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築地本願寺と周辺散歩で築地の歴史が見えてきた!【東京・中央区】

本ページには広告が含まれています

下町のイメージが強い築地界隈に建つ、一際エキゾチックな雰囲気を持つ「築地本願寺」。

外観・内観とも日本の一般的な寺院のイメージからはかけ離れた異国情緒漂う寺院ですが、その歴史をたどると、実は築地の歴史と深く関わりのある寺院なんですね。その見どころを紹介。

参拝の後は築地場外市場や築地外国人居留地跡など、他にも築地の歴史に触れられるスポットに立ち寄りましたので併せて紹介します。

目次

「築地本願寺」築地地名の由来の地

「築地本願寺」築地に建つインド様式の不思議な建物

築地本願寺(東京都中央区)

以前、地下鉄・築地駅から築地場外市場へ向かう途中にちらっと見かけて以来、ずっと気になっていたのが築地本願寺。
本日念願叶っての訪問となりますが、再見でもやはり始めて見た時同様、摩訶不思議な建物に映ります!

インド様式で造られたコンクリート製の本堂は、とってもエキゾチックな雰囲気。
日本の一般的な寺院のイメージからすると、その巨大さも相まってかなり異色の印象ですよね 。

ぱっと見は時代感も良く分からない建築物ですが、昭和初期の建物で、本堂・門柱(正面・北門・南門)・石堀は国重要文化財に指定されています

江戸時代の明暦の大火で浅草から移転

築地本願寺(東京都中央区)

まずは、築地本願寺の歴史をたどってみましょう。

築地本願寺の歴史概要
■元和3年(1617年):西本願寺(京都)の別院として、浅草・横山町に建立されました。
■明暦3年(1657年):明暦の大火で焼失。
■延宝7年(1679年):幕府より与えられた八丁堀の海上を埋めて、地を築きそこに再建。
■大正12年(1923年):関東大震災の火災で焼失。
■昭和9年(1934年):再建された現本堂が落成。

最初に浅草に建立されましたが、明暦の大火の後は区画整理により旧地での再建が許されませんでした。
与えられた​代替地がなんと!八丁堀沖の江戸湾海上(現在の場所)だったんですね。

これを門徒衆が海を埋め立てて土地を築き再建。
「地を築いた」ことに由来して「築地御坊」と呼ばれ、これが「築地」の地名の由来にもなっています。

明暦の大火について
明暦の大火は明暦3年(1657年)に発生した江戸最大の大火。
通称・振袖火事とも呼ばれ、本郷の寺から出火後、強い北西の風にあおられて延焼し、江戸市街の約6割を焼き尽くしました。
江戸城の天守をはじめ多くの武家屋敷や町家が焼失し、死者は10万人ともいわれます。
この大火を機に、江戸は防災を重視した都市改造が進められ、両国橋の架橋や広小路の設置、築地の埋め立てなど、復興計画が実行されました。

築地本願寺(東京都中央区)

入口正面にいる獅子は”スフィンクスの様な像”、な~んて形容されているそうだ。
異国情緒漂う建物を背景に立つ姿は、そんな形容が似合う気がしますね。

本堂入口をステンドグラスが飾る

築地本願寺(東京都中央区)

ステンドグラスで飾られている入口も、日本の寺院の和のイメージとはちょっと違う雰囲気。

築地本願寺(東京都中央区)

建物は鉄筋コンクリート造の2階建てで、一部に地下階が設けられています。

1階の参拝空間は西洋の教会建築にも似た開放的なホール形式で、正面には御本尊の阿弥陀如来が安置されています

案内板には”You Tubeで本堂をLive配信中”とありました。今どきの進歩的な対応にもちょっとビックリ!

築地本願寺の設計者・伊東忠太氏は妖怪研究者でもあった!?

築地本願寺(東京都中央区)

地階に通じる階段で、一風変わった動物達の像に出会えるのも興味深い。

こちらは獅子。入口のスフィンクスぽいのと同じ生き物ですね。

築地本願寺(東京都中央区)

こちらには水牛。
う~む、本当に日本のお寺?ここはどこ?って感じがしてきました(苦笑)。

本堂の設計をおこなった伊東忠太氏です。

設計者・伊東忠太(ちゅうた)(1867-1954年)
東大名誉教授で文化財の保存にも尽力して、昭和18年(1943年)に文化勲章受章を授与。同26年には文化功労者に選ばれており、日本の建築史に多大なる貢献をされた人物です。
設計した建築物には京都・平安神宮や明治神宮など、名建築物の名が挙がります。
伊東氏は日本建築の源流を求めて、中国・インド・トルコなどに留学するなどのアプローチをされてました。

手掛けた施設を見ても分かる通り、日本の建築史においてはたいへん重要な人物なんですね。

築地本願寺(東京都中央区)

一方で伊東忠太氏の著書には「妖怪研究」という、少々変りダネの本もあったりします。
それを聞くとこれらの動物の像にも、「なるほど。。。」と妙に納得。

一方、これらの不思議な建築物や装飾には、築地本願寺側の懐の深さも感じました。

「築地本願寺カフェ」SNS映えの朝ごはんが人気!

