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秋の贅沢!「旧古河庭園」でバラと紅葉を一緒に楽しむ【東京・北区】

本ページには広告が含まれています

都内で紅葉スポットを探しているのなら、バラも一緒に楽しめてしまう旧古河庭園がお勧めです。

建築家ジョサイア・コンドルが建てた高台の洋館を中心に、武蔵野台地の地形を利用した立体的な庭園風景が楽しめます。

一流の庭設計者が作り出した庭園をめぐり、秋の季節感を楽しみに出かけませんか?

目次

「国指定名勝・旧古河氏庭園」で、秋のバラと紅葉を楽しむ

陸奥宗光の旧宅地を古河財閥当主が整備

旧古河庭園(東京都北区)

近場の紅葉スポットを探していたところ、旧古河庭園は紅葉とバラをいっぺんに楽しめるスポットらしいじゃないです。それはオイシイ!

ということで思い立ち、秋の週末に旧古河庭園に出かけてみました。

旧古河庭園(東京都北区)

旧古河庭園のある場所は、元々は外務大臣などの活躍で知られる明治期の政治家、陸奥宗光(むつむねみつ)の宅地でした。

大正6年(1917年)に、古河財閥3代目当主であった古河虎之助により、現在のような邸宅として整備されたそうです。

昭和になると国有財産となった後、昭和31年(1956年)に都立公園として開園します。
平成18年(2006年)になると国の名勝にも指定されました。

約3万m2の敷地の高台に洋館があり、その向かいに洋風庭園があります。
そして、低地部には日本庭園が配置されています。

武蔵野台地の地形を生かした邸宅と庭園

旧古河庭園(東京都北区)


旧古河庭園の大きな特徴は、その立地にあります。

武蔵野台地にあたる高低差のある地形を活かして、高台に洋館、斜面に洋風庭園、低地に日本庭園を配置
立体的で奥行きのある空間が創られています。

武蔵野台地は、関東平野にある荒川・多摩川・入間川などに挟まれた面積700km2の台地でです。

北区はJR京浜東北線の西側にこの武蔵野台地の高台があり、東側は低地にあたります。
これは京浜東北線の下り線に乗ると左手に台地の崖の様子が見えるといえば、なんとなくイメージできる方もいるかと思われます。

【洋館】旧岩崎邸でも知られるジョサイア・コンドル氏の設計

旧古河庭園(東京都北区)
洋館を東側から見る

洋館というと横浜山手の西洋館なんかが思い浮かびますが、東京都の北区にもこんな立派な西洋館邸宅があったんですねー。
洋館と洋風庭園の設計はイギリスの建築家・ジョサイア・コンドル氏によるものです。

ジョサイア・コンドル(1852~1920年)
建築学教授として明治時代に来日して、明治政府関連の建物の設計を手がけました。
多くの日本人建築家を育成し、明治以後の日本建築界の基礎を築いた人物。

旧岩崎邸庭園洋館、鹿鳴館、ニコライ堂なども設計しています。

ジョサイア・コンドル氏は日本人の奥様を持ったとともに、日本文化への造詣も深かったそうですよ。

旧古河庭園(東京都北区)

バラ園がある洋風庭園側から見た洋館です。
真ん中の通路を挟んで、左右対称の洋風庭園が造られています。

【洋館】大谷美術館の見学について

旧古河庭園(東京都北区)

洋館の建物管理は古河家と親交があった大谷家がおこなっており、現在は「大谷美術館」として見学できるようになっています。

ジョサイア・コンドルが設計した館内は、主に接客に使用される1階がすべて洋室なのに対し、2階の寝室以外の部屋は和室という、和洋折衷の様式が取り入れられています。

大谷美術館の見学には、別途入館料が必要です。
館内の撮影はNGでした。

大谷美術館

公式ページ
開館時間:10:30~16:30(最終入館は16:00) ※本館1F大食堂の喫茶室は12:00~16:30(ラストオーダーは16:00)
休館日:月曜日 *月曜日が休日の場合は開館し、翌火曜日休館
*夏季・冬季その他館内整備などで休館する場合もあり。
入館料:一般 400円、小学生以下無料、ガイドツアー:一般800円(含、入館料)
※入館には別途、旧古河庭園への入園料が必要です。

【洋館】美しいバラ園の背景に映える

旧古河庭園(東京都北区)

バラ園には約90種180株のバラが植えられています。

旧古河庭園(東京都北区)

やはり洋館とバラの組み合わせは、ベストマッチといっていいでしょうねえ。

旧古河庭園(東京都北区)

洋館は高台にあります。
これは、武蔵野台地だった地形をそのまま生かした立地なのだそうだ。

旧古河庭園(東京都北区)

バラ園で一番気に入ったバラはこちら。
ビロードのような質感を持つ気品ある「黒真珠」。

旧古河庭園(東京都北区)

春のバラ園では見れない光景ですねえ。

旧古河庭園(東京都北区)

