東京湾に架かる巨大な吊り橋、レインボーブリッジ。
ここを車で通行したことがある方はいるかと思いますが、実はこの橋、徒歩でも渡ることができます。
橋上には1.7kmの遊歩道が整備されており、東京湾上空をスカイウォークできるんですね。そんなレインボーブリッジを歩いてみたので、そこから見える絶景や歩き方の詳細について紹介。
普段見ることができない東京の景色や、お台場の歴史に出会いに出かけましょう!
目次
『レインボーブリッジ遊歩道』を歩いてみた!
関東近郊の近場にありながら、あまり混雑がなくてちょっと刺激的な場所。そんな都合の良いお出かけスポットないかなあ。。。などと考えていたとある休日。
そういえば、レインボーブリッジって徒歩で渡れるって聞いたことがあるなと、ふと思いだした。
天気も良いし行ってみるか!ということで、「レンボーブリッジ遊歩道」に出かけてみました。
レインボーブリッジは臨海副都心と都心間の基幹交通施設

東京湾に架かるレインボーブリッジは、港区の芝浦側と台場側をつなぐ橋。今回は芝浦側から歩いてみることにしました。
新橋から新交通ゆりかもめに乗車して約10分、遊歩道入口最寄りの芝浦ふ頭駅に到着です。

湾岸地区特有の生活感のないエリアをしばし歩くと、巨大なレインボーブリッジが見えてくる。おー、でかいなあ、これからあれを歩くのかあ。
レインボーブリッジはどんな橋なのか?歩く前に少しおさらいしておきます。
レインボーブリッジは東京湾に架けられた吊り橋で、正式名称は「東京港連絡橋」。
平成5年(1993年)から共用開始され、海面からの塔部の高さは126m、橋の長さは798m、橋の幅は49mです。
橋は東京臨海副都心と都心部をむすぶ、基幹交通施設の役割を持ちます。
高速11号台場線が幹線道として通り、さらに臨港道路(一般道)、そして臨海新交通システム(ゆりかもめ)の路線にも使用されている複合交通施設です。
海上は船舶往来の安全のための幅・高さを確保し、空は羽田空港発着の飛行機に対しての高さ制限約150mが考慮されています。
交通施設が3つも通っていたんですね!知らなかったな。
「芝浦アンカレイジ」レインボーブリッジ遊歩道の西側入口

「レインボーブリッジ遊歩道」のささやかな感じの看板がありました。
無造作に”室”の字が消されてますが(苦笑)、以前は展望室があったようですね。

見上げたレインボーブリッジの結構な威圧感に、少々ビビってたりします(苦笑)。

守衛さんの「どうぞ~」という身ぶりにうながされ階段を上がると、遊歩道の入口がある「芝浦アンカレイジ」という施設が現れる。
ちなみに専用駐車場はありませんが、隣接している有料駐車場が使用できます。

入口から入った場所は2階フロアーでこんな感じ。
混んではいませんが、ポツリポツリと訪問者はいましたね。
遊歩道にはサウスとノースの2ルートがある

プロムナードと呼ばれる遊歩道には、サウスルート(南遊歩道)とノースルート(北遊歩道)2つがあります。通行料は無料。
プロムナード入口は7階にあり上がって行くエレベーターが2ヶ所にありますが、いずれかに乗った時点で歩くルートが決まります。上がってからの選択は不可。
そのあたりが案内図にも、もう少しデカデカと書かれていた方が分かりやすいかな、と少し思った。まっ、壁には矢印入りで「サウスルート(南遊歩道) 7F」の表示もあるんですけどね。

