【最新記事:2022.1.24】鬼が主役! 嵐山町「鬼鎮神社」、武将・畠山重忠館の鬼門除け!?【埼玉】

【埼玉・嵐山町】「杉山城跡」を徹底レポート!山城歩きを楽しもう!

【埼玉・嵐山町】「杉山城跡」を徹底レポート!山城歩きを楽しもう!

埼玉県嵐山町「杉山城跡」は、自然の地形を生かした戦国時代の山城跡。ここには戦国時代の城郭における、実戦的な技巧が分かり易く残っています。

そんな、築城技術が詰まった”教科書”ともいわれる杉山城跡の見どころを詳しく紹介します!

山城歩きの楽しさへと誘いますよ!

杉山城跡について

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

杉山城跡の紹介

杉山城跡は戦国時代に築城されたとされる山城跡です。

城の建物などは復元を含めて残ってませんが、山の高低差を利用しつつ典型的な戦国時代の様々な技巧が駆使された縄張跡が残っており、「築城の教科書」などとも呼ばれています。

戦国時代の城郭を知るにはとても分かり易い城郭跡で、保存状態も良く歴史ファンからの人気も高いです。

そんな杉山城跡ですが、城郭に関する文字資料はわずかしか残っておらず、築城年代や城主名など不明な点が多かった城郭跡でした。

ですが、2002年~2006年に掛けて行われた発掘調査で色々分かってきました。陶磁器など出土物の製作年代が15世紀後半~16世紀前半に収まること。また、山内上杉氏に関連する出土品の発見があったこと。

これらから築城主は山内上杉氏の可能性が高く、関東管領・山内上杉氏と同族の扇谷上杉氏による関東一帯を巻き込んだ抗争があった戦国時代前期に築城され、短期間で廃城となったことなどがわかってきました。

*関東管領:室町幕府が設置した鎌倉府の長官である鎌倉公方を補佐するために設置された役職名

以前より戦国時代後半に小田原北条氏が築いた城ではないか、という定説がありましたが、これにより定説は覆りました。

この辺り比企地域は城館跡の多い地域ですが、2008年に「比企城館跡群」の一つとして国指定史跡に選定されました。2017年には「続日本100名城」にも選定されてます。

杉山城跡の縄張構成

埼玉県嵐山町「杉山城跡」
縄張図(杉山城跡のパンフレットより)

杉山城の縄張は本郭(ほんくるわ)を中心にして、北・東・南の三方向を囲む様にそれぞれ二の郭・三の郭の区画が取り囲む「梯郭式(ていかくしき)」と呼ばれる配置の縄張です。

*郭は城郭の区画のことで、縄張は区画の配置のこと。それを記した見取り図が縄張図になります。

本郭に向かってそれぞれの郭が梯段状に登って行く造りで、郭の間は土塁や空堀(水の無い堀)などで複雑に仕切られています。

杉山城跡歩き

駐車場から城郭入口へ

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

杉山城跡の訪問は初めてですが、本日歩くのをとても楽しみにしてました。なにせ「築城の教科書」とか「戦国期城郭の最高傑作のひとつ」とか言われてる城郭ですからねえ。

車で訪問しましたが、まず広い駐車場がありがたい。最寄りの東武東上線「武蔵嵐山駅」からの距離は約2.9km(徒歩約40分)で、歩きで来れない事も無い様ですね。

城郭跡入口に向かうのに、地元中学校の敷地を抜けて行くのがちょっと変わってます。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

入口に向かいつつ見える、里山っぽい感じの周辺景色もなかなかいいんだよね~。

「出郭・大手口」 見学入口

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

「出郭(でぐるわ)」と呼ばれる、大手口手前に広がる郭が城郭跡の正面入口になります。

概要や見学の注意書きが書かれたボードあり。近くに簡易トイレも設置されてました。それと、縄張図が記載された立派なパンフレットが置いてあるのが特にウレシイね!

この出郭、無防備なだだっ広い空間に見えます。が、当時はこの案内板の辺りに溝が掘られており、素直に直進できない造りになっていたそうですよん。

では城郭内部に侵攻して行きましょう!