本日天気も良く、多くの入場者で賑わっていました。

イベント「紅葉とバラ、和と洋の秋(令和4年度)」

ところで訪問時は秋のイベント「紅葉とバラ、和と洋の秋」が開催されている期間でした。

紅葉とバラ、和と洋の秋(令和4年度) ※このイベントは終了しています

日時:令和4年(2022年)11月12日(土)~12月4日(日)
時間:9時~17時(最終入園は16:30)
イベント内容:
■秋を彩る演奏会 ※雨天中止
日時:12月3日(土) 12時/15時(各回約30分)
場所:洋館横芝生広場
演目:小山兄弟(津軽三味線)
参加費:無料(入園料別途)

■臨時売店 ※荒天中止
日程未定:10時~16時
場所:芝生広場アプローチ部分
内容:オリジナル商品やバラグッズ等の販売。

■庭園ガイド ※雨天中止
日時:土曜日・日曜日・祝日 各日11時/14時(各回約60分)
集合:サービスセンター前
内容:庭園ガイドボランティアによる紅葉した日本庭園を中心としたガイド
参加費:無料(入園料別途)

都内で秋のバラが楽しめるスポットはそれほど無いと思うので、貴重なイベントですよね。

旧古河庭園(東京都北区)

出店されていたキッチンカーで、コーヒーと可愛い饅頭を購入して一服。
洋館内にも喫茶室があるので、優雅な一時が過ごしたい方は是非そちらへどうぞ。

では続いて日本庭園の見学に向かいます。

【日本庭園】平安神宮神苑などを手掛けた小川治兵衛氏が設計

旧古河庭園(東京都北区)

日本庭園はかなり下った谷間にあり、またガラッと雰囲気が変わります。
こちらも造園には、元々の自然の地形が生かされているそうです。

こちらは日本庭園の名人、小川治兵衛氏により設計されています。

小川治兵衛(1860~1933年)
近代日本庭園の先駆者とされる作庭家。
京都の庭師植治と呼ばれ、園界に多大な貢献をした人物。

山県有朋の京都別邸・無鄰菴(むりんあん)、平安神宮神苑、円山公園、南禅寺界隈の財界人の別荘庭園などを作庭している。

改めてこの邸宅は洋風も和風も名だたる名人たちを集め、贅が尽くされていますね。

【日本庭園】心字池を中心とした池泉回遊式庭園

旧古河庭園(東京都北区)

日本庭園は、池を中心に配して周囲に園路をめぐらす池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)です。
池は「心字池」になっています。

心字池は「心」の字に似せて造った池ですが、実際歩いてみても良く分かりませんでした、といってしまうと無粋といわれるのでしょうかね(苦笑)。

水面に紅葉した木々が映る景観は美しいです。

旧古河庭園(東京都北区)

色付いた水面には、鴨たちがくつろぎます。

旧古河庭園(東京都北区)

紅葉はこれから秋が深まるともっと進むかな、という印象ですが、所々良い感じに色づいており楽しめます。

旧古河庭園(東京都北区)

赤と黄色が織りなすコントラストも良いですね。

【日本庭園】丘陵を生かした大滝で幽玄を表現

旧古河庭園(東京都北区)

庭園の一角にある「大滝」は、庭園設計の中でも特に力を入れた箇所とのこと。
元々あった自然の斜面を生かして造られた滝で、全長は20mで滝壺までは8mの高さがあります。

若干奥まった所にあり、やや遠目での鑑賞スポットでした。

旧古河庭園(東京都北区)

所々に配置された大きな石灯籠が、木々を引き立てるアクセントになっていました。

ちなみにこちらの灯籠は「泰平型(たいへいがた)灯籠」と呼ばれるそう。
どっしりとした形が特徴で、笠の縁部分も角ばって全体的にゴツい印象。

灯籠の形にも種類があるんですね。

旧古河庭園(東京都北区)

こちらの「雪見型灯籠」は見たことがある形の気がしますが、こんな大きいのは見たことない!

旧古河庭園(東京都北区)

こちらは「崩石積」と呼ばれる技法で、石同士が噛み合って崩れない様が美しいとされるそうです。

旧古河庭園の詳細情報・アクセス

旧古河庭園

公式ページ
住所:東京都北区西ヶ原1-27-39(GoogleMapで開く
開園時間:9時~17時(入園は16:30まで)
入園料:一般 150円、65歳以上 70円、小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料
※洋館は別途入館料発生
休園日:年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)ほか
アクセス:
電車)
・JR京浜東北線「上中里駅」下車、徒歩7分
・JR山手線「駒込駅」下車、徒歩12分
・東京メトロ南北線「西ヶ原駅」下車、徒歩7分
・都電荒川線「飛鳥山駅」下車,徒歩18分
・北区コミュニティバス(王子・駒込ルート)乗車、JR「駒込駅」より5分・JR「王子駅」より20分、「旧古河庭園」下車
車)駐車場無し

庭園は見方が分かるともっと楽しい!
全国の名園40庭を中心に、初心者にもわかりやすく庭園の見方が解説され
てます。

旧古河庭園に出かけてみませんか?

秋の旧古河庭園を紹介しましたが、いかがでしたか?

洋館の中で優雅なティータイムを過ごすこともできるのですが、キッチンカーでコーヒーを購入してテラスで(リーズナブルに)一息入れました。
素晴らしい洋館があり絵になる風景の中、天気も良く清々しい秋の季節感を感じることができた週末の一日でした。

秋の旧古河庭園に出かけてみませんか?

記事の訪問日:2022/11/19


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