本日は東京湾全体と台場方面が見渡せる、サウスルートを歩いてみます。
変哲のない奥まった場所にあるエレベーターに乗って、どんな景色が現れるのか?ちょっとドキドキしながら7階へと向かう。
芝浦アンカレイジ
東京都港湾局ホームページ
住所:東京都港区海岸3丁目33-19(GoogleMapで開く)
営業時間:
・4月1日~10月31日:9時~21時(最終入場は20:30)
・11月1日~3月31日:10時~18時(最終入場は17:30)
利用休止日:每月第3月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
料金:無料(徒歩・自転車通行ともに)
アクセス)
電車:
・ゆりかもめ「芝浦ふ頭駅」下車、徒歩5分
・JR「田町駅」東口から徒歩20分
・「浜松町駅」北口から、都バス・国際展示場駅行乗車約10分、「芝浦ふ頭駅入口」下車にて徒歩10分
車:
・専用駐車場は無し。最寄りに有料駐車場あり。
沿岸に東京港のコンテナ埠頭を望む

7階のエレベーターホールを出ると、対岸の台場側にあるフジテレビ本社ビルなどが目に入ってくる。これは絶景だ!
本日はあの対岸に向かって歩きます。

そして現在いる芝浦側の沿岸には、東京港の湾岸施設が続いています。
手前が品川コンテナ埠頭で、遠方の海側にせり出してクレーンがかすかに見えている辺りが大井コンテナ埠頭。
東京港は平成10年(1998年)年以来、貿易コンテナ取扱数で日本一を誇る国際貿易港です。
日本の物流の拠点港湾であるとともに、首都圏4千万人の生活や経済活動に欠くことができない海の玄関口ともいえます。
品川コンテナ埠頭と大井コンテナ埠頭の一口メモ
■ 品川コンテナ埠頭:昭和42年(1967年)にオープンした日本で最初のコンテナ埠頭。全長745mで、主にアジア航路の小型コンテナ船に利用。
■ 大井コンテナ埠頭:全長2,354mで、大型船舶に対応できる深い水深を有した岸壁を7バース(船舶が停泊する水域)を持つなど、世界有数の規模を擁し東京港のコンテナ埠頭の中核を担う。
ゆりかもめと臨港道路が同居する遊歩道階

本日の主役であるプロムナード(遊歩道)はこんな風です。道幅は広くはないけど、人が交差できるくらいの幅はありますね。
左手の車道は一般道の臨港道路で、その隣は”ゆりかもめ”の線路。反対側にもこちらと同じように、車道とノースルートの遊歩道があります。
車道は立体2層で、この屋根の上に首都高速が走っている構造。
車や電車が通る度に、結構ブルブルっと遊歩道に振動が伝わってきて、ああ、吊り橋を歩いているんだなと実感する。
おっかなびっくり歩き始めた横を、慣れた風でジョギングするお兄さんが軽快に通り過ぎてゆきましたよ(笑)。

本日は天気が良く風もない遊歩道日和。周囲は金網があるものの壁はないので、雨風がある日が状況は一変しそうです。
歩道脇には海側に突きでたビューポイントが、所々に設けられていた。
ここからスマホで外の写真を撮る時はちょっと注意ですね。金網はありますが密閉されてないので、落とすと東京湾に浮かぶことに。。。

たまにゆりかもめが通過してゆきます。
のど元過ぎればで、歩いているうちに橋のブルブルにも慣れてくるもんですね。
幕末の砲台設置に始まる台場の歴史

やがてポッカと東京湾に浮かぶ、独特の六角形の形をした人工島が現れます。
なんとも不思議な感じの島ですが、これは江戸時代に造られた砲台跡の一つ「第六台場」です。
第六台場は、江戸時代末期に築かれた「品川台場」の一つ。
嘉永6年(853年)の鎖国中において、アメリカのペリー艦隊の来航を受けて、幕府が江戸湾警備の目的で海上に築造したものです。
現在の台場の地名も、この砲台の台場があったことに由来します。
昭和から平成にかけて埋立が進んだ台場地区は、1990年代になると東京都が「臨海副都心」として再開発を推進。その後現在のように、ショッピングモールや企業オフィスが集まるエリアへと発展しました。
陸続きになっていない第六台場は、レインボーブリッジが唯一近くから見渡せる場所となり、サウスルートの見どころの一つといえます。
主塔部にある展望スペース