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

直進すると正面入口にあたる「大手口」が現れます。

真っすぐ上がって行くと正面は土塁になっており、この上部にある外郭(そとくるわ)に侵入するには、左手にカーブを切って行くことになります。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

大軍では進めない細い通路を左にカーブすると、右手の土塁から横矢でバッチリ狙われることになります。左側もいや~な地形になってますね(苦笑)。

この先々も、要所では常に横矢の攻めに狙われる造りになっています。

「馬出郭・外郭」素直には侵攻できない

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

大手口を抜けて直進すると「外郭」の南のヘリ(写真右手)に出ます。

真っすぐ進むと南三の郭の入口がありますが、堀があり”おっとっと!”という感じでスピードを緩めざるをえません。

堀の向かいには「馬出郭(うまだしぐるわ)」と呼ばれる郭の入口(=虎口)を守る小さな郭があり、そここからの待ち伏せをくらうことになります。

外郭・馬出郭間には、切り落とし可能な木橋が掛かっていたと思われます。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

掘りの中を歩いてみる。

深い堀が南三の郭の方まで続いています。ここに隠れての不意打ち攻撃も可能な感じですね!

土の城の堀は上から見ると空堀だが、掘りに入ってしまうと目立ずに移動できる城内通路に変身してしまいます。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」
外郭の全景

馬出郭とは反対方向にUターンすると外郭が広がっています。

この様に勢いを付けて城内に直進できない構造を見ると、”教科書”と言われるのもうなずけますね。良く計算されています。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

こちら南三の郭側の側面ですが、ウネウネと折れ曲がった形状の断面が続いているのが特徴です。

この屈曲は敵の見通しを悪くさせる効果があります。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」
帯郭状土塁

外郭を進んで行くと「帯郭状土塁」と呼ばれる堀に挟まれた道になってゆきます。

南二の郭・本郭方面に向かうにつれて細い道に誘導されている感がハンパ無く、術中にはまってる感になるいやーな感じの造り(苦笑)。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」
外郭の切岸

外郭の北側の「切岸(きりぎし) 」 と呼ばれる人工的に削られた断崖。斜面を登っての侵入を防ぐ為の仕掛けが施されています。

ビニールシートが掛けられており、見た目あまり美しくない状態でした。所々崩れが見受けられるので、補修が必要な状態なのかもしれませんね。

「南二の郭」 本郭手前の防御

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

外郭の北側出口にあたり、南二の郭(左方向)と本郭・東郭(右方向)側に入って行くポイント。

見通しの悪い、土塁に挟まれた細い道を通されます。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

右手は深い切岸が控えているので、この細い道を抜けざるをえません。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

こちらは「南二の郭」虎口側から、外郭の出口にあたる道の俯瞰。

ポコッと突き出た馬出し状の小さな郭があり(虎口受け)、陰になっている部分が先ほどの通路で、その奥が切岸です。

見下ろしながら、手ぐすね引いて敵兵を待ち構えている場面が思い浮かんできますねー。

この先の土塁との間には、通常は木橋が掛かっていたと想定されます。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

南二の郭の虎口側から通ってきた外郭側を望む。侵入してくる敵は丸見えな感じですな。

一方、大手口は写真右手なので、敵兵からはこの道に出るまで奥の見通しが効かない構造。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

こちら「南二の郭」。

本郭手前にあり本郭への防御を行うとともに、この西側にある井戸への侵入を防ぐ目的上も重要な郭だったと考えられます。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

南二の郭からみた本郭(左手)・東二の郭(右手)に続く道。道なりに左に登って行った先が本郭。

杉山城跡は要所の高木が伐採され、またコースも手入れが行き届いていており抜群に見やすいのが素晴らしいです!

