「岩槻人形博物館」は、埼玉県の人形の町・岩槻にある、日本初の人形専門の公立博物館です。
開放的なつくりの博物館では、岩槻の人形の歴史紹介や、江戸時代の貴重な人形などの展示を通じて、人形文化に触れることができます。
そして、同じ敷地内には、珍しいヨーロッパ野菜をメインにしたカフェもあるんですよ!
博物館で文化的にすごしヘルシーなランチを頂く。
そんなゆるやかな週末の過ごし方をご紹介!
目次
「城下町と人形の町・岩槻」 太田道灌ゆかりの町
博物館の入口前の敷地には、かつて岩槻城を築城したとしてゆかりのある武将、太田道灌(どうかん) の像があります。
太田道灌は、最初に江戸城を築城したことでも知られます。
埼玉県さいたま市岩槻は、人形の町として良く知られています。
その人形の町の歴史も、実は城下町だったことと深く関わっているらしいんですね。
江戸時代に岩槻は岩槻城の城下町として栄え、また日光御成街道の宿場町としても人が集まりました。
そんな岩槻には、やがて日光東照宮の造営に携わった宮大工らが流入して住むようになったそうです。
そして彼らが人形作りを始めたのが、人形の町への発展につながっていった、と言われています。
『岩槻人形博物館』 岩槻人形の歴史に触れる
日本初の人形専門の公立博物館
そんな人形の町に2020年、「岩槻人形博物館」が開館しました。
博物館は、岩槻区役所の跡地に建てられました。
地元悲願でもあったこの博物館は、全国的に見ても、日本初の人形専門の公立博物館として貴重な存在なんですよ!
博物館の建物は和を基調としたテイストですが、ガラス張りの開放的なつくりですね。
自然光がたっぷり入る建物は好印象。
最盛期には工房・問屋が約300軒!
展示施設は常設展と特別企画展の、2つの展示室で構成されています。
訪問時は新型コロナの影響により、特別企画展は開催されてませんでした。
常設展示は、人形の製造過程を紹介する「埼玉の人形作りコーナー」からはじまります。
岩槻は昭和の高度成長期に、人形の産地としての最盛期をむかえます。
当時は300軒近い工房と問屋が軒を並べていたそうです(凄い数だ!)。
パーツは分業により生産されました。
それを問屋が仕入れ、組み上げ等の商品仕立てをしたのち販売、という流通だったそうだ。
商品企画なども問屋がコントロールするそうです。
なんとなく、一から十まで職人達が一部屋で一貫生産している、そんなイメージを持ってましたが。。。
実際は、かなりシステマティックな生産・販売網が組まれていたんですね。
へえ~、って感じ。
江戸時代の精密な人形に驚く
博物館所蔵作品が展示されているコレクション展示。
その中から、印象的だったものをいくつかピックアップ。
江戸時代の雛人形。
18世紀後半に江戸で生まれた「古今雛(こきんびな)」は、現在の雛人形の原形だそうだ。
豪華な衣裳をまとい、写実性の高い表現が特徴。
表情はのっぺりした感じ。
こちらは江戸時代に、歌舞伎などの人気役者を模して作られた「似顔絵人形」。
着せ替えが可能で、膝や関節を折って座ったりもできるそうです。
人形の表情も衣装も、非常に精巧にできており精密ですねえ~。
裕福な人の娯楽道具だったんでしょうなぁ。
江戸時代の鼓打(つづみうち)の「衣装人形」は、躍動感を感じますね。
この腰つきが、なんともいいね!
江戸時代の「次郎座衛門頭立雛(かしらたちびな)」と呼ばれる、立雛人形。
雛人形はこういう立ち姿から始まったそうで、ルーツ的な人形として興味深いです。
雛人形の並べ方の変遷も紹介されてました。
江戸時代の雛人形には並べ方の細かい決まりはなく、けっこう自由に並べられていたらしい。
昭和に入っての昭和天皇即位式や天皇の肖像写真などが、現代の並べ方に影響しているそうです。
こちらもちょっと意外な事実だわ。
そんな感じで本日は、人形文化の移り変わりについて、興味深く知ることができました。
今後の展示でも、人形に関するのトリビアを持って帰れるような、親しみやすい展示内容を期待したいなあ。
岩槻人形博物館の詳細情報・アクセス
岩槻人形博物館
公式ページ
住所: 埼玉県さいたま市岩槻区本町6丁目1-1 (GoogleMapで開く)
開館時間:午前9時~午後5時
休館日:月曜日(休日の場合は開館)、年末年始(12月28日から1月4日まで)
観覧料:一般 300円、高校生・大学生・65歳以上 150円 ※展覧会により観覧料が異なる場合あり
アクセス:
電車)
・東武アーバンパークライン「岩槻駅」東口下車、正面の大通りを直進、2つ目の信号(岩槻駅入口)を左折、直進約500m右手。徒歩にておよそ10分
車)
・東北自動車道「岩槻IC」より国道16号線を春日部方面へ約3.5㎞進み、城町2丁目の交差点を左折し、信号2つ目を左折すると約1.2㎞先左側が博物館駐車場
『にぎわい交流館いわつき』 ヨロ研カフェでランチ!
