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世界的な建築家であった丹下健三氏。
その代表的な建築物の一つが新宿副都心に建つ「東京都庁舎」です。
東京都政の中枢を担う建物であるとともに、西新宿の街の一部となっています。
そんな東京都庁舎を、建築物としてマジマジと眺めに出かけてみたのでご紹介。
新宿近辺には丹下氏が設計した驚愕の建築物が他にもあるので、併せて紹介しています。
東京都庁舎と建築家・ 丹下健三氏
新宿副都心にある東京都庁舎ビル。
建物は1990年代に建造されたが、現在も新宿で一番高いビルだ。
今改めて建築物として眺めに出かけてみるとともに、設計者であり建築界の巨匠であった丹下健三氏をクローズアップしてみます。
- 丹下健三(たんげけんぞう)(1913-2005年)。
- ■ 日本を代表する建築家の一人。
戦後の復興後から高度経済成長期にかけて、多くの国家プロジェクトを手がける。 - ■ また、日本人建築家としては最も早い時期に国外でも建築や都市計画を世界中で手がけ、「世界のタンゲ」とも呼ばれた。
- 代表的な建築物は、広島平和記念資料館(1952年)、国立代々木競技場(1964年)、東京都庁舎(1990年)、フジテレビ本社ビル(1996年)など多数。

『東京都庁舎見学』 新宿副都心のランドマーク
「第一本庁舎・第二本庁舎」 独特なツインタワー

「東京都庁舎」は新宿で一番高いビルで、副都心を象徴するランドマークタワー的な存在の建物。
平成2年(1990年)のバブル期に建てられたビル。
当時丸の内の旧庁舎から業務が移されて以来、東京都政の中枢を担う場所ですね。
都庁舎は今もって見ても、バブル期ならではの物凄い規模の建築群です。
単独のビルではなく、西新宿の街の一部を形成していますね。
建物群は第一本庁舎・第二本庁舎・都議会議事堂の3棟から構成されます。

パリのノートルダム寺院の大聖堂のような、と比喩される第一本庁舎のシルエット。
遠目だと、比較的シンプルな形状のツインタワーに見えたりもするが。。。

近づいてまじまじ見ると、何だか複雑なデザインなんですね~。
窓部周囲は格子戸のようなデザインですね。
鳥居っぽくにも見えたりして、和風のテイストなの?
「都議会議事堂」 円形闘技場風の都民広場

「都議会議事堂」は地上7階・地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造りで、6階・7階は議場として吹き抜けになっています。
ここでは、都議会本会議などが行われます。
外観は半円形となっており、都民広場を取り囲むような形状になっています。
月並みな表現ですが、ローマの円形闘技場・コロッセオを思わせますなあ。
「展望台」 スカイツリーや新旧東京を眺める

折角なんで展望台へ行ってみました。
45階の地上202m、新宿一高いビルからの絶景が無料で楽しめますからね、上がってみないと、と。
展望台からは建物側面が見えますね。
ベースとなる四角い柱状の建物に、三角の出っ張り部分が足されて複雑な形状を造っていることが分かります。

こちら、展望台から東向きの、「太陽にほえろ」な景色(古い!)。
昭和の高度成長期を象徴する、西新宿の老舗高層ビル群ですね。
左の白いビルは通称・三角ビルこと住友ビル。
黒っぽいのが新宿三井ビルで、その右手の茶色っぽいのが新宿センタービルですな。
東京都庁舎ができるまでは、「西新宿の顔」だった面々。

こちらの北東方向には、中央奥にスカイツリーが見えます。
四方が見渡せるこの展望台からは、新旧東京の景色が見渡せるのも興味深いところ。

代々木方面。
左手の背の高いビルは通称・新宿のエンパイアステートビルこと、NTTドコモ代々木ビル。
その足元に見える円盤形の建築物が、新しい国立競技場ですね。
中央右手奥には東京タワーが、そのずーっと先には東京湾の入口辺りまで見えます。
いやはや、良い眺めだ。

展望台には飲み物や軽食や、東京土産なども販売されていました。

おおっ!斬新なデザインのピアノ。
これは「都庁おもいでピアノ」。
芸術家の草間彌生(やよい)監修のもと設置されたピアノ。
誰でも5分以内で演奏できますよ。
入室料金:無料
休室日:第2及び第4月曜日(北展望室)、第1及び第3火曜日(南展望室)、祝日に重なる場合は開室しその翌日を休室、年末年始(12月29日~31日、1月2日及び3日)及び都庁舎点検日は両展望室とも休室
東京都庁舎の建築物概要
- ■ 竣工: 1990年12月 / 建築設計者:丹下健三 / 施工:大成建設・清水建設ほか
- ■ 敷地面積:42,941m2 / 延床面積:380,504m2 / 建築面積:27,487m2
- ■ 階数・高さ:【第一本庁舎】地上48階地下3階・243m、【第二本庁舎】地上34階地下3階・163m、【都議会議事堂】地上7階地下1階塔屋1・41m
アクセス
住所:東京都新宿区西新宿2-8-1(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・JR「新宿駅」、西開札から徒歩約10分
・都営地下鉄大江戸線「都庁前駅」
・「新宿駅」西口(地下バスのりば)から都営バス又は京王バス(都庁循環)「都庁第一本庁舎」「都庁第二本庁舎」「都議会議事堂」下車
・JR「新宿駅」西開札、新宿駅西口:バス停から西新宿・都庁本庁舎方面行きの新宿WEバス乗車、「都庁本庁舎」下車
『新宿パークタワー』 都庁舎の兄弟!?