「本郭」 上から縄張を確認

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

本郭に東側虎口から入った所です。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

こちらが城郭の中心部となる「本郭」全景。

この辺りは木々が残っており、色づきにより季節感が感じられるのが良いですね。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

本郭の北側には埼玉県の”史跡杉山城跡”の石碑と、小さな祠がありました。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

本郭の北東側のヘリ。結構な傾斜と高さがあります。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

高さのある本郭から進んできた方角を振り返ると、東側の郭の構成が良く分かります。写真右手が本郭、その先が南二の郭、さらに先が外郭です。

本郭前の道がニの郭との間で遮断されて、堀切になっているのもわかりやすいですね!

「井戸郭と井戸跡」 水は枯れない

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

本郭の南側には、南二の郭と共に挟む様な配置で「井戸郭」があります。

名前の通り、郭後方にある水場を守る重要な役割を持っています。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

左手が井戸郭で、正面の陽が当たっているのが本郭側。

間は掘りになっており、当時はここにも木橋があったのでしょう。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

そして、こちらが籠城戦の際には水源として重要だった井戸の跡。

おー、石で塞がれてますが、今も枯れずに水がしみ出てますよ!

「東二の郭・東三の郭」 自然の地形を使用

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

本郭の北東のヘリの下を抜けて、東二の郭・東三の郭に行ってみます。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

尾根に向かって緩やかに下る「東二の郭」。

この辺りは元々の自然の地形を生かした造りになっているそうです。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

東二の郭の先にある「東三の郭」。こちらも郭の形が分かり易く残っています。

「北二の郭・北三の郭」 杉山が残る

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

本郭の北虎口から出たところです。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

北の郭は山のヘリになっており(左側)、城名の通り杉山状態。整備されている箇所も当時時の雰囲気はこんな感じだったんですかね?

斜面は傾斜もあり木々も邪魔で、ここからの侵攻は難しそうですね。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

この辺りが「北二の郭」なのかな。。。

山麓に向かって「北三の郭」や虎口もあるのですが、この辺は遺構の形がちょっと分かり辛い感じがしました。

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

木々の間からの北側の眺望。城郭の最高部は高さ98.6mになります。

昔もここから周囲の状況を偵察していたんだろうか。。。

「御城印」 販売所情報も

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

御城印のデザインは、杉山城の城主である山内上杉氏の家紋である「竹に雀」を中央に配置したものだそうです。

御城印の販売は東武線「武蔵嵐山駅」西口にある「嵐山町ステーションプラザ嵐なび」で購入できます。

アクセス

杉山城跡公式ページ
住所:埼玉県比企郡嵐山町杉山513ほか(GoogleMapで開く
電車)
・東武東上線「武蔵嵐山駅」から約2.9km(徒歩約40分)
・東武東上線「小川町駅」から小川パークヒル線バス乗車、「小川パークヒル」下車、徒歩約1.5km (約20分)
車)
・関越自動車道「嵐山小川IC」から 約2.6km (約5分)
・駐車場あり

日本100名城と続日本100名城に行こう 公式スタンプ帳つき (歴史群像シリーズ) [ 日本城郭協会 ]

価格:1,100円
(2021/9/25 16:13時点)
感想(4件)

目指せ!全国制覇 御城印ガイド お城版“御朱印”をもらおう! [ 萩原さちこ ]

価格:1,870円
(2021/9/25 16:14時点)

出かけてみませんか?

埼玉県嵐山町「杉山城跡」

杉山城跡はいかがでしたか?

杉山城跡は、戦国時代の縄張を構成する郭や土塁・堀などが分かりやすい形で構成されているので、初心者でも上級者でも楽しめる城郭跡だと思います。

また、この城郭跡が素晴らしいのは、遺構が良く整備されており見やすく歩きやすくなっている点ですね。

これは保存会の方々のボランティア活動や、地元の中学校の生徒さんの整備への参加などの保存活動によるものです。

そんな素敵な杉山城跡を歩いてみませんか?


旅の予約はポイントも付く楽天トラベルがお得!

【記事の訪問日:2021/12/14】

近隣のスポットもチェック!【あわせて読みたい】

埼玉県嵐山町「菅谷館跡」

埼玉県ときがわ町「小倉城跡」

Pocket