築地本願寺(東京都中央区)

境内の北側にはインフォメーションセンターがあります。

築地本願寺の築地本願寺カフェ Tsumugi (東京都中央区)
築地本願寺カフェ Tsumugi

センター内にはブックセンターやオフィシャルショップのほか、「築地本願寺カフェ Tsumugi」があります。

お寺のカフェ自体は珍しくないですが、こちらの数量限定メニューである「18品の朝ごはん」がSNS映えする!と大評判になっている、というのは珍しい!
朝は行列ができるそうですよ、やりますなあ~。

その他にも、築地場外市場の店のおつまみ、オリジナルのブレンドティーやスイーツ、アルコール類などもあると聞くと、もはやお寺の一画にあるカフェの枠を超えていますねえ。

カフェ以外にも築地本願寺の斬新な取り組みは数多く。。。

■本堂で行われるパイプオルガンコンサート:
毎月最終金曜日開催の”ランチタイムコンサート”や、”ナイトタイムコンサート”(築地本願寺倶楽部会員向け)などを開催。
■館内に一般向け宿泊施設がある:1人一泊5,000円から宿泊できるとのこと(食事代は別)。
■入会金・年会費無料の「築地本願寺倶楽部」がある:
入会すると各種「よろず僧談(そうだん)」(←誤字じゃないです)や、「築地の寺婚」などの婚活サービスも利用可。

ちょっと驚きですよね?
歴史ある寺院でありながらも、信者でなくても出かけてみたくなる現代的な開かれたスタイルの寺院に、本日は驚かされました。

築地本願寺の詳細情報・アクセス

築地本願寺

公式ページ
住所:東京都中央区築地3-15-1 (GoogleMapで開く
アクセス:
電車)
・東京メトロ日比谷線「築地駅」出口1直結、東京メトロ有楽町線「新富町駅」出口4より徒歩約5分
・都営地下鉄浅草線「東銀座駅」出口5より徒歩約5分、都営地下鉄大江戸線「築地市場駅」出口A1より徒歩約5分

「築地場外市場」市場移転後もランチは健在!

築地場外市場(東京都中央区)

天気も良かったので、参拝後は周辺を散策。
築地本願寺の目と鼻の先には「築地場外市場」がありますので、まずはこちらでランチを。

築地市場の歴史を少したどってみると、

江戸時代初期、江戸の人口増加を支える食料供給拠点として成立した、日本橋魚河岸が前身です。
大正12年(1923年)の関東大震災で魚河岸が被災したことを契機に、昭和10年(1935年)に築地へ移転してきました。
以後、全国の水産物流通の中心として日本の食文化を支え続けました。

老朽化等の理由により平成30年(2018年)に豊洲市場へ機能移転されたのは、まだ記憶に新しいところですね。

築地場外市場(東京都中央区)

移転後も場外には飲食店が残りますが、祝日だったことを考えると、市場があった頃よりは全然人混みは少ないですね。
それでも昼時ともなると、どこのお店も並ばないと入れない感じで、しばしウロウロと彷徨うことに。

築地場外市場(東京都中央区)

比較的リーズナブルな値段に見えた、こちらの食事処・甲羅組 築地店に並びました。

築地場外市場(東京都中央区)

本鮪入り海鮮4種丼を頂きました。
なかなか美味しいうえに、大盛無料で味噌汁付というのも良かった!お値段1,364円なり。

ただ通行人の接近が気なる席で、ちょっと落ちつかず(苦笑)。食事処の確保はお早めに。

甲羅組 築地店

公式Facebook
住所:東京都中央区築地4-9-1 (GoogleMapで開く

築地場外市場

住所:東京都中央区築地4丁目16−16番2号 (GoogleMapで開く
アクセス:
電車)
・都営大江戸線「築地市場駅」A1出口より徒歩1分
・東京メトロ日比谷線「築地駅」1番・2番出口より徒歩1分
・東京メトロ日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」5番・6番出口より徒歩5分

「聖路加ガーデン」墨田川の絶景を空から一望!

