埼玉県日高市にある巾着田(きんちゃくだ)は、日本一の曼珠沙華(彼岸花)の群生地です。
高麗川の岸辺に500万本の曼珠沙華が咲き、レッドカーペットが続く様は実にみごと!
巾着田の魅力はその花の数のみならず、林間部にあるので表情豊かな陰影が感じられたり、高麗川や日和田山などの自然の景観が楽しめるなど、そのロケーションの良さが素晴らしいです。
満開の曼珠沙華が咲く巾着田の見どころを、曼珠沙華まつりの様子なども交えながらご紹介します。
目次
「巾着田」日本最大級の曼珠沙華の自生地
高麗川沿いに500万本の曼珠沙華が咲く

高麗川(こまがわ)は埼玉県南西部から中部にかけて流れる荒川水系の河川ですが、この高麗川の長い年月をかけた蛇行が、独特の形の土地を造りだしました。
この土地は上から見ると巾着(きんちゃく)の形に似ていることから、「巾着田(きんちゃくだ)」と呼ばれるようになりました。
その巾着田は、全国でも屈指の曼珠沙華(まんじゅしゃげ)の群生地として知られています。

そんな巾着田に、「曼珠沙華まつり」が開催されている花真っ盛りの時期に訪問しました。
曼珠沙華まつりは例年、9月中旬くらいから10月上旬にかけて開催されています。
凄く混むよ~、といわれているので今まで足が向きませんでしたが、思い立って平日での訪問。10時頃の到着でしたが、平日にも関わらず結構な人出ですねえ。休日は相当混みそうですわ。
特に車の場合は駐車場に入れるまでが混むので、早めの到着が良さそうですよ。

では入場料を払って園内へ。お~、さっそく真っ赤に染まる曼珠沙華のカーペットが広がっていますね!
川岸の堤防状になったところに幅50m程の花地があり、これが約600mも続いているんですね。
そこに咲く花数はなんと約500万本!この規模は全国的に見ても最大級といわれています。
二セアカシアの木々が所々に立っており、これが高原のような雰囲気を感じさるのがまた良いんですよね。
曼珠沙華の花名は”天界に咲く花”という意味

改めて曼珠沙華という植物について、おさらいしておきましょう。
曼珠沙華は中国が原産国の多年草です。
花名はインドのサンスクリット語で”天界に咲く花”という意味で、仏教の経典に出てくる「天から降ってくるという赤い花」に由来するらしいです。
別名は彼岸花(ひがんばな)で、秋のお彼岸の時期の数週間だけ咲く性質から付けられました。
曼珠沙華は花期になると、葉も付けずにスッと伸びた茎に鮮やかな花を咲かせます。
花が終わった後、今度は葉が伸びてきて青々としたま冬越しするという、一風変わった周期を持つ植物なんですね。

球根に毒を持つことから、モグラや野ネズミ除けとして墓地に植える習慣もあったそうだ。
そのオリエンタルで妖艶な花姿に加え、”あの世”に通じる時期や場所で咲いているという、そんなミステリアスなイメージを持つ花です。
ちなみに曼珠沙華の持つ花言葉は、情熱、悲しい思い出、独立、再会、あきらめ、などとのこと。

園内は下流と上流の2つのエリアに分かれているので、まずは下流エリアから見学します。

巾着田の曼珠沙華は主に自生したものらしく、川の上流から球根が流され巾着田に漂着して群生したのでは、といわれています。
「あいあい橋」日本一長い木造トラスト構造の橋

群生地を外側から鑑賞するレイアウトが多いので、人が映らない構図での花の写真が撮りやすいですね。
逆に、群生する花に埋もれてみた!といった雰囲気の写真は撮りづらいかも(笑)。

下流エリアの北側には、「あいあい橋」という大きな橋があります。
これは巾着田から高麗川に架かる歩行者用の橋で、トラスト構造と呼ばれる特徴的な造りのもの。
長さ91.2mのこの橋は、木造のトラスト構造の橋としては日本一の長さなんですって。へえ~。
後で渡ってみよう!と思っていたら、橋は有料エリアの外側にあるので忘れちゃいました。。。
トラスト構造の橋とは?
三角形を基本単位とした骨組みで力を効率的に分散し、高い強度と軽量化を実現するもの。主に鉄や鋼材で組まれ、長いスパンを支えるのに適しています。
代表例として、アメリカのブルックリン橋やイギリスのタイン橋などが挙げられます。耐久性と経済性から今も多くの橋梁設計に採用されています。

ふと、上にカメラを向けて写真を撮っている方々を発見。そんな所に花なんか。。。あった!
仕込んだわけではないですよね、これ(苦笑)。
林間の陰影が楽しめる上流エリア

