは、酸味と少し苦味のあるフレイバーという感じかな。まっ、私個人の印象ですが(笑)。
その5:菜の花と桜と青空のコラボを楽しむ

菜の花を満喫した後はいよいよハイライトということで、菜の花畑と桜の美しいコラボレーションを楽しみましょう。
写真を撮る際のオススメは、少し低めのポジションからの見上げるようなアングル。
”菜の花のイエロー”と”桜のピンク”の競演に、”空のブルー”が加わりますよ。

もう少し離れると、さらにグリーンが加わることに。
まるで絵画の一コマのような、パステル調の景色が浮かび上がってきました。
番外編:利根川の水害から守ってきた歴史にも触れてみる
せっかく幸手権現堂桜堤を訪れるならば、その歴史にも少し触れておきたいところ。
権現堂堤の歴史は、実は水害との闘いの歴史だったのです。

公園内を流れる中川越しの桜堤
権現堂に流れていた権現堂川はかつては利根川の主流で、低湿地である一帯は氾濫を繰り返す難所でした。
江戸を守る治水と新田開発のため、主流を東へ移す事業が幕府によって進められましたが(利根川東遷事業)、権現堂川は依然として中川へ合流する主要な流路のまま。
狭い川幅に大量の濁流が流れ込むポイントであったため、決壊を防ぐ頑強な堤防(権現堂堤)の維持は地域の人々にとって常に死活問題でした。
明治時代の大洪水を経て、大正時代に権現堂川が締め切られ、中川を切り離す大規模工事が完成。
これにより長きに渡る治水工事がようやく完了した、というわけです。

廃川となった権現堂川の旧流路の一部が、現在は3号公園側にある「行幸湖(みゆきこ)」として姿を留めています。
現在多くの人々を魅了している桜並木は、かつて治水の要として人々の命を守り続けた、壮大な歴史の遺構の上に咲き誇っていることを知っておくのも良いでしょう。
桜祭りの混雑と戦わないための秘訣は?

素晴らしい桜模様に出会える権現堂桜堤ですが、やはり桜祭りの時期は大変な混雑となる点はお伝えせねばなりません。
最後にベストシーズの権現堂桜堤で、混雑と戦わないためのコツをご提案。
【装備】
「レジャーシート」よりも「簡易折りたたみ椅子」を推奨。斜面が多いですが、椅子があるとどこでも特等席になりますよ。
【訪問時間】
「午前9時には現地着」が鉄則。10時を過ぎると駐車場待ちが増え、渋滞が国道まで伸びます。
【アクセスの裏ワザ】
車の渋滞を避けてバス利用した場合でも、バス待ちの行列に待たされることもしばしば。ならば、いっそのこと帰りの片道だけでも幸手駅まで歩いてみては?
権現堂堤・幸手駅間の距離は約2km、徒歩で30分~35分ほど。
その際オススメなのは、旧日光街道(県道65号線)で駅に向かうルート。権現堂公園の西側に通る県道を南下すると県道65号線に交差します。
幸手はかつて日光街道の宿場町・幸手宿があった、歴史のある町。駅に近ずくにつれ幸手宿に関連する寺院や案内板に出会え、歴史散歩が楽しめるコースですよ。
\ 幸手宿の詳細についてはこちら!/
【記事の参考にした情報】
・権現堂堤の歴史 幸手市
タイトル通り、いまいちばん美しい日本の絶景写真が楽しめます!
その場所・その季節・その時間帯などの組合わせが創り出す絶景。
絶景本は数々あれど、埼玉にしぼられているのが良い。
一年中楽しめる、埼玉の花の名所と里山の風景の紹介。
幸手権現堂公園の詳細情報・アクセス
県営権現堂公園
公式ページ
住所(幸手権現堂桜堤):埼玉県幸手市大字内国府間887番地3(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・東武日光線幸手駅より朝日バス「五霞町役場」行きバスに乗車、「権現堂」で下車 (バスは1時間に1本)
車)
・最寄りの高速道路IC:圏央道の幸手ICから約10分、東北自動車道の久喜ICから約20分
レンタサイクル(幸手市観光協会)
幸手のランチは事前予約やクーポン利用で、並ばずお得に!!
幸手権現堂桜堤に出かけてみませんか?
幸手権現堂桜堤は桜関東屈指の桜の名所といわれるだけあって、桜と菜の花が織りなすコンビネーションは素晴らしいものでした。
権現堂の桜回廊は写真でもよく紹介されていますが、「百聞は一見にしかず」。画面越しの写真も綺麗ですが、現地で感じる花の色彩や空気感は格別ですよ。
今年の春は少しだけ早起きして、幸手権現堂の桜を楽しみにでかけてみませんか?
記事の訪問日:2021/4/3




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