新宿近隣で見れる丹下健三氏設計の建築物は、東京都庁舎だけじゃないんですねえ。
こちらの「新宿パークタワー」は、都庁舎施工と比較的近い時期の建築物。
ということもあり、東京都庁舎と建物のタッチが非常に似てるんですね~。
立地も都庁舎に近いため、都庁舎の建物の一部と間違われることも多々ある様ですよ。
実際兄弟みたいな風貌で、間違えても無理もないなあ。。。

都庁同様、単純な直方体になっていないのが特徴ですねえ。
あと屋根部分が三角の傘みたいな形なのが特徴でしょうか。
三角は明かり取りかな?
ビルの主要部分は賃貸オフィスで、高層部にはホテル・パークハイアット東京が入っています。
部屋の場所も高いけど、宿泊費も高いんでしょうなあ。。。

- 建築物概要
- ■ 竣工:1994年 / 建築設計者:丹下健三・都市・建築設計研究所 / 施工:鹿島建設、清水建設、大成建設など
- ■ 敷地面積:26,536m2 / 建築面積:9,553m2 / 延床面積:264,141m2 / 構造形式:鉄骨構造
- ■ 階数:地上52階地下5階、高さ:235m
住所:東京都新宿区西新宿三丁目7番1号(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・新宿駅南口から徒歩約12分、京王新線 初台駅から徒歩約6分、都営大江戸線都庁前駅A4又はA5出口から徒歩約8分、小田急線 参宮橋駅から徒歩約10分
*新宿駅西口「エルタワー」1階三菱UFJ銀行前から、無料の直通シャトルバス便有(10:10〜19:20にて10~15分間隔)
『東京カテドラル聖マリア大聖堂』 驚愕の建築物!!

もう一件、新宿のお隣文京区にある丹下健三氏設計の建築物を紹介。
「東京カテドラル聖マリア大聖堂」は、ホテル椿山荘の真向かいにあります。
聖マリア大聖堂は昭和39年(1964年)に建造された教会。
「これはなんだ!どういう形になっているんだ!」と、取り乱したのが私の第一印象です(笑)。

建物表面はメタリックな質感。
造りはシェル構造と呼ばれ、壁から屋根が一体化しているコンクリートの壁を垂直に立てた構造。
外装にはステンレスが使われています。

建物沿って左手に進み、クルッと振り返ったこちらが聖堂の正面になります。
そして建築物の形状ですが。。。なんと!空から見下ろした時に建物上部が十字架の形になっている、というのが特徴だった!
う~む、やはり凡人が地上から見上げても、理解しずらい形状のはずだわ。
聖堂内も見学可ですが、残念ながら撮影は禁止でした。
剥き出しのコンクリートの壁が、独特の雰囲気を出している内部でした。

丹下健三氏は、生前にカトリックの洗礼を受けていました。
平成17年(2005年)、91歳で死去された際には、自ら設計したこの教会で葬儀が行われました。
- 建築物概要
- ■ 竣工:1964年12月 / 建築設計者: 丹下健三・都市・建築設計研究所 / 施工:大成建設
- ■ 敷地面積:15,098m2 / 延床面積:3,650m2 / 建築面積:2,541m2 / 構造形式:鉄筋コンクリート造
- ■ 階数:地上1階地下1階 / 高さ:39m
住所:東京都文京区関口3-16-15 (GoogleMapで開く)
電車・バス)
・東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」(出口1a)より徒歩15分
・JR山手線「目白駅」より、都営バス 白61系統 “新宿駅西口行き”
・JR山手線「新宿駅」より、都営バス 白61系統 “練馬車庫前行き”
どちらも「ホテル椿山荘東京前」下車徒歩1分

番外『モード学院コクーンタワー』 憲孝氏設計

最後に丹下氏関連ビルという事で、新宿の「東京モード学院コクーンタワー」を紹介。
新宿において変わった形状のビルといえば、これでしょう。
このビルは、丹下健三氏の息子・丹下憲孝(のりたか)氏が代表取締役社長を務める、丹下都市建築設計で設計した建物。
元々の東京モード学院側のオーダーが「見たことがない建物を」というのも驚きだが、完成された建物も依頼に応えた驚愕の建物ですなあ。

繭を形どったイメージだそう。
こちらは丹下健三氏の設計ではありませんが、先進的なDNAを継ぐ建物として最後に紹介しました。
- 建築物概要
- ■ 竣工:2008年 / 建築設計者:丹下都市建築設計 / 施工:清水建設
- ■ 敷地面積:5,172m2 / 延床面積:80,865m2 / 建築面積:3,542m2 / 構造形式:鉄骨造
- ■ 階数:地上50階地下4階 / 高さ:204m
住所:東京都新宿区西新宿1-7-3 (GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
新宿(西口)駅前・徒歩3分。JR・小田急・京王・地下鉄から地下街が直結。駅前から歩道橋が直結。
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建築物探訪に出かけてみませんか?

東京都庁舎を中心に、丹下健三氏が設計した建築物を見て周りましたが、いかがでしたか?
丹下氏の設計した建築物には、独創性な視点を徹底的につき詰めた強烈な個性を感じますね。
そして、丹下健三氏の建築物に限らず、テーマを決めて建築物を見て歩くのは、街歩きの楽しみ方の一つとして面白いと感じました。
建築物探訪に出かけてみませんか?

サステナブルにお得な買い物ができるって、いいんじゃない。
【記事の訪問日:2020/10/16~10/28】