主塔と橋脚がある部分には、その周囲に展望スペースが設けられていました。へぇ~、レインボーブリッジにはこんなスペースもあったんですねえ。

展望スペースはやはり遊歩道と比べて開放感があります。展望やレインボーブリッジに関するパネルなどもあった。
ベンチも設置されており、景色を見ながらしばし一服です。
「台場アンカレイジ」アンカーブロックは橋の心臓部!

再び歩き出すと、「台場アンカレイジ」という施設内を通り抜けます。
トイレでもありそうな雰囲気の場所でしたが、特に何もなかった。スルーするのみ。

そして通り抜けた先に、橋をささえるゴツイ構造物が物々しく出現!なんか凄いな。
アンカレイジは吊り橋をささえるメインケーブルの端を固定する、巨大なコンクリートアンカーブロックのことなんだそうだ。
アンカレイジは橋の両側に設置されており、お台場側はこの台場アンカレイジ、芝浦側は入場してきた芝浦アンカレイジがそのための施設だったようです。

この辺がアンカーブロックかな?橋の心臓部を垣間見ることができました。
「台場公園」第三台場(砲台跡)を整備した公園

だいぶ台場側に近づいてきました。
先程の第六台場と似たような「第三台場」が徐々に見えてきますが、こちらも品川台場跡の一つです。
江戸時代には6ヶ所の台場が建造されましたが、その内砲台跡として残っているのが第六台場と第三台場の2ヶ所。
第三台場は台場側から陸続きになっており、砲台のレプリカなどが置かれた「台場公園」として整備・開放されています。
\ 第三台場跡(台場公園)の詳細はこちら!/

おっ!第三台場の横を船がすり抜けてゆきますね。お台場海浜公園発の水上バスは、ここが運行ルートになっているんですね!

ちなみにこの船は、漫画家の故・松本零士氏がデザインしたエメラルダス号でした。近未来的でかっこええですなあ~。
「フジテレビ本社ビル」 丹下氏設計の台場のランドマーク

台場のランドマーク「フジテレビ本社ビル」が、だいぶ近くに見えてきます。
これは平成8年(1996年)に竣工されたビルで、フジテレビジョンをはじめとするフジサンケイグループの本社やスタジオなどが置かれている建物。何度見ても、その個性的なデザインには驚かされますわ。
ビルの設計者は世界的な建築家として知られる、建築界の巨匠・丹下健三氏。
全体的に横長の構造ですが、これは当時始まったハイビジョン放送の画面の縦横比で設計されているんですって。そうきたか!って感じですね。
\ 丹下健三氏の建築物の紹介はこちら!/

この辺になると、遊歩道はゆるやかな下りに。
気付くとガードの金網がなくなり、手摺のみになっていました。
台場付近にはノース・サウスの連絡通路あり

台場の出口にも近いあたりには、ノースルートへの連絡通路があった。反対側の景色をちょっとのぞいてみましょう。

ノースルートへの渡り通路。水面が近いので、天気悪かったりするとちょっと怖そう。

橋下の様子も迫力があった。

ノースルートからの景色はこんな感じ。こちらは都会的な雰囲気の風景が楽しめそうですね!

それとカーブを描きながら続く、吊り橋全体の様子がよく見通せます。
時間があればここでターンして芝浦側に戻ると、1粒で2度おいしいのかもしれませんね(古っ!)。
もちろん台場側からも入場可能!

