
福岡県の世界遺産「神宿る島、宗像・沖ノ島と関連遺産群」の中心となる、海の正倉院とも呼ばれる沖ノ島。
この沖ノ島へは一般では行くことができませんが、「宗像大島」にはその沖ノ島を参拝するための遙拝所があります。
宗像大島は比較的アクセスしやすい割には、玄界灘に面した離島ならではの素晴らしい景色に出会えます。
そんな非日常が味わえる、離島への小さな船旅を紹介。
『宗像大社と、海の正倉院・沖ノ島』
九州福岡県の宗像大社を中心とした遺産群は、世界遺産に認定されています。
遺産は、沖ノ島の「宗像大社沖津宮」、大島の「宗像大社沖津宮遙拝所」「宗像大社中津宮」、九州本土の「宗像大社辺津宮」「新原・奴山古墳群」で構成されています。
その中心の「海の正倉院」とも呼ばれる沖ノ島は、九州本土から約60km離れた玄界灘沖に位置します。
沖ノ島は一般では訪問できない島となっています。
一方、世界遺産の構成にも含まれる大島には、沖ノ島の御神体を遥拝する「宗像大社沖津宮遙拝所」があります。
「神宿る島」の魅力に近づくべく、大島に出かけてみることにしました。
ということで、福岡県の離島・大島にある「宗像大社 中津宮」「宗像大社沖津宮遙拝所」への訪問記です。
『宗像大島』 沖津宮遙拝所を訪ねる離島への旅
「神湊港から離島・大島へ」 福岡市内からアクセス

大島は福岡で一番大きい島で、福岡県本土からの距離は約6.5kmです。
調べてみると、大島は福岡市内からでも比較的アクセスしやすいことが分かりました。
波止場へは、JR鹿児島本線で近隣の東郷駅へ移動し、そこからバスの利用が通常ルート。
しかし、土日祝限定で一日一本のみ、福岡市内の天神からのバス「特急むなかた号」が神湊の波止場まで直通します。
運賃は片道1,020円で乗車時間は約1時間。
今回はこれを利用。
予約も不要で、都合が合えばこれが便利!
■特急むなかた号の最新の時刻表・料金は、西鉄ホームページで確認してからお出かけ下さい。(西鉄 時刻運賃検索) *停留所名:福岡市内発「天神日銀前」/ 宗像市神湊発「神湊波止場」

神湊から大島へは、フェリーと旅客船の2隻体制で、一日7往復の運行。
大島港へは所要時間約25分程度の小さな船旅です。
さあ乗船!

乗船している客層を見て察するに。。。8割が観光客、残りは釣り人かな。
島中を走り回ってやるぞ、とばかりに自転車を持ち込んだスポーティーな出で立ちの方々も見受けられますね。
[所要時間] フェリー「おおしま」で約25分、旅客船「しおかぜ」で約15分
[運賃] 大人:570円(小学生を除く12歳以上)/ 小児:290円(1歳以上12歳までの小学生。小学校就学前の子供は 大人同伴1人につき1人無料。) ※自動車航送運賃:市営渡船大島航路のページ参照
[時刻表]
(神湊発)フェリー:第1便:7時40分・第2便:9時25分・第4便:13時50分・第6便:17時10分・第7便:19時00分 / 旅客船:第3便:11時15分・第5便:15時30分
(大島発)フェリー:第1便:6時50分・第2便:8時35分・第4便:13時00分・第6便:16時20分・第7便:18時00分 / 旅客船:第3便:10時15分・第5便:14時40分 *以上、2020年12月現在
[運行情報] 九州のりものinfo.comで検索できます
大島到着後、島内をどう移動する?

大島が見えてきましたね~。

堤防には釣り人。
この島の住人は約700人で、ほとんが漁業をはじめ海に関連する仕事をされています。

大島は周囲約15kmの広さ。
起伏もあるので徒歩で一回りするのはシンドイかもしれません。
そして今回の選択はこちら。。。

ジャジャーン、本日の相棒はレンタサイクルにしました。
電動アシストでグ~です。
実は電動自転車には初めて乗りましたが、楽チンでいいですね。
自転車は台数に限りがあるので要注意です。
では出発!
「宗像大社 中津宮」 七夕伝説発祥地

島巡りの最初の目的地は、フェリーポートからも程近い「宗像大社中津宮」です。
宗像大社には宗像三女神が祀られています。
ここ中津宮に祀られるのは三女神の一柱・湍津姫神 (たぎつひめのかみ) です。

宗像大社は、日本神話に登場する日本最古の神社の一つです。
この三宮を総称して、宗像大社といいます。

鳥居は海の守り神の如く、海に向かって立っています。
海を隔てたその先は、九州本土の宗像大社・辺津宮と向かい合っているそうですよ!