聖路加ガーデン(東京都中央区)

食後は腹ごなしを兼ねて、墨田川沿いを散策することに。

こちらの巨大なツインタワーは46階建ての「聖路加(せいるか)セントルークスタワー」で、ホテル・レストランなどの機能を持つ多機能な複合ビルです。

この一帯が聖路加国際病院を中心とした”聖路加ガーデン”と呼ばれる複合施設エリアで、そのランドマーク的な建物がこちらのビルなんですね。
 
上から周囲の景色が見えないかな?と、ちょっとビルに上がってみることに。

聖路加ガーデン(東京都中央区)

お~、46階からの眼下に墨田川のこの絶景!これはいいですね。

隅田川の歴史について
隅田川は古代より旧利根川・旧入間川の下流部にあたり、武蔵国と下総国の国境でした。
江戸時代初期の利根川東遷や荒川の瀬替えにより隅田川は荒川の本流となり、江戸の重要な水運・物流路へと発展。
両岸には蔵が建ち並び、花火や舟遊びなど庶民の娯楽の場としても愛され、その風習は現在にも引き継がれています。

隅田川は架かっている橋も印象的ですよね。

手前に見える勝鬨橋は、昭和15年(1940年)に船舶航行のために中央が開閉する跳開橋として建設されたもので、現在は国重要文化財に指定されています。
ちなみに昭和46年(1970年)以降、橋は開いていません。

多くの橋が関東大震災後の大正末期~昭和初期に復興再建されたもので、その際、重厚なアーチ型の永代橋や吊り橋がモデルの清洲橋など、デザイン性の高い橋が多く造られました。

聖路加ガーデン(東京都中央区)
佃方面を望む

こちらは佃島方面。

佃島は徳川家康が江戸入府の際、摂津国(現、大阪府)の佃村から漁民を呼び寄せ、隅田川河口の干潟を埋め立てて築いた人工島です。

佃煮の発祥の地として知られますが、現在は超高層マンションが立ち並ぶエリアのイメージですね。

聖路加ガーデン

公式ページ
住所:東京都中央区明石町8-1 (GoogleMapで開く
アクセス:
電車)
・東京メトロ日比谷線「築地駅」より徒歩7分、東京メトロ有楽町線「新富町駅」より徒歩8分
飲食店情報:1・2階に食事処あり。47階に隅田川・東京タワー・スカイツリーなどが一望出来る天空レストランがありオススメ。

「トイスラー記念館」と「築地外国人居留地跡」

トイスラー記念館(東京都中央区)
トイスラー記念館

聖路加ガーデンのエリア内には、その母体となるキリスト教系の病院である聖路加国際病院があります。

そして病院の敷地の一角にあるのが、ヨーロッパの山荘風の建物「トイスラー記念館」。
昭和8年(1933年)の建物で、病院の設立者である米国の宣教医師・ルドルフ・トイスラーの館として建てられたものです。

トイスラー記念館(東京都中央区)
アメリカ公使館跡

明治時代のこの一帯には、実は外国人居留地がありました

築地の外国人居留地について
明治2年(1869年)、日米修好通商条約に基づく東京の開市場として、現在の明石町一帯に外国人居留地が設けられました。
商業都市として繁栄した横浜とは対照的に、築地はキリスト教宣教師や文化・教育関係者が多く住み、教会・ミッションスクール・病院などが設立されます。
慶應義塾(発祥の地)や立教学院など、多くの学校発祥の地となり、西洋文化や教育の窓口としての役割を果たしました。

この地に建ち並んだ洋館群は、残念ながら大正時代の関東大震災で全て焼失したとのこと。

築地に外国人居留地があったなんて、勉強不足ゆえ知りませんでした。
普段歩かない街をぷらっと歩き、そこで意外な歴史に出会えるのは楽しいですね。

トイスラー記念館

住所:東京都中央区明石町10(聖路加国際病院内)(GoogleMapで開く

築地周辺ランチは事前予約やクーポン利用で、並ばずお得に!!

東京には素敵な名建築が沢山ありますが、そこでお茶できたり食事できたりすると素敵ですよね。
テレビ大阪,BSテレ東の真夜中の人気ドラマ「名建築で昼食を」の原案本!

古地図と現代地図を見比べながら 江戸のなりたちを巡りませんか?
歴史好きならば、東京の街歩きが楽しくなる一冊!

築地本願寺に出かけてみませんか?

古い物と新しい物が混然一体となった築地本願寺は、とても興味深い寺院でした。
また、周辺エリアの散策も、絶景や知られざる歴史に出会えて楽しかったですね。

築地本願寺とその周辺に出かけてみませんか?

記事の訪問日:2020/9/21

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