博物館がある敷地内には、「にぎわい交流館いわつき」という施設が併設されています。
観光情報発信やレストランなどを要する多目的施設ですね。
コロナの影響を受けて、本日はレストラン以外は残念ながらクローズしてました。
「ヨロ研カフェ」 ヨーロッパ野菜を地産地消
館内のカフェレストランが、こちらの「ヨロ研カフェ」です。
本日の訪問の楽しみの半分はこちらでのランチだった、って言ったら怒られちゃうかな(苦笑)。
博物館を文化的に楽しんだのち、洒落たカフェランチを楽しむ。
今まで岩槻界隈でそんな空間もなかったんでね、期待しての訪問でしたよ。
建物は人形博物館同様、ガラス張りでオープンなつくり。
ナチュラルテイストな店内ですね。
こちらのお店の特徴は、埼玉県産のヨーロッパの野菜を中心に、県内の食材にこだわった料理を提供するお店なんですね。
地産地消スタイルなんだそうです。
無料の「デトックスウォーター」。
ミント、レモングラス、ライム、ディルが材料とあります。
お~、なんか体に良さそうだ。
人気のランチプレートは目にも楽しい!
こちらは人気の「ヨロ研野菜たっぷりのワンプレート」。
たっぷりの野菜が使われた、ヘルシーな感じの一皿です。
サラダ、ミネストローネ、パン、豚肉のポルケッタ(=ロースト)。
それに、プチヴェール、ラディッキオ・タルティーボ、ロマネスコ、などの外人の名前みたいな野菜たちが(笑)。
さらに、数種類のヨーロッパ野菜のソテーが添えらています。
プチヴェールはキャベツの仲間で、ラディッキオ・タルティーボはキク科の野菜。
ロマネスコは、ブロッコリーとカリフラワーが掛けあわさった野菜だとか。
こちらは旬の野菜を使った「本日のランチパスタ」。
ヨーロッパ野菜のロマネスコは、面白い形だな。
ブロッコローより柔らかい食感で、食べやすい感じ。
あっさりしたトマトソースベースのパスタで、美味しかったです。
変わり種多し、秩父産ジェラート
変わり種が多い秩父産オリジナルジェラートを見つけ、ついついデザートまで。
選んだのは「酒粕&バナナチョコチップ」と「カッサータ(リコッタチーズのアイスケーキ)」。
「酒粕&バナナチョコチップ」 は、バナナ感が半端ない。
素材の風味が素直に出ていて、美味しいのだ。
他にも珍しい感じの種類があるので、次回も色々試してみたいねえ。
ヨーロッパ野菜の販売も
店内には地元のおみやげなどを販売しているショップがあります。
近所のスーパーでは見かけないような、ヨーロッパ野菜も販売してました。
カフェの運営会社は、そもそもはイタリア料理店の会社だそう。
生産者や地域と密着して、さいたまの食文化を盛り上げよう!という活動をされているとのこと。
さいたま市の学校給食でイタリア料理を提供する、な~んて試みなんかもされているようですよ。素敵ですね!
食文化を通じて埼玉県やさいたま市を元気にする、そんなユニークな活動を今後も期待したいですね。
写真を見ていると出かけたくなってしまう、素敵なカフェ満載。
緑に包まれた場所や、隠れ家のような空間を探しに出かけてみようか。
ヨロ研カフェ岩槻店の詳細情報・アクセス
ヨロ研カフェ岩槻店
公式ページ
住所:埼玉県さいたま市岩槻区本町6丁目1−2 にぎわい交流館いわつき1F
営業時間:平日:ランチ10:00-14:30、カフェ14:30-17:00(L.O.16:30)、土日祝:ランチ10:00-15:30、カフェ15:30-19:00(L.O.18:00)
定休日:年中無休
にぎわい交流館いわつき(公式ページ)
住所:埼玉県さいたま市岩槻区本町6丁目1−2(GoogleMapで開く)
開館時間:9:00~21:30、休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
周辺おすすめスポット(岩槻城城址公園ほか)
久伊豆神社
太田道灌は城内の総鎮守として崇敬し、江戸時代には江戸の鬼門にあたるとして、徳川家康も鬼門除けの祈願をしたと伝わります。
境内では孔雀が飼われており、運が良ければその美しい羽根を広げている場面に出会えます。
岩槻人形博物館からは約1.5km程離れた場所にあります。
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岩槻城址公園
旧岩槻城の一部が岩槻城址公園として整備されています。
春には桜の花見スポットとなるなど、自然が多い憩いのスポットとして人気。
そして、公園内にはかつての岩槻城の面影を残す遺構も残っています。
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岩槻城址公園
住所:埼玉県さいたま市岩槻区太田3-4 (GoogleMapで開く)
※住所・Mapは岩槻城城門に近い第一駐車場のもの
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岩槻人形博物館とヨロ研カフェに出かけてみませんか?
伝統文化「人形のまち」で知られる岩槻は、少し古臭い街のイメージがあるかもしれません。
でも、岩槻人形博物館とヨロ研カフェが、地域の産業や観光を盛り上げるスポットになってゆくと楽しいなあって思います。
伝統文化に触れて美味しいランチを楽しみつつ、のんびりした週末を過ごしに立ち寄りませんか?
記事の訪問日:2021/2/27
\ さいたま市の返礼品は、結構グルメが充実してますよ!/
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