境内の川は「天の川」と呼ばれ、それを挟むように牽牛(けんぎゅう)神社・織女(しょくじょ)神社の小さな社が祀られています。
8月1日~7日(旧暦の7月1日~7日)は七夕飾りが施され、7日の夕刻にはステージでイベントも開催されるそう。
7日は大島港から21:30発の臨時船も運行されるとのこと。
離島で過ごす七夕祭りというのも、神秘的な雰囲気が味わえそうですね。
「沖津宮遙拝所」 玄界灘に向かい佇む

アップダウンのある道を頑張って漕ぎ、島の反対側に位置する「沖津宮遙拝所(ようはいしょ)」に到着。
いやー、大自然の中にポツンとたたずむ様は、この島ならではの風景ですね。
”自然にあらがわずに静かにたたずむ”、そんな印象の神社です。
この景色を見たくて来たんですわ。

女性禁制になった理由は、田心姫神(たごりひめのかみ)は女性の神様なので嫉妬しない様に禁制になった説や、女性には危険な場所というシンプルな理由など、諸説ある様です。

実は平成29年(2017年)までの沖ノ島では、全国公募の男性約200人が参加できる沖津宮現地大祭で、年に一度一般人の入島が許されていました。
2018年以降は、女性のみならず神職以外は原則入島できない事になっています。

沖ノ島には女人禁制の他にも、上陸時には海中で禊、一木一草一石たりとも持ち出せない、などの掟があり今も厳重に守られています。

天気が良い日はここから沖ノ島が見えるとありますが、目を凝らしても。。。、残念ながら見えませんでしたねえ。
他の訪問者の間でも「見えたか?」「いや、見えねえな。」の声が。
天候の状態によって、見えたり見えなかったりするみたいですね。
「砲台跡」 離島ならではの風景

大島には宗像大社以外の見どころもアリ。
こちらに見えるのは、戦時中に造られた砲台跡です。

大島の砲台は昭和11年(1936年)に完成し、昭和20年には砲兵部隊が緊急配備されました。
当時は大砲(15センチキャノン砲)が4門備えられたそう。
砲台が備えられたコンクリートの分厚い基礎が今も残ります。
穏やかな雰囲気のこの島にも、戦中の痕跡が残っていたのですね。
「風車展望所」 素晴らしい景観!

「風車展望所」は玄界灘をぐるっと見渡せる素晴らしいロケーションにあり、溜息が出るほど絵になる風景に出会えました。

中には入れませんでした。

展望台からの陸地側の風景。
大島は手軽な船旅で来れるにもかかわらず、こんな離島感あふれる景色の中で非日常が味わえます。
島内は結構アップダウンがあるので、自転車で回っても結構体力を使いますわ。
無理なく休憩時間を入れる移動プランにしましょう。
あと、ご覧の通り山側には日陰が無いので、暑い日は日射病・熱射病には要注意です。
「夢の小夜島と大島交流館」

フェリー港にも近い「夢の小夜島(さよしま)」は、海中に立つ朱色の鳥居と松の緑が美しい小さな島。
可愛らしい海辺のスポットです。
水深が浅く、潮が引いた時は歩いて渡ることもできます。
この辺りは「かんす海水浴場」と呼ばれる、人工の海水浴場になっています。
この向かいには、写真やパネルで島を紹介している「大島交流館」があります。
入場無料なので、時間があればのぞくのもよろしいかと。
大島の食事処や宿泊施設は?

一服は大島渡船ターミナルの2階のカフェで。
美味しいカレーパンと冷たいお飲み物(昼間っからすいません!)を頂き、渡船に合わせて撤収しました。
滞在時間は2時間でした。
私は日帰りでしたが、島内には宿泊施設は10か所ほどあります。
素泊まりできるリーズナブルな民宿から、一日一組のみの離島エグゼクティブが味わえる宿まで、結構様々あるようですね。
宿の一覧は宗像観光ガイドを参照下さい。
食事処については、食事処マップ(掲載情報は2019年11月時点)を参考にしてみて下さい。
※お出かけの際は最新情報でご確認下さい。

御朱印、宗像大社「中津宮」「沖津宮遙拝所」

最後に宗像大社で頂いた御朱印を紹介。
沖津宮遙拝所の御朱印は、中津宮で頂くことができます。
沖津宮遙拝所自体には、有人の神社施設はありません。
アクセス情報
住所:福岡県宗像市大島1811(GoogleMapで開く)
アクセス:
主要駅から最寄り駅(JR東郷駅)まで: JR鹿児島本線で、JR博多駅から約30分、JR小倉駅からは快速約40分
JR東郷駅から神湊港まで: 福間行きバス(神湊経由)で「神湊波止場」まで約20分
神湊から大島まで: 市営渡船「しおかぜ」またはフェリー「おおしま」で大島港へ神湊発・大島発一日各7便(乗船時間:しおかぜ約15分、おおしま約25分)、フェリーは車・バイクの乗車可 *大島渡船運航時刻表
参考情報ページ: 世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 / 宗像大社(公式ページ)
![]() | 価格:1,760円 |

福岡大島へ出かけてみませんか?

福岡大島への小さな船旅を紹介しましたが、いかがでしたか?
当初の目的は世界遺産の沖津宮遙拝所でしたが、思っていた以上に離島の素晴らしい景色に感激!
小さな船旅で、非日常感たっぷりのワクワクが味わえました。
宗像大島への小さな船旅に出かけてみませんか?

サステナブルにお得な買い物ができるって、いいんじゃない。
【記事の訪問日:2019/9/14】