引き続き上流エリアへ。

上流エリアの群生地の方が幅が広くて、花の密集度も高かったように思います。
あと、時間帯や天候もよると思いますが、こちらの方が林間を歩いている感じが強く、陰影による奥行き感が楽しめました。

たまに、まだ蕾の状態で群生している箇所もありました。陽当たり加減で開花にも差がでるのかな?
あと、白い曼珠沙華を入口付近でちょこっと見かけましたが、基本的に園内は深紅の花一色という感じでした。
かつて高麗郡があった日高市

太めの木々があるとアクセントとなって、ちょこっと雰囲気が変わりますね。

そして下流エリアの入口には、こんな奇妙なオブジェも!
これはかつて朝鮮半島の農村に見られた、将軍標(しょうぐんひょう)と呼ばれる魔除けだと思われます。
紀元前37年頃から668年頃にかけて、朝鮮半島には高句麗(こうくり)という大国がありましたが、戦いで国が滅びた際に多くの渡来人が日本にやってきました。
渡来人である高麗人たちは日本各地に散在していましたが、奈良時代にこの日高の地に集められ「高麗郡」が創設されたんですね。
日高にある高麗神社には、かつての高麗郡の首長が祀られています。
\ 異国情緒豊かな高麗神社の詳細についてはこちら!/
「ドレミファ橋」清流・高麗川に架かる橋

上流には川べりに近づける場所があり、そこには「ドレミファ橋」と呼ばれる木橋が架かっていました。

元々は橋桁は架かっておらず、橋脚だけがあったそうだ。
その橋脚を「ドレミファ!」と、歌いながら飛び越えて渡ったことが名の由来なんだとか。誰が歌ったのかは分かりませんでしたが(苦笑)。
橋桁の幅が狭く、人が交差する時はちょっぴりスリリングでした。

川の水は澄んでおり、とても綺麗でした。
巾着田周辺の高麗川も比較的流れが緩やで、釣りや水遊びができるスポットが多くあるようですよ。
巾着田 曼珠沙華まつり(令和5年度)

令和5年度 巾着田曼珠沙華まつり 概要 ※このイベントは終了しています。
日時:令和5年9月16日(土)~10月6日(金) 9:00~16:30
※開花が遅れたため、当初の最終日10月1日から延長されました
イベント:日高市内の特産・うまいもの市、栗フェスティバル(9月30日)など
例年、曼珠沙華の花期には、日高市観光協会・日高市商工会主催の曼珠沙華まつりが開催されています。
催しの一環として上流エリアと下流エリアの中間地点にある広場では、特産・うまいもの市が開催されており、多くの人でにぎわっていました。
日高市は栗が特産品なんですね、知りませんでしたよ。
ちなみに曼珠沙華まつり期間中は、西武鉄道の飯能駅~高麗駅間で臨時電車が運行されています。(本年は~10月4日まで)。

そして会場内でおこなわれていたのが、猿回しのイベント。
猿使いの方の軽快なおしゃべりと、芸達者なお猿さんのコンビが会場を沸かせていました。
日和田山を背景に自然豊かな景観を楽しむ

堤防から少し離れた広場には水車小屋がありましたが、どういう由緒のものか?などの詳細は不詳でした。
芝生広場では遠足とおぼしき幼稚園児たちがレジャーシートを広げてランチタイム、そんなのどかな光景もみられました。

遠方に見えるのは日和田山で、その頂上から見降ろすと、巾着田が巾着の様な形になっているのが分かります。
日和田山方面に向かって続いている並木は、約100本あるソメイヨシノとのこと。
桜の季節には右手の畑地に菜の花も咲き、桜と菜の花の競演が楽しめるそうですよ。
ロケーションも良く、映えそうですねえ。
高麗郷古民家にも立ち寄ってみよう

