「花園神社」は都会の真ん中である新宿にありながら、鳥居をくぐり境内に入ると、そこには喧騒から切り離された静かで緑豊かな境内があります。
鮮やかな朱色で統一された建物や稲荷神社のミニ鳥居をめぐっていると、しばし新宿にいることを忘れてしまいます。
新宿の歴史にも関わりが深い、花園神社を紹介します。
目次
『新宿の歴史を見てきた花園神社』
「大鳥居」 明治通り沿いの正面
こちら東側の正面入口は明治通りに面しています。
南は新宿駅近辺の大ガードへと続く靖国通り、西は歌舞伎町の外れに面した場所と、新宿らしい都会の中に立地しています。
境内に入ると周囲の喧噪を忘れさせる、緑に囲まれた静かな空間が現れます。
まさに都会のオアシス!
出迎えてくれる大鳥居は、平成8年(1996年)に築造された鉄製の鳥居です。
大鳥居の脇の狛犬は、昭和生まれの狛犬でした。
「拝殿・本殿」 江戸時代に宿場町の鎮守に
大鳥居を抜けて境内参道を進むと、陽の光に映える朱色の社殿が現れます。
現在の拝殿・本殿は、昭和40年(1965年)に改築された鉄筋コンクリート造りの社殿。
花園神社は一部を除いて、木造の建築物がほとんど無いのが特徴の一つかもしれない。
花園神社は江戸時代に宿場町「内藤新宿」ができて、その鎮守として祀られるようになりました。
神社の起源は江戸時代以前で、吉野山より勧請されたのが発祥です。
江戸幕府より尾張藩下屋敷の庭の一部を与えられ、現在の地に移転してきました。
その時、沢山の花が咲いていたことから「花園稲荷神社」と呼ばれる様になったそう。
江戸時代初期の寛永年間までは、現在の伊勢丹デパートの辺りにあったらしいですよ!
本社である「花園神社」、昭和に合祀された「雷電神社」「大鳥神社」があり、倉稲魂神(うがのみたまのかみ)・日本武尊(やまとたけるのみこと)・受持神(うけもちのかみ)の三祭神がそれぞれ祀られています。
特に倉稲魂神はお稲荷さんとして信仰され、新宿という場所柄、会社などの商売関係者からの信仰が篤いそうですよ。
昭和になり雷電神社と大鳥神社が合祀された際、「花園神社」に社名変更がされてます。
大鳥神社にちなんで11月の酉の日に行われる「酉(とり)の市」は、花園神社でおこなわれる祭典では特に有名。
「鷲神社」の浅草酉の市、東京都府中市の「大國魂神社」とともに、関東三大酉の市のひとつに数えられているんですね。
多くの人々で賑わいます。
「神楽殿と宝物殿」 祭時に神楽やお囃子を披露
「神楽殿」も拝殿・本殿と同じ、鮮やかな朱色の造り。
大晦日から元旦、2月の節分祭追儺式、5月の例大祭、11月の酉の市の際に、神楽やお囃子が披露されます。
「宝物殿」には、本社と雷電の2基の神輿と獅子頭が納められています。
毎年、例大祭は毎年5月28日に一番近い土・日・月に行われるお祭り。
花園神社の神輿2基が出る「表の年」と、各町会の神輿8基が出る「陰の年」がそれぞれ隔年のローテーションになっているそうです。
「威徳稲荷神社」 異空間の入口のよう
境内社「威徳(いとく)稲荷神社」。
起源詳細は不詳ですが、昭和3年(1928年)頃に建てられたとのこと。
稲荷神社らしく、赤い小さな鳥居が並んでいます。
嬉々として鳥居をくぐったりしていると、新宿の街中にいることも一時忘れてしまいますなあ。
都会にあるちょっとした異空間への入口として、人気のスポットです。
こちら、扁額の後ろに大きな木製の男根が秘めやかに掲げられているのが、見逃せないポイントだったりします。
こんなところに、なんとまあ。。。
優しそうな雰囲気のお狐様だ。
稲荷社の脇には、立派なイチョウの御神木。
「芸能浅間神社」 八代亜紀さんが社号標奉納
花園神社の個性を象徴するのが、こちらの境内社「芸能浅間神社」ですね。
江戸時代に大火にあった際、花園神社では焼失した社殿再建のために、境内で見世物や演劇などの興行がおこなわれました。
そのようなつながりで、昔より芸事との縁が深い神社なんですよね。
芸能人の奉納者の名前が連なっています。
一番左には、なんと歌手の八代亜紀さんの名前が!
こちらの芸能浅間神社の社号標も、八代さんが昭和56年(1981年)に奉納されたものなんですよ!
藤圭子さんが歌ってヒットした「圭子の夢は夜ひらく」 の歌碑。
藤圭子さんは、宇多田ヒカルさんの母親としても知られますよね。
この歌碑は作詞家・石坂まさを氏の作詞家生活30周年を記念して、平成11年(1999年)に建立されました。
「南側の鳥居」 靖国通り側入口
ちょっと違う入口からも入ってみます。
こちらは靖国通りに面した南側の鳥居。
ビルに挟まれた参道入口で、”都会の一角に鎮座”の佇まいを感じます。
こちらも落ち着いた、いい感じの参道ですよ~。
鳥居をくぐると、”ぐわっ”と凄みのある銅製の唐獅子が出迎えてくれる。
ムキムキ筋肉質の力強い感じの獅子ですね!
江戸時代の文政4年(1821年)に、内藤新宿の氏子によって奉納されたものだそう。
新宿区の指定文化財です。
「西側の鳥居」 ゴールデン街に面する
最後に本殿背後にある、西側の入口を紹介。
こちらは飲み屋が集まる歌舞伎町の外れに面している。
ゴールデン街は、昭和な佇まいが残る新宿の顔の一つ。
花園神社の入口を見て回るだけでも、色々な新宿の顔に出会えましたよ。
花園神社の御朱印
社殿向かって右手の社務所で御朱印を頂きました。
神社に参拝に行くと、神々についてや神社施設の呼び名・役割について知りたいけど、聞ける相手もいない!
ってことありません?そんな時、網羅範囲が広い本書は結構頼もしいですよ!
花園神社の詳細情報・アクセス
花園神社
公式ページ
住所: 東京都新宿区新宿5-17-3(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・東京メトロ丸の内線・副都心線・都営新宿線「新宿三丁目駅」E2出口、徒歩0分
・JR・小田急線・京王線「新宿駅」東口、徒歩7分
車)
・首都高速4号新宿線 新宿出口より5分
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花園神社へ参拝に出かけませんか?
新宿の街中にあるオアシス、花園神社を紹介しましたがいかがでしたか?
都会の真ん中でほっと一息つける、素敵な空間でした。
花園神社は芸能人や文化人にも愛され神社。
唐十郎のテント芝居が行われるなど、ちょっとアングラ的な魅力も持っています。
新宿に行かれた際は、足を延ばして立ち寄ってみませんか?
記事の訪問日:2021/8/17
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