日光街道沿いにある春日部市。
江戸時代には宿場町・粕壁宿が設けられ、「春日部八幡神社」はその粕壁宿の総鎮守でした。
さらにその創建にさかのぼると、鎌倉時代に当地を治めていた武将・春日部氏が、鎌倉の鶴岡八幡宮を勧請したのに始まります。
そして境内は、実は春日部氏の館跡の一部なんですね。
そんな歴史をもつ、樹齢700年の御神木が境内を見守る静かな神社を参拝しましょう。
目次
粕壁宿の鎮守「春日部八幡神社」参拝
鎮座地は鎌倉街道の道筋
江戸時代、春日部には五街道の一つである日光街道が通っていました。
そして日本橋を出発して4番目の宿場町「粕壁宿」が設置され、宿場町として栄えました。
「春日部八幡神社」は、その粕壁宿の鎮守として崇敬を受けた神社なんですね。
神社の始まりは、江戸時代からさらにさかのぼる鎌倉時代。
この地の武将・春日部氏が、鎌倉街道の道筋にあった、自身の館内に築いたのに始まります。
参道に入った一の鳥居の額には「新方荘總社(にいがたそうじゃしゃ)」とあります。
これは春日部氏の領地だった、新方領の総鎮守であった名残とのこと。
入口脇にある「都鳥の碑」。
これは江戸末期の嘉永6年(1853年)に、粕壁宿の名主が奉納したもの。
平安時代に、歌人・在原業平が奥州に旅をした。
その際、武蔵国と下総国との境の、隅田川の渡しで詠んだ歌が記されています。
当社の位置も両国の境にあり、奥州への通路だったため、往年、関連故事として残されたそうだ。
鳥居脇の狛犬は、柵で守られてました。
近付けないので詳細不明ですが、古い貴重な狛犬なんでしょうなあ。
江戸時代の天保11年(1840年)頃には、現在の久喜市・杉戸町・白岡町・宮代町を含む52ヵ村の氏子、3,615名がいた記録が残っているそう。
現在の春日部地域のみならず、広域にわたり崇敬を受けていたんですね。
一夜のうちに成長!?伝承の御神木
参道を進んだ、社殿のあるエリア入口に二の鳥居。
こちらの額には、春日部社とありました。
そして参道を抜けた先の正面には社殿があるのですが。。。
丁度真正面に御神木が立っており、ちょっと不思議な状況。
こんな感じで、どどん!と巨木が2~3本立ってるんですよ!
こちら、鎌倉時代の元弘年間(1331~1334年)に飛来したイチョウといわれます。
枝が一夜のうちに成長し、参詣人を驚かせた!という伝承があるんですよ。
樹齢約700年、ってことになりますよね。
新緑や紅葉の季節には、境内は映えそうですねえ。
安産・長寿、家内安全・必勝の神
春日部八幡神社は元弘年中に、この地域の武将である春日部重行(しげゆき)が、鎌倉の鶴岡八幡宮を勧請したのが始まりとされます。
春日部重行は、鎌倉幕府に仕えた御家人・春日部実景(さねかげ)の孫にあたる。
境内にある森の一部は、春日部氏の館跡だといわれます。
祭神は、誉田別尊(ほんだわけのみこと)(応神天皇)、息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)(神功皇后)、武内宿禰命(たけのうちすくねのみこと)、豊受姫命(とようけひめのみこと)の、4祭神が祀られています。
特に安産・長寿、家内安全・必勝の神として、地域の人々からの信仰を受けているそうです。
社殿の様式は、拝殿と本殿を幣殿でつなぐ権現造り。
社殿脇に飾られている、十二支の絵馬。
当年以外の干支の絵馬も見れるのって、案外珍しくないですか?
「奥の宮と境内社」
社殿を囲むように境内社があります。
経津主命(ふつぬしのみこと)を祀る「香取社」は、除災・開運の御利益が頂けます。
火産霊神(ほむすびのかみ)を祀る「愛宕(あたご)社」には、防火・防災の御利益があるそう。
そして社殿の真後ろには、少し特別感のある「奥の宮」があります。
元々こちらには、創建当時の旧本殿が保存されていました。
当時の神社建築の様式を残した、市内最古の建造物だったそうなんですね。
これが平成7年(1995年)に、不審火により残念ながら焼失。
翌年に旧社殿を模して再建し、奥の宮としたものなんだそうです。
春日部稲荷神社の鎮座地は砂丘!?
春日部八幡神社とは別の参道を持っ「春日部稲荷神社」。
春日部稲荷大明神とも呼ばれ、穀物・食物の神である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀ります。
お稲荷さんなので、商売繁盛の御利益も頂けそうですね。
春日部稲荷神社の起源は、千百年位前の創建といわれます。
春日部八幡神社以前からの歴史がある稲荷神社なんですよ。
ところで、稲荷神社の境内の一部は「中川低地の河畔砂丘群・浜川戸砂丘」という、県指定の天然記念物になっているらしいです。
これは、群馬の榛名山や浅間山からの、火山灰に由来する大量の砂によるものとのこと。
平安~室町時代に発生した季節風により、吹き溜まった内陸性の砂丘なんだそうだ。
へえ~、火山灰による砂丘って珍しいな。
地面を眺めてみましたが。。。、
正直、砂丘ぽいのかどうか良く分からなかったりして。
春日部稲荷神社に隣接した八幡公園は、市民の憩いの場。
木製のアスレチック遊具などがあり、ナチュラル感のある公園でした。
訪問したのは3月の上旬。
公園の一角には梅の花が開花しており、春の近づきを告げていました。
春日部八幡神社の御朱印
とても立派な書体のものを直書きで頂けました。
神社に参拝に行くと、神々についてや神社施設の呼び名・役割について知りたいけど、聞ける相手もいない!
ってことありません?そんな時、網羅範囲が広い本書は結構頼もしいですよ!
春日部八幡神社の詳細情報・アクセス
春日部八幡神社
公式ページ
住所:埼玉県春日部市粕壁5597(GoogleMapで開く)
アクセス:
電車)
・東武スカイツリーライン「春日部駅」より徒歩15分
・東武アーバンパークライン「八木崎駅」より徒歩5分
車)
・駐車場約25台分あり
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春日部八幡神社に参拝に出かけませんか?
春日部の総鎮守・春日部八幡神社を紹介しましたが、いかがでしたか?
江戸時代の日光街道、鎌倉時代の鎌倉街道。
それらの街道が交わった場所にある、歴史を感じられる神社です。
また、広々とした境内は、静かで落ち着いて参拝できる空間でした。
そんな春日部八幡神社に、参拝に出かけてみませんか?
記事の訪問日:2022/3/6
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