巾着田前の県道を挟んだ向かいには、国登録有形文化財「高麗郷古民家」があるので立ち寄ってみました。

ここは当地で代々名主などを務めた新井家の旧住宅で、母屋と客殿を中心に江戸時代末期から明治時代にかけて建てられた歴史的建造物が残っています。
当時の暮らしや文化を伝える貴重な文化施設として無料で一般公開されているので、立ち寄って見学するのも良いと思いますよ。
高麗郷古民家(旧新井家住宅)
住所:埼玉県日高市高麗本郷245(GoogleMapで開く)
休館日:祝日を除く、月曜日及び火曜日、年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)
開館時間(見学):4月から11月迄:9時~16時、12月から3月迄:10時~15時
タイトル通り、いまいちばん美しい日本の絶景写真が楽しめます!
その場所・その季節・その時間帯などの組合わせが創り出す絶景。
巾着田曼珠沙華公園の詳細情報・アクセス
巾着田曼珠沙華公園
公式ページ
住所:埼玉県日高市高麗本郷125-2(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・西武池袋線「高麗駅」下車、徒歩約15分
・JR川越線・八高線「高麗川駅」下車、徒歩約40分
・JR「高麗川駅」から国際興業バス、高麗駅経由飯能駅行乗車、「巾着田」下車徒歩約3分
・西武池袋線「飯能駅」から国際興業バス、高麗川駅行・埼玉医大国際医療センター行乗車、「巾着田」下車徒歩約3分
車)
・関越自動車道「鶴ヶ島IC」から14Km
・圏央道「圏央鶴ヶ島IC」から11Km
・圏央道「狭山日高IC」から8Km
・駐車場料金(1日): 二輪車 100円、普通車 500円、バス 3,000円
日高市ランチは事前予約やクーポン利用で、並ばずお得に!!
\ ふるさと納税の返礼品にサイボクハムもあるよ!/
巾着田に出かけてみませんか?
曼珠沙華の花数も凄いのですが、なんといっても高麗川に囲まれた高原のような、美しいロケーションがたまりません。都内から1時間程度で来れる距離にありながら、豊かな自然を味わえますよ。
巾着田に出かけてみませんか?
記事の訪問日:2023/9/26




日高市周辺の立寄りスポットを探して予約しよう!割引プランも!
近隣スポットもチェック!
あわせて読みたい
低山でも絶景!日和田山は登山初心者にも超オススメ【埼玉・日高市】
埼玉県日高市の「日和田山(ひわださん)」はハイキング気分で手軽な登山が楽しめる低山で、森林浴でリフレッシュするには最適!標高は305mで高尾山の半分程度の高さです…
あわせて読みたい
飯能「OH!!!」で始める、美味しく楽しい発酵習慣!【埼玉・飯能市】
発酵食品は昔から体に良いと言われており、最近は腸活なんて言葉とも結びついて、さらに注目されていますよね。埼玉県飯能市には、そんな発酵食品に関するテーマパーク…
あわせて読みたい
「ムーミンバレーパーク」を1デーパスで楽しむ!!夏は涼感スポットも出現【埼玉・飯能市】
埼玉県飯能市の自然に囲まれた場所にある「ムーミンバレーパーク」は、北欧の妖精・ムーミン一家がテーマの体験型施設。そんなムーミンバレーパークを1デーパスポートで…
あわせて読みたい
飯能駅から街歩き、自然やレトロやアニメの聖地まで!? 【埼玉・飯能市】
埼玉県飯能市は都心から1時間程度でアクセスできる場所ながら、自然豊かでハイキングに人気のエリアです。そんな飯能の街歩きに出掛けました。街中には古い建物が残り、…
さらに「埼玉県」に関する記事を探す
秋の花や紅葉スポットをさらにチェック!
あわせて読みたい
権現堂公園の曼珠沙華(彼岸花)、オリエンタルで妖艶に咲き誇る!【埼玉・幸手市】
埼玉県幸手市の「権現堂公園」は関東随一の桜の名所として知られますが、桜以外にも四季折々の花が楽しめるスポットなんですよ!秋のお彼岸の季節には、咲き誇る「曼珠…
あわせて読みたい
吹上コスモス畑、河川敷で魅せる美しいグラデーション!【埼玉・鴻巣市】
花の生産地として全国的にも知られる、埼玉県鴻巣市。そんな鴻巣市には、日本一の川幅を誇る荒川の河川敷があります。その河川敷には秋になると、1千万本のコスモスが咲…
あわせて読みたい
秋の贅沢!「旧古河庭園」でバラと紅葉を一緒に楽しむ【東京・北区】
都内で紅葉スポットを探しているのなら、バラも一緒に楽しめてしまう旧古河庭園がお勧めです。 建築家ジョサイア・コンドルが建てた高台の洋館を中心に、武蔵野台地の地…
あわせて読みたい
「華厳の滝」へエレベーターで急降下!怒涛の落水音にも圧倒【栃木・日光市】
日本三名瀑の一つに数えられる「華厳の滝」を中心に、秋の奥日光の自然が楽しめるスポットを紹介。華厳の滝を中禅寺湖とともにパノラマが楽しめる明智平展望台、至近距…
<a href=”//ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=3694017&pid=890454465″ rel=”nofollow noopener” target=”_blank”><img src=”//ad.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/gifbanner?sid=3694017&pid=890454465″ border=”0″></a>
クラブツーリズムはバスツアーやテーマ旅行が充実!