埼玉県行田市は埼玉古墳群を中心に、古墳の多いエリアとして知られます。
埼玉古墳群からは少し離れた場所にある「八幡山古墳」は知名度は高くないかもしれませんが、巨大な石室が露出したその遺跡の姿に歴史ファンは驚くこと間違い無し!
関東の石舞台とも呼ばれる、稀有な八幡山古墳を紹介。
近隣にある地蔵塚古墳も併せて紹介します。
目次
行田市内には10個の古墳群があった
埼玉県行田市は、様々な時代の歴史スポットがあります。
そのなかでも古墳に関しては、特筆すべきものがある。
市内には10個の古墳群があり、150基以上の古墳が確認されているんですよ!
その古墳群の中心となるのは、有数の大型古墳群として全国的にも珍しく、発掘品の鉄剣が国宝指定されている「埼玉(さきたま)古墳群」です。
その埼玉古墳群から約2km程離れた場所にある若小玉古墳群。
そこに驚きの風貌が見れる古墳「八幡山古墳」があるので、今回紹介します。
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「八幡山古墳石室」 関東の石舞台
若小玉古墳群と「八幡山古墳」
若小玉古墳群は県内では埼玉古墳群に次ぐ規模の古墳といわれ、約230軒の竪穴住居跡と約60基の古墳跡が確認されています。
時代的には埼玉古墳群より後の年代の古墳群で、新興勢力によるものと見られています。
そんな若小玉古墳群は街中からは少し離れた工業団地の周辺に位置しています。
お目当ての八幡山古墳公園も、そのエリア内のひっそりとした場所にあります。
こちらが八幡山古墳です。
昭和54年(1979年)の復元記念の碑があります。
埼玉古墳群は全国規模で知られてますが、八幡山古墳公園はほとんど知られてないんじゃないかな。
県民である私も、最近までこの古墳の存在を知りませんでしたからねえ。
石室外観が確認できる!
おー、関東近郊でこんな形状の古墳が見れるとは思いませんでした!
八幡山古墳は元々直径約80mの大型の円墳で、7世紀前半に造られたものとみられます。
埼玉古墳群の一番大きい円墳・丸墓山古墳が直径105mなんで、その比較でも比較的大型の円墳だと思います。
発見の経緯ですが、昭和9年(1934年)に近隣沼の干拓事業のために古墳の封土を崩した際、石室が出現。
発掘調査の結果、石室は前・中・後室の3室からなる全長16.7mの巨大な石室であることが分かりました。
現在復元されている姿は、円墳の盛土をどけて石室だけ露出させている状態のものです。
石室に使っている石は、秩父地方から運搬された巨大な緑泥片岩(りょくでいへんがん)と安山岩で築造されているそうです。
わざわざ秩父から、ってだけでも埋葬者がかなり有力者であることがうかがえますね。
こうやって全景を見ると”関東の石舞台”と呼ぶにふさわしい、ロマンあふれる古代の遺跡という雰囲気があります。
「石室内部の様子」
扉越しに除いた石室の様子です。
実はここ、石室の中まで立ち入ることができるんですよ!土曜日・日曜日・祝日が公開日。
ただし、訪問した際は新型コロナウイルス対策のため、平日に事前電話予約をしないと入れないことになっていました。
本日は柵の隙間からのぞくにとどまり残念!
石室内に入れる古墳もそうそう無いと思うので、訪問の際は是非見学の予約をしてお出かけ下さい。
石室内の案内図。
発掘調査では、漆塗木棺の破片や銅鋺などの豪華な遺物が発見されています。
それからも、葬られていた人物がかなりの権力者であったと考えられています。
聖徳太子に仕えた物部連兄麻呂(もののべのむらじえまろ)という人物の墓ではないか、という説もあるそうですよ。
八幡山古墳の詳細情報・アクセス
八幡山古墳
住所:埼玉県行田市藤原町1-27-2(GoogleMapで開く)
石室内の公開:土曜日・日曜日・祝日(年末年始を除く)
アクセス:
電車)
・秩父線「行田市駅」から市内循環バスで15分(東循環コース・右回り)、藤原町1丁目下車、徒歩約8分
・JR「行田駅」から市内循環バスで15分(南大通コース・工業団地由行き)、藤原町下車、徒歩約5分
車)
・東北自動車道「羽生IC」から約25分(約12km)、「加須・栗橋IC」から約30分(約14km)
・関越自動車道「東松山IC」から約40分(約18km)、「花園IC」から約60分(約32km)
・圏央道「白岡菖蒲IC」から約35分(約18km)
関東60カ所の古墳・古墳群を、わかりやすい実測図掲載にて紹介!
各県とも結構見応えのある様々な古墳があるんですね!
「地蔵塚古墳」 若小玉古墳群の古墳の一つ
八幡山古墳から1km程離れた近隣に「地蔵塚古墳」があるので、あわせて立ち寄ってみた。
こちらも若小玉古墳群の古墳の一つで、埼玉県指定史跡になっています。
大きさは一辺約28m・高さ約4.5m・周囲の堀幅約1mの方墳だったと考えられています。
この古墳の貴重な点は、石室の左右及び奥に線刻画が描かれている点だそう。
烏帽子を被った人物、馬、水鳥、家と思われるものが確認できるそうですよ。
是非拝見したいところですが、残念ながら施錠されて見学できないようになっています。
階段で墳丘に登れるようになっています。
古墳墳頂に地蔵堂があることから、地蔵塚古墳の名で呼ばれています。
こちらが、古墳名の由来となるお地蔵さんのようですね。
古墳の背面は竹林になっており、裏手には小さな公園がありました。
古墳にも公園にも駐車場は無いです。
古墳前に車を止められそうなスペースがあったので短時間だけ駐車させて頂きました。
八幡山古墳から歩いても行ける距離にあるので、セットで立ち寄ってみると良いと思いますよ。
地蔵塚古墳
住所:埼玉県行田市藤原町2-28-1(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・秩父線「行田市駅」から市内循環バスで10分(東循環コース・右回り)、若小玉郵便局前下車、徒歩約3分
車)
・東北自動車道「羽生IC」から約25分(約12km)、「加須・栗橋IC」から約30分(約14km)
・関越自動車道「東松山IC」から約40分(約18km)、「花園IC」から約60分(約32km)
・圏央道「白岡菖蒲IC」から約35分(約18km)
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八幡山古墳へでかけてみませんか?
”関東の石舞台”ともいわれる八幡山古墳を紹介しましたが、いかがでしたか?
観光地とは無縁の雰囲気の場所にポツンとある遺跡ですが、埼玉古墳群に出かける際などにこちらも思い出して頂き、是非立ち寄って欲しいですね!
歴史が好きな人であれば、ちょっと興奮できるスポットだと思いますよ。
記事の訪問日:2021/5/2
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