はい、そんな感じで台場側の終点に到着。
景色を眺めつつノンビリと歩いたので、1時間程度を要しました。

こちらの台場側からも、もちろん遊歩道に入ることができます。
レインボーブリッジ展望・遊歩道 台場口
住所:東京都港区台場1丁目(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)ゆりかもめ「お台場海浜公園駅」から徒歩約10分
車)専用駐車場無し。最寄りに時間貸しの有料駐車場あり。
\ お台場ランチは、事前予約やクーポン利用で快適でお得に!/
実際に歩いてみた印象と注意事項など
レインボーブリッジを歩く際の基本注意事項
・自転車に乗っての通行は禁止。ただし貸出し専用台座による手押し通行か、自転車を解体又は折りたたんで専用の袋に収納して運ぶことは可能。
・ペットを連れての通行は禁止。ただしペット用のかご等に入れて運ぶ場合は通行可能。
・他の歩行者の通行に支障となる行為等は禁止。
・遊歩道は傾斜が大きいため、車椅子等での利用には必ず介護者が必要。
・天候上等の理由により入場を断る場合もある。
あと、実際歩いてみての補足事項などを。
繰り返しになりますが、サウス・ノースは各専用ルートになっているので、途中でのルート変更はできません。最初に好みの風景をチョイスして選択しましょう。
ルートの特徴は、サウスコースでは台場側の景色や広々した海の風景が楽しめます。ノースコースではビル街などの都会的な風景が望めるほか、東京タワーも見えますよ。
遊歩道の距離は約1.7kmで、普通に歩けば所要時間は30分程度かと。歩道は全体的にはほぼ水平ですが、台場付近には緩やかな坂道があります。
あと、橋上にトイレはないので、芝浦側の場合は芝浦アンカレイジで、台場側の場合はお台場海浜公園等でトイレを済ませるのが良いです。
そして、雨風が強い日は歩くのを避けた方が無難だと思います。
周辺おすすめスポット(台場公園ほか)
第三台場跡(台場公園)
レジャースポットが多いお台場ですが、第三台場跡がある台場公園は案外知れていないスポットでは?
都内で江戸時代の砲台跡の名残が感じられる歴史的に貴重な場所であると共に、レインボーブリッジを一番近くから眺められるスポットだったりもします。
築地本願寺
台場からなら築地まで足をのばして、こちらも非日常感が味わえる異国情緒たっぷりにの寺院・築地本願寺を参拝してみるのはどうでしょうか?
築地場外に立ち寄って、ランチを頂くのも良いですね。
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築地本願寺
住所:東京都中央区築地3-15-1 (GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・東京メトロ日比谷線「築地駅」出口1直結、東京メトロ有楽町線「新富町駅」出口4より徒歩約5分
・都営地下鉄浅草線「東銀座駅」出口5より徒歩約5分、都営地下鉄大江戸線「築地市場駅」出口A1より徒歩約5分
増上寺
芝浦側からの立寄りならば、徳川秀忠をはじめとする6人の歴代将軍が眠る増上寺の参拝はいかがですか?
徳川将軍家について知ることができる、貴重なゆかりのスポットです。
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増上寺
住所:東京都港区芝公園4-7-35(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・JR線・東京モノレール「浜松町駅」から徒歩10分
・都営地下鉄三田線「御成門駅」から徒歩3分、芝公園から徒歩3分
・都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」から徒歩5分
・都営地下鉄大江戸線「赤羽橋駅」から徒歩7分
・東京メトロ日比谷線「神谷町駅」から徒歩10分
車)
・駐車場なし(隣接する東京プリンスホテルには有料駐車場あり)
レインボーブリッジを歩いてみませんか?
初めて歩いたレイインボーブリッジは、ちょっとおっかなびっくりでの歩き出しでしたが(苦笑)。
普段見ることができない東京の景色が楽しめて、とても新鮮でした。空いててよかったですし。
遊歩道は芝浦側からも台場側からも入れますが、個人的には芝浦側から入る方が刺激的なスタートが味わえるんじゃないかなと感じました。
天気の良い日にレインボーブリッジを歩きにでかけてみませんか?
記事の訪問日:2023/5/4



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